ホイアンのこと(1)【1/8】
- 遅出
今回のツアーは毎朝、出発が遅い。
早くても、9:00・・・。
今日なんか10:00の出発である。
そんなに見るべきモンが無いって意味なのか・・・?
単に「アマガエル」が働きたくないだけなのか・・・?
ヒマこいて、ホテルの中を散歩した。
昨晩は、暗くてわかんなかったけど中庭が結構広い。
プールがあったりする。
プールの周りはコテージ風の客室になってた。
ヒマに任せて写真を撮りまくる。
デジカメの良さである。
みんな、ヒマこいてロビーでウロウロしてる。
嫁さんがしみじみ・・・。
「今回の旅行って、すんごく長〜く感じるね」
確かに・・・。
ムダな時間を圧縮したら7日間が4日間くらいになるかも。
「ヨーロッパは、毎日が短く感じるけどねえ・・・」
ま、しょーがない。
洗練された文化と、成熟した社会・・・。
あらゆる刺激にあふれてるもん・・・。
- シルク屋
やっとこさ、バスは出発。
幸いにして、今日は曇り、時々小雨程度である。
「これっくらいで済めば、カサもささずにいられるなあ〜」
10分後、シルクの店に到着。
「何だよ〜っ!」
「よ〜いドンで、土産物屋かよ〜っ!」
あちこちでブーイングが聞こえる。
「僕、シルクのこと、わからないんから専門家に説明してもらいます」
「アマガエル」が脳天気なこと言ってる。
”別に聞きたくねえよっ!”
っとも言えないけど、みんないささか呆れてる。
カイコやら、マユやら置いて工場っぽい雰囲気にしてる。
働いてる少女たちに罪はないからフンフンって聞いてる。
でも、多分みんな上の空・・・。
1人のおばはんが「アマガエル」に訊いた。
「ねえ、いつまでここにいるの?」
「だいじょぶ、いつまでいてもOKよ・・・。あはははは・・・」
どうも、外してるよなあ・・・。
- 「シクロ」
旅程表を見ると、今日は「シクロ」で観光する事になってる。
ちょっと楽しみだった。
個人では、なかなか乗ろうとは思わない。
ツアーに含まれてるから、ま、いっか!ってんで乗れるんである。
ガイドブックを見ると大した料金じゃない。
30分で10,000ドン(約80円)とか・・・。
更に交渉出来るとか書いてある。
「アマガエル」が声を掛けると、あっという間に18台の「シクロ」が集合。
壮観である。
古い家並みの間をゾロゾロと走り抜ける。
ふ〜ん。
乗り心地はそんなに悪くない。
イスに座った状態と思えば、当らずとも遠からず・・・。
こう言う目線も面白いモンだと思った。
- 「福建会館」
5分ほど走って「福建会館」到着。
その名の通り、中国福建省が由来だとか。
出稼ぎのヒトビトによって建てられたお寺らしい。
どうも、中華風の寺は派手な色使いである。
ま、それはそれで・・・。
館内は線香の煙が立ちこめてる。
天井の至るところから線香がぶら下がってる。
円錐形の蚊取り線香のバケモノ状態である。
真ん中に短冊がぶら下がってて、何やら書いてある。
「何?あれ?」
「みんな、お祈りして置いてきます。あはははは・・・」
家内安全とか、満願成就とかいう類いのモンらしい。
見ると、日本人が書いた短冊も幾つかあった。
ひと巻きの線香で1ヶ月燃えてるそうだ。
ふつーの線香は1炷(いっしゅ)で30分と聞いた事がある。
ざっと、1,440倍ってこってすか・・・?
「ひと巻き、幾らかかるの?」
「値段はありません・・・。あはははは・・・」
そりゃ、そーだべな。
- 「狛犬」
中華風の寺は派手。
日本のワビ・サビの世界に慣れてるから、何だかねえ・・・。
その代わり、「狛犬」はイケてる。
日本の「狛犬」は何だかオドロオドロしい。
中華風は何となく可愛い。
きっと、中国犬のイメージで作るんだべな。
中国犬と言えば、「シーズー」だしょっ!
どう見ても、お坊ちゃまに似ている。
境内の狛犬の写真をバシバシ撮ってきた。
何を観に行ったんだべ・・・。
寺の前には18台の「シクロ」が・・・。
次の目的地に向けて、一斉に走り出す。
でも、ホンの1分たらずで到着。
歩いた方が早いじゃん・・・。
- 「海のシルクロード博物館」
完全に後づけの名前である。
ちょっと強引だんべ・・・。
かつての中国商人の館の跡である。
2間っくらいの狭い間口だけど、奥行きはかなりある。
昔、扱ってた交易品なんかが展示されてる。
「アマガエル」が説明にトライする。
「これは日本から運ばれた『備前焼』です・・・」
「ふ〜ん・・・」
ちょっと沈黙があって、1人のおばはんが切り出した。
「ちょっと、これは『備前焼』じゃないわよ」
「え〜っ?じゃ、何て言うですか?」
「『古伊万里』か何かに見えるけど、とにかく『備前焼』じゃないわよ」
あ〜でもない、こ〜でもない、の大騒ぎになった。
みんな、ウサがたまってると見えてシツコイ。
騒ぐ事でウサ晴らししようって魂胆が見え見え・・・。
良く見ると、説明のプレートが置いてある。
「Hizenyaki」って書いてあるじゃんか・・・。
ま、いっか・・・。