ハノイ市内観光のこと(3)【1/6】

  • 「旧市街」

 しばらく湖畔を歩くと、昨晩の「すいぞー人形劇場」に到着。
休憩所、兼待合室は結構な人だかり。
トイレも自由に使える。
ここは、市内観光の拠点になってるらしい。
観光客が群がってる。
 ここから、いよいよ「旧市街」観光。
「36通り」と呼ばれる商店街の雑踏である。
通りごとに、同業者が集まってる。
それが36通りあるってな訳である。
 11世紀の李朝城下町の名残なんだそうだ。
かつては、職人たちの住居兼仕事場が集まってた。
通りには、それぞれゆかりの名前がついてる。
「ハン(通り)・ボン(木綿)」っとか、「ハン・ボー(カゴ)」とか・・・。
なかなか楽しい。

  • 「市場」

 「イェンさん」が、やおらズボンの裾をめくった。
「ん・・・?」
ひょっとして、これから行くところは・・・。
とりあえず警戒して、みんな右へならえっ!
 入って行った先は、食材の市場だった。
露天みたいな店がずら〜っと並んでる。
ズボンの裾をめくって正解。
魚介類、肉類、野菜系、惣菜系・・・。
ズボンの裾に複雑な臭いがつきそうである。
 すんごい活気である。
ついつい野菜・フルーツ系に眼が行く。
キャベツと白菜のアイノコみたいな野菜が山積み。
新鮮で、いかにも炒めたら美味そう・・・。
 「イェンさん」が突然、肉屋を指差す。
「これ、イヌの肉ね・・・」
「げっ!」
急に胸が悪くなった・・・。
「帰るべっ!」

  • フリータイム

 旧市街で1時間ほど、フリータイム。
ふつーなら喜ぶとこである。
事前にガイドブックも読んでおいた。
元々、歩くのは嫌いじゃない。
 ただ、昨日の「バッチャン」で結構懲りてる。
排ガスに耐えられるか・・・。
ブラブラ歩くのはいいんだけど、空気が悪すぎだべや。
ちょと二の足を踏んでた。
 おばはん達からは、別な意見があった。
「こんなとこで、自由にされても困るわよねえ〜」
「みんな一緒にいた方がいいわよ」
そりゃそれで、ちょと違うべや・・・。
そそくさと群れを離れた。

  • ビール

 とりあえず、ちょっと休憩する事にした。
「すいぞー人形劇場」の休憩室を利用させてもらう。
見ると、ガラスケースの中にビールが・・・。
思わず立ち上がる。
 「How much is this?」
「One dollar」
「Two please!」
何故か、ストローをつけてくれた。
これで飲んだ方が安く酔えるってか・・・?
 「っかあ〜っ!ちっくしょ〜っ!」
何だかノドが渇いてたんだべな。
美味かったあ〜。
銘柄は「タイガー」
シンガポール・ビールだけど、人気者らしい。
実際、ロコ・ビアより美味い。

  • ビールⅡ

 ひと息ついてからブラブラ歩いてみた。
土産物屋なんかをおちょくりながら・・・。
でも、すぐにメゲた。
とにかくすごい排ガスである。
目も、鼻も、ノドも痛くなってくる。
 「屋内の方が少しはましだあね・・・」
そそくさと元の休憩室に戻る事にした。
ふと、1軒の雑貨屋が目に入った。
「タイガー」の缶が積んである。
そろそろ、夜の晩餐用ビールも仕入れなきゃなんない。
 「How much is this?」
「Nine thousand」
「Ya ん〜・・・っと、Five cans 3dollar OK?」
「Yes!OK!」
さび付いたカンピュータをフル活動させなきゃなんない。
 1本当り、9,000ドン(約72円)は今までで一番安かった。
でも、観光地のド真中である。
きっとジモティの店ならその半分以下なんだべな・・・。

  • 空港

 これでハノイともお別れ。
バスで空港に向かう。
フライトは19:25発のフエ行き、「VN-247便」
17:30頃までには空港に着くようなスケジュールである。
 通勤・通学の帰りの時間帯である。
バスはまたまたバイクの洪水をかき分け、かき分け進む。
ま、容易なこっちゃない。
空港は空港で又、めちゃ混んでた。
エントランス前にヒトがあふれてる。
軽ワゴンに10人っくらい詰まってるのも見かけた。
何だんねん!
 聞くと、見送りのヒトビトなんだそうだ。
誰か1人が飛行機に乗ると、50人っくらい見送りに来る。
親兄弟、親戚縁者、友人知人・・・。
なるほど、空港内は閑散としてる。
そー言えば、日本でもそんな時代があったような・・・。
「イェンさん」ともここでお別れ。
何だか、ちょと名残惜しいで、ごぜますね・・・。