「時之栖(ときのすみか)」のことⅡ

  • イルミネーション

 温泉から出たのは夕方6:00っ頃。
もう、すっかり陽は落ちていた。
「まあ〜、キレイっ!」
「うわあ〜っ、すごいじゃんっ!」
みんなが一斉に声を上げた。
 確かにすごかった。
ホテルの庭ごときで、ここまでやっていいのか?
って感じ。
何と、電球の数は300万以上だとか・・・。
何て贅沢な・・・。
 メインストリートの「光のトンネル」は340mとか。
トンネルが大き過ぎないんで、めっちゃ光が近い。
まばゆいトンネルだった。
 配色もいい。
デザインもとっても良かった。
こりゃ、東洋一って言ってもいいかも・・・。
神戸の「ルミナリエ」だか、東京の「デカプリオ」だかもかなわないべ。

  • ディナー

 あっちこっちで写真を撮る。
年寄りたちもすっかり大はしゃぎである。
340mのトンネルを抜けると、そこがレストラン。
舎弟が、今夜のディナーを予約してあった。
 レストランも数件、あるらしい。
でも、今夜の予約は「ディナー・バイキング」とか。
ウリの「御殿場高原ビール」飲み放題で、喰い放題ってこって・・・。
正直言って、ブッフェは苦手である。
何だか、ガサガサして喰った気がしない。
でも、年寄りたちはこれが嬉しいらしい。
しょ〜がない・・・。
 レストランの入り口は長蛇の列。
すんごいヒトゴミである。
予約の無いヒトビトが順番待ちしてるらしい。
そのヒトゴミをかき分けて、レストラン入場。
予約は強し!

  • ブッフェ

 入ってみるとなかなかの広さ。
料理は和・洋・中と各コーナーにまとまってる。
それほどヒトがごった返してるって訳でもない。
上手に人数制限してるらしい。
ま、まずはビールだべや。
 感心させられた。
ビールは自動注ぎ機がある。
冷えたジョッキを置いて、ボタンを押す。
ノズルが降りて来て、ジョッキの内壁にくっつけてビールを注ぐ。
最後に泡が丁度いい具合に出て完成。
見るからに美味そうである。
 実際、美味かった。
ビールは4種類ほどあった。
スピルナーと、フレーバーと、黒ビールと・・・。
意外に黒ビールがイケてた。
温泉で汗かいてるから、スイスイ入っちゃう。

  • 料理

 料理皿は、製氷皿のバケモノみたいな形だった。
タテヨコ3つずつ、9つの違った料理が入れられる仕掛けである。
んなるへ・・・。
汚れたら、幾らでも交換してくれっと言ってる。
いざ、出陣っ!
 洋モノ、中華を素通りして、和モノコーナーへ直行。
最初に取るのが、「冷奴」「枝豆」「小松菜おひたし」・・・。
おっ!春らしい「菜の花の胡麻和え」があるぜ。
静岡おでん」も捨て難い。
加齢とともに、喰いモンがどんどん枯れてきた。
 片や、年寄りたちは洋モノコーナーへ直行。
「ステーキ」や「コキール」「パスタ」なんかに喰いついてる。
普段、肉なんか喰ってたっけ・・・?
ま、元気でいいんだけど・・・。
 料理は全体的に美味かった。
どうせ、大して量を喰える訳じゃないから、美味いモノを喰いたい。
そう言う意味で、合格である。
どれも、上品な味付けでヘタなホテルよりいいかも・・・。
ビールも料理も美味くて、3,000円は安い。

  • バンド

 食事の途中で、フィリピンバンドみたいなのが入ってきた。
最初はステージで1曲演奏。
どうせ、みんな喰うのに夢中で聴いちゃいない。
テキもさるもの。
そんなこたあ、お見通しでいっ!
 すぐに各テーブルをまわり始めた。
テキもプロである。
盛り上がってくれそうな、テーブルを物色して張り付く。
何故か、我々のところにも来た。
年寄りたちは嬉しいながらも、困っちゃう。
 やれやれ・・・。
嫁さんにそっとチップを渡してもらう。
すると、隣のテーブルからもチップが出て来た。
俄然、バンドが元気になる。
「何か、リクエストあ〜ますか?」
じ〜じが、ボーカルのねーちゃんと写真を撮りたいとか言い出す。
全然、酒飲んでないんだけど・・・。
 みんなが楽しめた。
温泉に、見事なイルミネーションに、美味しい料理。
みんな、いい笑顔してた。
それでこそ、出かけてった甲斐があるっつーもんでいっ!