ホーチミンのこと(4)【1/9】

  • フリータイム

 昼メシの後はフリータイム。
各人の行きたいところへ、バスで送ってくれた。
そのまま、ホテルに帰るってヒトもいた。
それもちょっと魅力ではある。
 何せ、この排ガスのひどさには辟易した。
散策する気が失せる。
「バッチャン」でも、「ハノイ」でも挫折した。
本来は、知らない街を歩くのは大好きなんだけど・・・。
ホテルのプールでのんびりってのもいいなあ・・・。
 っとは思ったけど、やっぱ踏みとどまった。
多分、2度と来る事はないべ。
一応、それなりに散策してみるべ。
ってんで、「ドンコイ 通り」でバスを降りた。

  • 雑踏

 まず 通りを少し歩いてみた。
たちまち、土産物売りが寄ってくる。
「イチドルっ!イチドルっ!」
ここら辺は観光客が多いんで、モノ売りも集まるんだべ。
 想像通りの排ガスである。
たちまち、眼や鼻やノドが痛くなってくる。
更に、照りつける陽射しもなかなかである。
こらあ、真夏なんか歩けないべな・・・。
たちまち、嫁さんから泣きが入る。
 「『人民委員会庁舎』だけ観たら、屋内に避難しようかね」
如何にもベトナムらしい景色が見られるはずだ。
っとか何とか言って、何とか「人民委員会庁舎」まで引っ張ってった。
手前の公園に「ホーおじさん」の像がある。
瀟洒な建物と、「ホーおじさん」はなかなか・・・。
もう、満足した。
屋内に避難すんべ。

  • 熟練

 「デューティー・フリー・ショップ」に避難。
でも、しょーも無くって全然、長居出来なかった。
別な避難場所を探す。
やっぱ、「国営百貨店」しかないか・・・。
本日2回目のご来店である、
 あちこちウロウロすると、道路を横断しなきゃなんない。
慣れってのは、恐ろしいモンである。
もう、熟練の域である。
しっかりコツを掴んでしまった。

ベトナム道路横断のコツ】
・クルマやバイクを見ない。
・そしてゆっくりと、堂々と歩き出す。
・クラクションの嵐には耳を貸さない。

横断については、立派なジモティになれそうである。

  • ポーチ

 「国営百貨店」を隈なく歩いた。
全館歩いてみると、要するに土産物屋だという事がわかった。
飾り物とか、衣料品とか、小物とか・・・。
そして一番人気はさっきのスーパーマーケットである。
でも、もう「フォー」は要らないべ・・・。
 嫁さんが土産にポーチを購入。
1つ、1,000円だとか・・・。
4つ買うから、少しディスカウントするように交渉した。
若いねーちゃん、顔色も変えずに、「NO!」
ブランドものとして売ってる訳だ。
 それはそれで敬意を表さなきゃいかん。
観光地の土産物屋では、3つで$1(約120円)なんてのもある。
「みんなに配るには、これで十分・・・」
っとか言って、大量に買ってるヒトもいた。
モノの値段ってモンを考えさせられちゃうよなあ・・・。
この4つのポーチと、土産物屋の100個のポーチが同じ値段なんである。
付加価値が如何に大切か・・・。

  • カフェ

 「国営百貨店」も飽きた。
「どっかでビールでも飲もか・・・」
造りがちょとおシャレなカフェもどきを見つけた。
「タイガービール」をオーダー。
とりあえず、ひと息つける。
 っと思う間も無く、隣にヘンなオトコが・・・。
いきなりタバコに火をつけた。
「くっさあ〜っ!」
「こんなソバでタバコなんか吸うんじゃね〜よっ!」
日本語で騒いでもダメだべな・・・。
 「チェック・プリーズっ!」
もういい、ホテルに帰るべ。
ホテルでゆっくりするのが一番正解だべさ。
$20札で支払い。
お釣りでタクシー代の小銭を作ろうと画策した。
 「ぶっ!」
お釣りを見て、鼻水吹いちゃった。
子ども銀行みたいなドン札が束になってる。
「No、no、dollar please!」
結局、そんなにドルは無いという。
要するに貴重な外貨は吐き出したくないんだべな。

  • タクシー

 小銭に一抹の不安はある。
でも、いざとなりゃホテルで何とかなるべ。
お目当てのタクシーを見つけて、運ちゃんに訊いてみる。
「OMNI SAIGON HOTEL $3 OK?」
運ちゃん、嬉々として答える。
「OK!OK!」
クルマのメーターを指差してる。
 とりあえず信用して乗り込む。
運ちゃんの嬉しそうな様子をみるとちょと疑念が・・・。
”ちょっと高すぎたかな・・・?”
 でも、全部「ファ〜さん」のアドバイス通りである。
「タクシは赤と、緑と、『27』と書いたクルマがいです」
あと、料金のアドバイスもあった。
「高くても、$3(約360円)以上は払わないで下さい・・・」
 タクシーと言えども、バイクには勝てない。
バイクの洪水の中をもがくようにモタモタと進む。
何だかんだホテルまで40分近くかかった。
ホテル到着。
メーターは42,000ドン(約340円)っくらいだった。
「ファ〜さん」すごいっ!