珍しくもない本の雑感57

  • 短編集

 またまた「七生おばさん」登場。
バカの1つ覚えっと言われてもしょうがない。
ホンットに偏ってる。
「塩野」、「村上」、「塩野」、「村上」、たま〜に他の誰か・・・。
こんなペースである。
 今回は「愛の年代記」
古本屋の100円コーナーで見つけちゃった。
刊行されたのは昭和50年だとか。
30年以上昔の作品だべさ。
まだ学生だったなあ・・・。
「七生おばさん」38歳の時って事になる。
 相変わらず、文章はナンである。
読み難いのと、ちょっとまわりっくどい。
もし、このヒトが「村上」みたいな文章だったら・・・。
天文学的な売れ方を・・・しないか・・・?
このヒト”らしさ”が消えちゃうもんなあ・・・。

  • 筋ガネ

 ま、読みやすさはちょっと置いといて・・・。
題材の面白さは、比類がない。
ある訳がない。
筋ガネ入りなんである。
 古代ギリシャ語から猛勉強。
英語に”It’s Greek to me.”って言い方があるとか。
それっくらい、ギリシャ語って難しいらしい。
それをマスターしちゃった。
大変なこってある、
 地中海社会の歴史モンはことごとく読破。
それだけじゃない。
身体張って、イタリアに殴り込み。
そのまま、住み込み。
イタリア人の生活に同化しちゃった。
 イタリア各地の古文書館を巡り歩く。
古文書・史料を読み漁る。
イタリアの空気を吸って、イタリアの光を浴びる。
世代は違ってもイタリア人の感情のリズムを知ってる。
それが筆に活きるんだべな・・・。
ここまでやってるヒトは他にいないべや。

  • 北海道の寿司

 解説に面白い事が書いてあった。

イタリアを旅行した人で、そこに充満している色彩に驚かない人はないだろう。ヴェネツィアフィレンツェ、ローマ、どこへ行っても並びたつ豪壮な大寺院や宮殿の群れは、すべて千変万化の色彩を尽くした大理石を組みあわせて作られ、それらが解けあって、さながら町全体が色彩の交響楽のような響きをたてているのがイタリアという国である。これはドイツやフランスのような中央ヨーロッパの国々に比べても全く独特な、イタリアだけの、目をみはるような特色である。

 っかあ〜っ。
巧い表現だねえ〜。
思わず、行きたくなっちゃうべや。
さらに続く。

そしてイタリア人とは、こういう色彩の中から生まれてきた国民なのである。それはどういうことかというと、イタリア人の感情、行動、歴史には、他の国民に見られないような色彩が流れているということである。言いかえれば、生きることすべてがドラマであるということである。

 ってえ事はイタリアはネタの宝庫?
素材が多すぎて調理に困っちゃうみたいな・・・。
北海道の寿司状態かな・・・。

  • メニュー

 7篇のメニューはこんなこって・・・。

    1. 大公妃ビアンカ・カベッロの回想録
    2. ジュリア・デリ・アルビツィの話
    3. エメラルド色の海
    4. パリシーナ侯爵夫人の恋
    5. ドン・ジュリオの悲劇
    6. パンドルフォの冒険
    7. フィリッポ伯の復讐
    8. ヴェネツィアの女
    9. 女法王ジョヴァンナ

 どっかで見たことのあるネタもあった。
一部、「ルネサンスの女たち」の中で触れられていたりする。
ネタが多すぎて積み残しになってたらしい。
 芸は身を助ける。
きっと、イタリアにはネタが山ほどあるんだべ。
でも、イタリア語を理解できて、イタリアに暮らしてなきゃわかんない。
「七生おばさん」でなきゃ書けないんである。
続きは又・・・。