北京市内観光のこと(2)【12/9】

 そんな観光地あったかな・・・?
っとか思いながらも、立派な造りの門をくぐる。
「はい、この方が中を説明してくれますので、聞いて下さい」
体格のいいお兄さんが解説を始めた。
 要するに、ここは家具屋らしい。
代々、「紫禁城」御用達の職人だとか。
各国のVIPも見学に来てるという。
写真が沢山貼ってあった。
 工房や、作品倉庫なんかを周る。
清朝からの注文で作った「玉座」なんかもあった。
非売品らしいが、とんでもなく非実用的な調度品が並ぶ。
確かに「紫禁城」に置くにはいいかも・・・。

  • 現実的

 非売品ばっかしじゃなかった。
売品もある。
ってゆ〜かあ、どうもそっちが目的だったらしい。
どうしてもっという方には、注文にも応じられるという。
 だんだん、話が現実的になってきた。
ってゆ〜かあ、生臭くなってきた。
チュモン頂いたら、1ヶ月でお届けするね」
「送料もこちらで負担、しかも後払いでOKね」
”な〜んだ、そーゆーことか・・・。”
 確かに、注文家具でこの値段は安いかも・・・。
60〜100万円で、ダイニングセットが作れるらしい。
イタリアの高級家具よりいいかも・・・。
日本や韓国からのオーダーも多いという。

  • 「お宝」

 最後は、宝物殿みたいな部屋に行った。
チュコク版「サイドボード」みたいな家具が並んでる。
背面は鏡張り。
小さな棚が沢山作られてて、各棚に「お宝」が乗ってる。
 「メノウ」、「猫目石」なんかの置物。
「景徳鎮」とかの焼き物。
いかにもって面構えのモンが並んでる。
解説によると、1つ1つの置物が20〜30万円するとか。
すべてチュコクの貴族なんかの寄付だとか。
紫禁城」修復の費用にする為だとか言ってた。
 これを、「サイドボード」に収めてセットで売るという。
「サイドボード」はここで手作りする。
代金は「紫禁城」修復費に寄付される。
政府公認の証明書も発行されるとか・・・。

  • チュコク商人

 感心しちゃった。
さすが、チュコク人。
その商才はハンパじゃない。
ここまでやるか・・・。
 何人か、団塊おばさんが興味を示してた。
お兄さん、盛んに寄付を強調する。
先週、買ったヒトの証明書かなんか出してきた。
1セット、100万円だという。
 胡散くさっ!
嫁さんが「サイドボード」の引き出しをちょと開けてみた。
スカスカで、いかにも安っぽい。
日本の桐のタンスとは較べモンにならん。
やれやれ・・・。
キャンペーン・ツアーだから、しゃーないか・・・。

  • 「天壇(ティエンタン)」

 ここも前回の積み残し。
是非、訪れたかったところである。
土曜日の公園は賑やかだった。
チュコクの公園って言えば「太極拳」だしょ!
 でも、そーじゃなかった。
伝統的な「太極拳」は見かけなかった。
代わりにヘンな体操が流行ってた。
「リボン体操」とか、「シャモジキャッチボール体操」とか・・・。
ちょとガッカリ・・・。
あんなモンがカッコいいと思ってんかな?
 でも、ヒトの数は多かった。
歌あり、胡弓あり、チェスあり、トランプあり・・・。
思い思いってゆ〜かあ、カラスの好き勝手で過ごしてる。
「13億の無神経」の土曜日の一端に触れることは出来た。

  • 「祈年殿(ヨミカタフメイ)」

 ここは「皇帝の祭壇」
歴代皇帝が五穀豊穣を祈ったところである。
中心にある「祈年殿」は円形のトクトクのデザインあるね。
何とも魅力的な建物である。
 ここは、何度も落雷で焼けたらしい。
「きっと、天が怒ってるんだべっ!」
歴代皇帝は、どうしたら天が怒らないかいろいろ考えた。
カタチを丸くしよう、色は青にしよう・・・。
試行錯誤の末、今のカタチに落ち着いたとか。
やっと、落雷は無くなった。
「ホントは避雷針が出来たからね・・・」
「ニンさん」おちゃめっ!
 でも、美しいフォルムだべや。
屋根のヒサシが波打って、アナログっぽさを感じる。
いかにも木造建築らしい優しいラインだ。
瑠璃瓦の青も印象的。
思わず、さい銭を入れて拝んでしまった。
”来年はきっといい実入りがありますように・・・”