「ハロン湾」のこと(2)【1/4】

  • 交通事情

 何ってったって、海外旅行の面白さは”非日常”。
ベトナムの交通事情はなかなか・・・。
車窓からの眺めはとってもスリリングである。
多分、クルマを運転するヒトなら右足がつりそうになる。
 だんだん薄暗くなってきた。
みんな、家に帰るんである。
♪帰ろお〜、帰ろお〜、暖かい我が家が待っているぅ〜・・・。
牛さんも家に帰るんである。
時々、集団で高速道路をのそのそと横断する。
 スゲガサのチャリンコもたくさん走ってる。
ライトの付いたチャリンコなんか、まず見当たらない。
後ろのリフレクターだって滅多に見ない。
クルマの運転手は恐怖だべな。
 チャリンコもヒトも牛も悠然と横断する。
クルマはパッシングとクラクションを繰り返す。
でも、誰も動じない。
「イェンさん」いわく。
ベトナムではドロ渡るとき、急いだら危ないね。ゆくり渡るね」
この時はイマイチ、ピンと来なかった・・・。

  • バイク事情

 極めつけはバイク。
普通のバイクは免許不要なんだそうな。
チャリンコ感覚のバイクが我が物顔で走り回る。
それこそ縦横無尽。
右側通行もヘチマもあったモンじゃない。
 きっと、1人で乗るのは不経済なんだべな。
2人乗り、3人乗りは当ったり前。
4人乗りも珍しくない。
家族単位ってえのが正しいかも・・・。
そりゃあもう、壮観である。
 走ってるバイクの大半は日本製。
でも、排ガスは日本と較べモンになんない。
そもそも。排ガス規制なんて概念は無さそうだし・・・。
とにかく、ノド、鼻、目がやられる。
ジモティだってみんなマスクやタオルが標準装備である。
商店には絵柄入りのマスクなんか売ってたりする。
目ざといって言うか、何て言うか・・・。
ちと規制しろって・・・。

  • ホテル

 初日の宿泊は「ハロン・パール・ホテル」
一応、4つ星らしい。
実際、決して悪くなかった。
一応、部屋の窓からハロン湾が見える。
ベッドも固めでしっかりしてたし、アメニティも充実。
 お湯もちゃんと出るし、クーラーもあった。
エアコンじゃなくって、クーラーってえのがミソである。
外は寒いっくらいだけど、館内は妙に暑い。
一応、クーラーも活躍した。
 隣で、ホテルらしき建物が建設中だった。
よくよく見るとすごい造りである。
一応、鉄筋コンクリート造りではある。
1フロアずつ、コンクリートを流し込んで乗せてくらしい。
積み木みたいな構造だった。
重量鉄骨とかって無いんだべか・・・?
きっと地震なんか無いんだべな・・・。
 壁は名産のレンガを積んで、モルタル塗りする。
どうも鉄筋とかは入ってなさそうである。
恐え〜っ。
何だか、壁に寄っかかる気がしなくなった・・・。

  • ディナー

 ホテル到着は19:00頃。
そのままホテルのレストランで晩メシである。
初「ベトメシ」である。
わくわく・・・っ!
 まずは、ビールだべやっ!
ロコビアは「ハノイ・ビール」だった。
500mlビンで、$2(約240円)。
ま、日本人には高くない。
でも、ジモティの市場価格のざっと5〜6倍らしい。
 とりあえず乾杯っ!
何となく薄くって、飲みやすいビールだった。
でも、冷えてない。
そう言えば、ガイドブックにそんな事が書いてあった気がする。
ま、気を取り直して「ベトメシ」に挑戦っ!

 【ハロン風スープ】
まずは海鮮ダシの野菜スープだった。
「美味えっ!」
いいダシが出てて、薄味でめっちゃ美味かった。
でも、隣に座ったヒトビトが「塩くれっ!」とか言ってる。
「味がしねえっ!」っとか言ってる。
ヒトの味覚ってこうも違うモンだべか・・・。
 【キュウリの漬物】
薄切りキュウリの塩・ニンニク風味の浅漬け。
ビールのつまみにはちょうどいい。
嫁さんはニンニクの香りが邪魔だとか言ってたけど、さっぱりしてて悪くない。
後から、この味付けは「ベトメシ」の基本だとわかった。
 【シャコフリャア】
天ぷらとも、フライとも違う。
素揚げに近いシャコの揚げ物である。
ちとアブラっこいけど、取れたて新鮮なシャコは美味かった。
ヘンに濃い味をつけてないから、塩・レモンでさっぱり。
イケてたっ!
 【海鮮スチームボート】
一瞬、何のこっちゃ?って思った。
出て来たのは”鍋”だった。
これも、ハロン湾で揚がった魚介類をふんだんに入れる。
更に牛肉も少々。
そして、嬉しい野菜がてんこ盛りである。
 おねーさんが全部面倒見てくれる。
わんこ蕎麦状態で取り分けてくれる。
上げ膳・据え膳で、女性陣にも好評だった。
それにしても、この鍋は感激したっ!
感涙に咽ぶほど美味かった。
 【フォー・ラーメン】
仕上げに麺が出て来た。
「フォー」と「ラーメン」が皿に盛ってある。
おねーさん、準備万端。
「どちらでもお好みでどーぞ」
 まずは「フォー」に挑戦。
ホンの一瞬、スープをくぐらせる程度である。
それを魚介類や野菜と一緒に食す。
ん泣けるっ!
ホンットに美味いっ!
 次に「ラーメン」も挑戦。
これも、普通のラーメンとはちょと違う。
ぐっと細めで、さっぱり仕立て。
さらっとスープをくぐらせる程度で盛ってくれる。
これもイケるっ!
何なんだっ、この美味さは!
 続けざまに3〜4杯お代わり。
珍しく嫁さんも積極的にお代わりしてる。
遂に我々のテーブルの鍋は完食っ!
 魚介類と野菜の絶妙のダシっ!
いくらでもお代わりしたくなるさっぱり味っ!

嫁さんと話した。
「やまだかつて、海外で喰ったモンの中で一番じゃない?」
「んだ、んだ!」
完璧に「☆3つ」である。
幸せな「ハロン湾」の夜は更けていった。