「ハロン湾」のこと(1)【1/4】

  • 添乗員

 考えてみたら「T−リズム」の利用は久々。
多分、「Kツリ」から独立して初めてじゃないかな?
過去、メンツにはあんまりいい想い出はない。
でも、添乗員は粒ぞろいだった。
 ベネルクスの時の「K石佳苗さん」
スイスの時の「斉T慈子(めぐみ)さん」
勉強家で、仕事にひた向きで・・・。
かなりイケてた。
 今回の添乗員は「湯N玲子さん」
珍しい苗字だあね。
結構、キャリアは長そうである。
ソツなくお仕事をこなすタイプらしい。
あんまり余計な事は言わない・・・。
 例によって、事前に家に電話をくれたそうな。
ハノイは何か羽織れるモンが必要かも知れません・・・」
「ふんふん・・・」
「でも、ホーチミンは30℃くらいで、めっちゃ暑いんです」
旅程表にも”暑いので、体調に注意”っとか書いてあった。
きっと、ギラギラの常夏なんだべな・・・。
って思っちゃったべやっ!

【教訓】 日本の冬は、ハノイも冬である

  • スルーガイド

 空港には現地スタッフが迎えに来た。
日本語を話せるジモティで、なかなか美人だった。
名前は「燕(イェン)さん」と言ってた。
こちらも結構なベテランらしい。
 ベトナムでは英語はもちろん、日本語も人気があるらしい。
ガッコは無料で行けるけど、仕事には役に立たない。
そこで、みんな夜、専門学校に行くそうな。
日本語をはじめ、各国の語学ガッコに通う。
ガッコの数の方が追いつかないんで、2部制になってるんだとか・・・。
 「イェンさん」の日本語は懐かしい響きである。
中国なまりと言うか、アジアなまりと言うか・・・。
こないだの北京の「任(ニン)さん」を思い出しちゃう。
慣れるまで、半分っくらいは意味不明だった。
「おきゃさまあ、みんぎの煙突については、火〜力発電所でごぜます・・・」
おでーかん様じゃないんだから・・・。

  • 車窓

 何とものんびりした眺めである。
どこまでも続く水田。
ところどころにヤシやバナナの木がある。
点々とスゲガサと牛が・・・。
絵になる・・・。
 土地は肥沃なんだべな。
完全2毛作だそうだ。
それも、すべて手植えなんだとか。
ま、それが一番安い。
”田植え機”なんて、もったいないと言ってた。
 べトナムの家は基本的にレンガ造り。
あんまり建材になるような木が無いんだそうだ。
レンガを積んで、ブリキの屋根を葺いて・・・。
お隣のカンボジアに較べると随分リッチである。
シェムリアップでは”木の枝とバナナの葉”の家がいっぱいあった。
 確かにレンガは重要な建材らしい。
レンガ工場(ってほどでもないけど・・・)はあちこちにあった。
土を型に入れて焼けば、どこでも工場みたいな・・・。
大きな川の河川敷はレンガ工場だらけ。
雨季になると水没するんだとか・・・。
いいっ!

  • 高速道路

 初日は「ハロン湾」にお泊りだった。
地図で見ると、ハノイから東南へざっと100kmっくらいかな・・・。
ノイバイ国際空港」がハノイの北40kmと書いてある。
ってえ事は、通算150km弱だべな。
旅程表を見ると”所要4時間”っとか。
ずいぶん険しい道のりらしい・・・。
 っと思ったらちゃんと高速道路があった。
「これ、日本のおカネでつくたね。ODAね」
料金所だけは立派なモンである。
何で、高速道路で4時間もかかるんだべ・・・?
 しばらく走ったら理由がわかった。
高速道路ったって、日本とは事情が違うんである。
あちこちで農道と交差してる。
クルマは大して多くない。
でも、ヒトと、牛と、チャリンコが・・・。
水牛もおるでよっ。
そして最大勢力はバイクである。
場所によっては道路一面バイクで埋め尽くされてる。
こりゃ容易にゃ進まないべな・・・。

  • 民芸品店

 途中、トイレ休憩を兼ねて民芸品店に立ち寄った。
店と言うより、工場みたいな造りである。
「イェンさん」から説明があった。
「ここは、カ〜レハ剤のショガイ者の授産施設ね」
 一瞬、ギョッとする。
”いまだに枯葉剤の影響があるんか・・・。”
見るとズラ〜っと並んで作業してるのは大半が子どもだった。
確かにちょっと障害のある子どもが多い。
何人か、大人も混じってる。
 作ってるモンは主に刺繍の飾りモンである。
でも、店にはありとあらゆるモンが並んでる。
石細工や木工品、陶器、アオザイ・・・。
う〜ん、びみょー・・・。
いずれにしても、ちょっと前に到着したばっかじゃん。
そりゃ、誰も買う気になんないべ・・・。