珍しくもない本の雑感59(2)

 【昭和史ー戦後篇 1945−1989】

  • 茫然自失

 昭和20年8月15日。
今でこそ、「はあ?何の日だっけ?」
・・・そうかも知んない。
でも、子どもの頃の記憶では、結構重たい日だった。
 8月は嬉しい夏休み。
でも、いろんな報道がだんだん重たくなってくる。
そして8月6日、次いで9日、原爆投下の日・・・。
んで、いよいよ15日。
日本中が黙祷しなきゃいけない雰囲気に包まれた気がする。
 親は、その日にラジオを聞いてた。
戦場にこそ行かずに済んだけど、その中にいた。
日本中が”茫然自失!”
そして泣いた。
「半藤じーさん」は、”一億 涙滂沱”と表現してる。

  • 実体験

 三島のじ〜じは、よく戦争中の話をした。
ば〜ばは、あんまり触れたがらなかった。
性格の違いだんべか?
それか、育った環境の違いかも・・・。
 じ〜じは山奥の田舎育ち。
ば〜ばは街中で育った。
空襲や食糧事情も全然、違ったらしい。
そりゃ、有事の際には農家は強い。
 子どもの頃に、随分じ〜じの実体験を聞かされた。
田舎の村にも、たまに「B-29」が飛んできたそうな。
戦闘機同士の空中戦もあったとか。
時々、「焼夷弾」がバラバラ落っこってきたそうな。
そんなのを見てたらしい。
命がけじゃん・・・。
 中には不発弾もあったらしい。
じ〜じは、それを拾ってきて納屋の中でバラしたとか・・・。
当然、見っかってドっ叱られたらしいけど・・・。
良く言えば好奇心旺盛、悪く言えば恐いもの知らず・・・。
やっぱ、血筋かも知んない・・・。

  • 全貌

 トシくって、覚えが悪くなった。
せっかく読んだ本の内容もどんどん揮発する。
何か、もったいないよなあ〜。
やっぱ、若いうちに吸収すべき知識だんべな。
教育の中で、若い衆に刷り込んでおくべくだと思う。
 この本の全貌はこんなんである。

    1. はじめの章 天皇マッカーサー会議にはじまる戦後 ― 敗戦と「一億総懺悔」
    2. 第一章   無策の政府に突きつけられる過酷な占領政策 ― GHQによる軍国主義の解体
    3. 第二章   飢餓で”精神”を喪失した日本人 ― 政党、ジャーナリズムの復活
    4. 第三章   憲法改正問題をめぐって右往左往 ― 「松本委員会」の模索
    5. 第四章   人間宣言公職追放そして戦争放棄 ― 共産党人気、平和憲法の萌芽
    6. 第五章   「自分は象徴でいい」の第二の聖断 ― GHQ憲法草案を受け入れる
    7. 第六章   「東京裁判」の判決が下りるまで ― 冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
    8. 第七章   恐るべきGHQの右旋回で・・・ ― 改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
    9. 第八章   朝鮮戦争は”神風”であったか ― 吹き荒れるレッドパージと「特需」の嵐
    10. 第九章   新しい独立国ニッポンへの船出 ― 講和条約への模索
    11. 第十章   混迷する世相・さまざまな事件 ― 基地問題、核実験への抵抗
    12. 第十一章  いわゆる「55年体制」が出来た日 ― 吉田ドクトリンから保守合同
    13. 第十二章  「もはや戦後ではない」 ― 改憲再軍備の強硬路線へ
    14. 第十三章  60年安保闘争のあとにきたもの ― ミッチー・ブーム、そして政治闘争の終幕
    15. 第十四章  嵐のごとき高度経済成長 ― オリンピックと新幹線
    16. 第十五章  昭和元禄の”ツケ” ― 団塊パワーの噴出と三島事件
    17. まとめの章  日本はこれからどうなるのか ― 戦後史の教訓

 例によって寺子屋スタイルだった。
んで、追ってCDも発売されるとか書いてあった。
「活字はうざいっ!」ってえな向きもCDならどーだべ?
是非、若い衆には知ってもらいたいなあ・・・。

  • ウロコ

 とにかく勉強になった。
周りはウロコだらけ・・・。
今さらながら、おのれの無知を思い知った。
初めて見聞きしたみたいな事ばっかし・・・。
知らないって事は恐ろしい・・・。
 断片的な記憶はある。
きっと何かで触れた知識なんだべな。
親から聞いた話なんかもあったかも・・・。
「ジグソーパズル」のピースがやっとつながったような気分。
 ”アンポ”とかっくらいからは、記憶と合ってくる。
何だかわかんないけど、テレビで騒いでた。
ヘルメット、覆面タオル、角材、投石、火炎ビン・・・。
「アンポっ!ハンタイっ!アンポっ!ハンタイっ!」・・・。
オリンピック、新幹線、三島由紀夫沖縄返還・・・。
この辺は場面が浮かんでくる。
 「半藤じーさん」いわく。

「これ以降はまだきちんとした「歴史」になっていない、言ってしまえば、わたくしたちが呼吸している”いま”そのものである。いろいろと証言できる当事者も多くおられ、史料的にもすべて出きっておらず、わかったような顔をして得々とは到底語れない『現代』である」

んなるへ・・・。
続きは又・・・。