そらのことⅨ

  • 報告

 そらのお披露目をしなきゃいかん。
じ〜じ、ば〜ばには電話で報告しといた。
「また、懲りずにワンコ飼ったよ」
「そりゃあ良かった、良かった」
 何故か、手放しで喜んでくれた。
「あんた達にはワンコがいた方がいいよ」
いろんな思いがあったんだべな・・・。
 「名前はどうしたの?」
「そらって名前になった」
「ケタケタケタケタケタっ、そらぁいいっ、ケタケタケタっ」
ヤに陽気だった。

  • デビュー

 ひと月ぶりで帰省。
まおの合同慰霊祭以来である。
まずは沼津のば〜ばんちへ。
ば〜ばに会う早々、うれションをかました。
狂喜乱舞、欣喜雀躍、七転八倒・・・。
 続いて三島の実家へ。
同じく、大騒ぎである。
みんな笑顔が絶えない。
そらの一挙一動に笑いがおこる。
 みんな同じ事を言う。
「まあ、可愛いねえ〜」
「まおちゃんにそっくりだねえ〜」
やっぱ、似てるべか・・・?

  • 確率

 飼主である我々でも確率は5割。
何の確率か?
そらが、正しい名前を呼んでもらえる確率である。
とっさに出てくる名前は「まお」
「まお!っじゃなくって、そら!こっちおいで!」
当犬は当惑気味である。
 じ〜じ、ば〜ばの確率は2割以下だった。
「まおちゃん、こっちにおいで」
「まおじゃないよ。そらだってば」
「ケタケタケタケタっ、そーだったね。まおちゃん」
ダメだ、こりゃ・・・。

  • トイレ

 三島の実家に泊まった。
ケージやらベッドやら全部持参。
心配なのはトイレである。
家でも十分に躾けが出来てない。
余所んちだと、どこでかますかわかんないなあ・・・。
 でも、杞憂だった。
信じられないっくらい、まったくいい子だった。
ちゃあ〜んとオシッコシートの上で用を足してた。
思わず、躾けが完了したかと錯覚しちゃう・・・。
 甘〜いっ!
家に帰って来れば、元通り。
しっかり、あっちこっちで粗相をやらかす。
嫁さんがテンパる。
「何でちゃんと見ててくれなかったのよっ!」
え?
オレかあ・・・?