「カルタゴ計画」のことⅥ

  • 廃業

 又1つ、オアシスが消えた。
ご近所の「Rボン館」が廃業してしまった。
あのまったりした雰囲気・・・。
採算なんか度外視したかのような優雅な空間・・・。
のんびりと古本を物色する楽しみが減ってしまった。
 やっぱ、厳しかったのかなあ・・・。
JR駅を挟んだ反対側には、あの「BOOK OFF」がある。
いつもかなりのヒトで混雑してる。
そりゃ、商売としちゃ勝ち目はないべな。
でも、寂しいねえ・・・。

  • 淘汰

 ここに引越してきてから、ご近所もずいぶん変わった。
5軒もあったコンビニは全部消えた。
ガソリンスタンドも1軒消えた。
ドラッグストアも2軒消えた。
 喰いモノ屋もずいぶん淘汰された。
大ファンだった野菜とパスタの「なんや亭」が消えた。
その後、開店したラーメン「てんとう」も消えた。
イタメシの「ドマーニ」も消えた。
その後の、蕎麦と豆腐の「京丸」も消えちゃった。
 もちろん新しく開店した店も沢山ある。
競争に勝った店が入れ替わってくんである。
これが世の常だんべな。
でも、不思議と昔の店のことばっかり思い出す。
潜在的に”変わらないで欲しいっ”てな気持ちが強い。
ニンゲンが古いのか、そういうキャラなのか・・・。

  • 路半ば

 我が家の「カルタゴ計画」は・・・?
まだ、路半ば・・・。
でも、ずいぶん捨てた。
300本あまりのカセットテープも捨てた。
そのキャビネットもごっそり捨てた。
旅の想い出たちも、もう残りわずかになった。
 あとは、絵皿、ポスター、CD、写真、絵はがき・・・。
写真なんかはスキャナーで電子媒体にしようかと思ってた。
でも、だんだんどーでも良くなってきた。
モノへの未練って結構簡単に無くなるモンである。
 捨てるってえのは、ある面気持ちいい。
ちょうど、強烈な石鹸で身体を洗ってるみたいなモンである。
まったく潤いが無くなってくる。
”サバサバした”って表現はぴったしかも・・・。
その内、個人由来のモノはゼロになる。
きっと、死んだ時にはメガネしか残らないべ・・・。