珍しくもない本の雑感65

 【魔女の1ダース】

  • フツウ

 「七生おばさん」の罪である。
おばさんの作品の次に読む本はなかなか悩ましい。
どうしてもひと工夫必要だんべな。
無難なのは同じ「七生おばさん」か、「村上春樹
あとは古典とか、オチャラケとか・・・。
数少ないけど、世の中を斜めに見てるヒトとか・・・。
中途半端はダメである。
 ちょうどいいのが手に入った。
米原万里」である。
確か、最近亡くなっちゃったような・・・。
このヒトもどうやらフツウに満足出来ない性質だったらしい。
サブタイトルも刺激的。

―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―

構成まで「七生おばさん」っぽい。

  • 帰国子女

 1950年生まれ。
団塊のシッポ世代なんだけど、まったく関係ない。
プラハで小・中学校時代を過ごしたそうな。
今で言う帰国子女のハシリなんだべな。
 プラハでは、ソビエト学校に行ったそうな。
もちろんロシア語しか通じない。
んで、ロシア語通訳を業にする事になった。
何しか、平坦な道は歩いてなさそうである。
タダモノじゃないって雰囲気が行間に漂ってる。
目線がぜんぜん違う。
何しろ小気味いい。
そして笑える。

  • 1ダース

 「1ダース=12ヶ」
これはフツウのヒトビトの常識。
「1ダース=13ヶ」
これが魔女の世界の常識なんだそうな。
 世界は広いっ!
日本なんかちっちぇえっ!
我々の狭量な常識をはるかに超えた世界もある。
それを笑いながら教えてくれる。
 とにかく面白い。
ヒトサマにオススメしたくなっちゃう。
きっと通訳ならでは・・・。
異文化の橋渡し役ならでは、の切り口なんだべな。

  • 異文化

 13章には更に小見出しがついてる。
圧倒的に多いのが「○○の□□人」ってな小見出し
ちょと拾ってみた。

イスタンブールの日本人 ・バルナの日本人 ・シベリアの日本人 ・奈良のロシア人 ・東京の福島県人 ・京都のベトナム人 ・ベルリンの朝鮮人 ・満州の日本人 ・カザフスタンのアメリカ人 ・東京のエリツィン ・マニラのスイス人 ・東京のイタリア人 ・モスクワのアメリカ人 ・ローマの中国人 ・砂漠の中国人 ・ベニスのアメリカ人 ・ビシュケクの日本人 ・東京のキルギス人 ・モスクワのベトナム人 ・シベリアのフランス人 ・モスクワの日本人 ・パリの日本人 ・ロシア語学校の非ロシア人 ・モスクワのジプシー ・アメリカの日本人 ・宇宙の日本人 ・アウシュビッツの女管理人と「殺人狂時代」 ・モスクワのインドネシア人 ・イラクの日本人 ・ブタペストの日本人・・・

もちろんテーマは異文化。
ところ変われば・・・のオンパレードである。
これだけ拾い読みしても面白いかも・・・。