グルメのこと15

  • 銀婚式

 ”シンジラレナ〜イっ!”
今年の結婚記念日は銀婚式。
良っくもまあ・・・。
飽きもせず・・・。
しぶとも・・・。
 恒例の「仏メシ」に出かけた。
「フェリ」である。

http://r.gnavi.co.jp/g268100/

この街、随一の「仏メシ屋」と言ってもいいべ。
年に1度だけ、お邪魔してる。
彦星やサンタクロースじゃないんだけど・・・。
 シェフの確かなウデに裏打ちされた料理の感性はなかなかである。
聞くと、毛並も厩舎も調教もちゃんとしてるらしい。
お人柄も実直そのモノって雰囲気である。
信用が白衣着てるみたいな・・・。
 奥さんもちょっと浮世離れしてる。
芸能人やってても不思議じゃないかも・・・。
オシャレで、インテリアのセンスもバツグンである。
聞くと、名古屋からお嫁入りしたとか・・・。
きっと、嫁入り道具はトラック10台。
行李に金のシャチホコか何か詰まってて・・・。
んなこたあないか・・・。

  • 「お任せ」

 いつも通り、シェフの「お任せ」である。
何が出てくるかは、お楽しみっ!
そりゃ、それで面白い。
 まずはワイン選び。
これもいつも通り、奥さんのオススメに従う。
「ホントは重たいのがお好みなんですよね〜」
過去のデータが残ってるらしい。
「う〜ん、そんなにコダワリはないっす」
「じゃ、軽いのも試してみますか?オススメがあるんですけど・・・」

シモンビズ サヴィニレボーヌ オー ヴェルジュレス 2001年

ってえのに決まった。
わかりゃしないんである・・・。
 でも、わかった。
ちょっと試飲しただけで、明らかに美味しいっ!
いつも家で飲んでる「チョンボワイン」とは訳が違う。
軽くてフルーティなんだけど、深みがあるって言うんですか。
嫁さんも今までで一番だと言ってる。

  • メニュー

【オマール海老とキノコとポテトのガトー仕立て】
 ま、キレイだこと。
突っついちゃうのがもったいない。
海老の赤、ハスのサフラン・ビネガー漬けの黄色、キュウリの緑。
色目も美しい。
 ソースは海老の頭を使ったアメリカンソースとか。
さっぱり、かつ繊細で美味しゅうござんした。
【フォアグラのパイ仕立て】
 出たっ!
確か、去年もフォアグラを出してくれた。
でも、嫁さんが苦手だから来年は外してもらうとか言ってたのに・・・。
「予約する時、言うの忘れた・・・」
んじゃ、しゃーんめな。
 大ぶりなフォアグラを根深を敷いたパイで挟んである。
ソースは蜂蜜とワインビネガーである。
これも去年、嫁さんが絶賛して、シェフが狂喜乱舞したヤツである。
「仏メシ」屋さんは記憶力がいい・・・。
 嫁さん、頑張って喰ってる。
「フォアグラもレバーだから貧血にいいはずよね」
「でもさ、『脂肪肝』だからメタボリックには良くないかもよ」
「仏メシ」の会話じゃないべや・・・。
【カブのスープ】
 通常の「お任せ」にはスープは無いそうな。
嫁さんがオプションで頼んでおいたとか。
カブという淡白な素材でスープ・・・。
飲んでみると、なるほどって思う。
クリーミーな味なんだけど、あの”らしさ”がちゃんと残ってる。
結構な意外性があった。
カサゴのソテー、十穀米リゾットベース】
 好みっ!
こいつぁ〜いいっ!
やっぱ、魚料理がいいなあ・・・。
タケノコや菜の花も添えられて、いかにも春っぽい。
サフランバターソースが思ったよりシツコクない。
美味いっ!
【梅のグラニテ】
 たかが”口直し”と思うなかれ。
いつもながら、感心させられるグラニテである。
どうしたら、こんなに上手に粗いカキ氷のようになるんだべ?
もちろん、味はまったく出張らない。
だけど、存在感の大きな”口直し”である。
【黒毛和牛のヒレステーキ】
 いい肉なんだべなあ・・・。
滑らかで、柔らかくって、極上のヒレだと思う。
こんな肉をウェルダンで焼くなんて、失礼だべさ。
そういう輩は、肉を喰う資格がないって言われそうである。
その通りだべや。
 濃厚でほんのり苦味があるソースも美味かった。
さらに、添えてあるクレソンの香りのいい事っ!
これはお代わりしたいっくらいだった。
【デザート盛り合わせ】
 そーなんだよなあ・・・。
ここんちのデザートはすげ〜んだよなあ・・・。
シフォンケーキをベースにフルーツとサクラのアイス。
チョコレートスティックのトッピングに3種のソース。
ラズベリーソース、キュウイソース、チョコレートがかかってる。
見るからに美しい。
これぞ芸術品である。
 コーヒーも美味い。
濃厚で、香り高くって、アクがない・・・。
絶対に家庭では味わえないコーヒーである。

  • 定着

 我々の他に、家族連れが入ってきた。
子どもも含めて6人連れの団体。
子どもは本を読みながらの「仏メシ」である。
如何にも、今の時代らしい・・・。
 確か、去年も他のテーブルに寡黙な家族連れがいた。
あんまり静かで、こちらが会話するのが申し訳ないっくらいだった。
ま、どーでもいいんだけど・・・。
 ずいぶん定着してきたのかな・・・。
心なしか、シェフも奥さまも顔にゆとりが出て来たような・・・。
味は、絶対に文句なし。
強いて難を言えば、場所がJR駅からちょと遠い。
でも、馴染み客が定着しちゃえばどーってこたあない。
 この内容でで3万円弱である。
タダみたいなモンじゃん・・・。