「ミーソン遺跡」のこと【1/8】

  • スゲガサ

 移動の途中で売店もどきに立ち寄った。
一応、トイレ休憩ってな名目で・・・。
他の日本人ツアーや、毛唐もいたからお約束なんだべ。
売店ったって、ホンのほっ立て小屋。
トタン屋根の下で、少女が大勢働いてる。
実演販売ってヤツでんな。
 作ってたのはスゲガサと線香。
少女の手は器用に動く。
慣れたモンである。
100%手作業で、大変な手間がかかる。
それでも線香は10束ほどで$1(約120円)。
スゲガサも同じ。
 「アマガエル」が解説する。
スゲガサはなかなか優れモンだという。
日傘はもちろん、雨傘にも使える。
絶対に水は通らないから、バケツ代わりもOKだという。
他にも、座布団代わり、ウチワ代わりにも使えるそうな。
思わず買ってあげたくなっちゃう。
でも、始末に困るからなあ・・・。

  • 「ミーソン遺跡」

 ホイアンからざっと1時間半。
いかにもベトナムらしい景色が続く。
雨は降ったりやんだり・・・。
遺跡はかなりの山の中である。
途中、バスの中がシェイクされるようなデコボコ道もあった。
 バスは博物館に到着。
なかなか立派な博物館で遺跡の全容がわかる。
幾つかの発掘されたシナモノも置いてある。
さらーっと博物館を観てからいざ、遺跡へGOっ!
 遺跡まではここから更にクルマで山奥へ。
クルマは1ボックスと、ジープだという。
ソソクサと1ボックスに乗り込む。
誰だって、雨の中、屋根の無いのは勘弁して欲しいべや。
クルマで10分ほど走ると休憩所に到着。
 今度は、そこから徒歩である。
泥んこ道を15分っくらい歩いて、やっと遺跡に到着。
ビニルカッパなんか着てたら、汗びっしょり・・・。
長〜い道のりだった。

  • 赤レンガ

 遺跡は山ん中に、忽然と現われた。
古代「チャンパ王朝」の聖地だったらしい。
現在残ってるのは7〜8世紀頃のモノだという。
れっきとした世界遺産である。
これだけ訪れるのが大変だと、荒らされなくていいかも・・・。
 ここの遺跡は全てレンガ造りである。
ベトナム戦争でかなり破壊されたという。
その後、大分補修された。
 補修によって、面白い事がわかったという。
補修した部分はあっという間にコケむして真っ黒に・・・。
ところが、元々の遺跡にはコケがつかない。
ベトナム・アメリカ・フランスの科学者が研究したそうな。
でも、レンガの成分が解明出来ないという。
ふう〜ん・・・。

  • ナパーム

 幾つかの建物は中に入れる。
ちゃんと補強して展示室になってる。
発掘された遺物が展示されてる。
祀られていた「シヴァ神」像なんかもある。
ってえ事は、ここはヒンズー教の聖地か・・・。
 特に解説はない。
てんでに想像しながら、見て歩く。
「アマガエル」だからしょーがないか・・・。
 ふと気づいた。
1つの展示室の片隅にナパーム弾が置いてあった。
もちろん信管はない。
貴重な遺跡を爆撃したアメリカに対する抗議か・・・?
観光客に訴えようって魂胆か・・・?

  • 早メシ

 「ミーソン遺跡」を後にして、一路ダナンへ。
かつてアメリカ軍の基地があった。
ここで、早めの晩メシを喰ってからホーチミンへ飛ぶ。
フライトは19:30発の「VN-327便」である。
 今日の晩メシは17:30から。
ま、喰えるけどね・・・。
案内によると「ベトナム風中華料理」と書いてあった。
まず、ビール。
新手の「サイゴン・ビール」ってのが出て来た。
500mlビンで$2(約240円)の協定価格。
「っかあ〜っ!ちっくしょ〜っ!」
今日は汗かいたから、ビールが美味いぜ。

 【キノコスープ】
具沢山でつまみになるかな・・・。
ちょと気になったのが、妙な甘さ・・・。
まさか、こんなところまで「グルちゃん」が・・・。
 【酢豚】
野趣あふれるホネ付き豚肉の酢豚だった。
ホネがうざい。
それと、やっぱちょと甘さが気になる・・・。
まさか・・・。
 【蒸し餃子】
飲茶も混ざってきた。
でも、何だかボケた味だった。
何だべ?
これも「グルちゃん」だんべか・・・?
 【揚げ春巻】
う〜ん・・・。
アブラっこい。
しかも、ヘンに甘い。
ひょっとして、全部「グルちゃん」かよ・・・。
 【ブロッコリ炒め】
これが一番まともだった。
シンプルなだけに、あんまり侵されてない。
正直なモンで、これが一番売れてた。
 【雷魚の蒸し煮】
やっぱ、これだんべ。
単純に焼くとパサパサになっちゃう。
淡白な身で、さっぱり味だった。
白いご飯(タイ米)のオカズにした。
但し、ちょとヘンに甘い・・・。
 【春雨スープ】
徹底的にヘンな甘さがついて回る。
全ての料理に「グルちゃん」なんだべな・・・。
こんなん、スーラータンにしたら美味かろうに・・・。
 【デザート:アイスクリーム】
時間が限られてるんで、店員も焦り気味だった。
テーブルの脇で盆ごとひっくり返した。
「ガチャガチャガッチャ〜ン」
あ〜あ!

何だか、よくわかんない料理だった。
「グルちゃん」の波はこんなとこまで来たか・・・。
憂うべきこっちゃ。
星は1つだな・・・。

【教訓】:中途半端な中華料理より、「ベトメシ」の方がずっといい。