帰国のこと(1)【12/10】

  • てんこ盛り

 3泊4日のキャンペーンツアー。
っとは言っても、夜入国で早朝帰国。
正味は2日間みたいなモンである。
その2日間で、世界遺産を5つ観光。
てんこ盛りである。
 しかも、その合い間でせっせと商売しなきゃなんない。
何てったってキャンペーンツアーだもん。
土産物屋も何軒か行った。
レストランでも、ガンガン売り込み・・・。
バスの中でも「ニンさん」が熱心に商売してた。
てんこ盛りである。
 この他にも、「京劇」も行った。
他のヒトたちは「雑技」も観に行った。
「火鍋」も「北京ダック」も堪能した。
えりゃあ、濃い〜いツアーだったなあ・・・。

  • クロージング

 空港へ向かうバスの中でも「ニンさん」はプロだった。
最後まで、いろんな話を絶やさない。
引き出しがめっちゃ多い。
「チュコクには他にもいいところが沢山あるね」
 オススメのポイントを紹介してくれた。
「ニンさん」のオススメナンバー1は「九寨溝」だそうだ。
この世のモンとは思えない景色なんだそうだ。
かつては成都からバスで8時間かかった。
今は近くに空港が出来て、えりゃあ便利になったとか。
 確かに、以前はそんなツアーを良く見かけた。
成都でパンダを抱いて、「九寨溝」に行こうっ!”っみたいな・・・。
ここんとこ、このコースを見かけなくなった。
空港の所為だったんだ・・・。
 最後まで、外さない「ニンさん」だった。
そして、到着寸前にきちんとまとめる。
「日本に帰ったら、是非お友達にチュコクを紹介して下さい」
ヘンに媚びずに、惜別の念を示す。
ん〜〜ん、なかなか・・・。

 チュコクのケザイ格差もおきくなてる。
車窓からの眺めでもそれは良くわかる。
立派なビルが並ぶ裏路地には、まだ今まで通りのチュコクがあった。
北京でさえ、それがわかる。
ってえ事は、地方に行けばまだまだ・・・。
 「ニンさん」が失業保険のことに触れてた。
「保険の体制はジュブンじゃないね」
社会全体の労働の考え方が大きく変わってるそうだ。
今までは「ワークシェアリング」が基本だった。
1つの仕事があれば、みんなで分けようっ!
1人で出来ちゃう事も2人がかりでやる。
これが基本だった。
 でも、この良き風習は消えつつあるらしい。
社会中に「生産性」なんて概念が登場しちゃった。
”13億人乗り”の船が大きく舵を切り始めてる。
急旋回は危ない。
振り落とされちゃうヒトがボロボロ出て来る・・・。

 街中で時々「輪タク」を見かける。
オートバイと幌付きリヤカーが合体したみたいな・・・。
昔の日本の「オート3輪」もどきである。
あちこちで客引きしてる。
 「ニンさん」いわく。
「あれは元々は身障者用に作られたね」
本来は身障者だけが所有出来たという。
それがいつの間にか商売道具になったらしい。
さすがじゃん。
改めて”中華風”の商魂を見た。
 商魂も変化してたなあ・・・。
ただ、ひたすらうるさいだけの商売じゃなくなった。
それはそれで伝統的に残ってはいた。
でも、「家具屋」や「掛軸屋」みたいな凝った商売もあった。
”殺し文句”を探してた。
「政府公認」とか、「紫禁城修復の寄付」とか・・・。
危ないとこだったぜ・・・。

  • 帰国

 13:50、定刻に成田到着。
3時間なんてえのは、あっという間である。
成田から、わが街までが遠い。
ヘタすりゃ、同じっくらいかかっちゃう。
 時間が長いから車中で反省会である。
缶ビールで乾杯して・・・。
あれこれ想い出話に花が咲く。
短いながら、濃い〜い旅だったなあ・・・。
いろんなことがあって忙しかった。
でも、楽しかったなあ・・・。
 ショバを変えるってのはいいコトだ。
バタバタしながらも、結構気分転換出来た。
アタマの中の澱みが流されたちゃったような気がする。
やっぱ、ショバ変えは重要なんだべな・・・。
 また、近いうちにチュコクに行きたい。
「大連・青島」や「泰山・曲阜」なら気軽である。
土日に2日有給をくっ付けりゃOK。
幾らでも行ってやるべえじゃ。
「それにはまずカネじゃっ!誰かっ!カネを持てっ!」