ユートピアのこと２６
- 通勤路
朝晩、４０分ずつ歩く。
徒歩通勤である。
何とかバス代を浮かせて、小遣いの足しに・・・。
って訳じゃないんだけど、とにかく歩く。
１日１万歩以上歩こうと思ったら、これっきゃない。
毎日、ほとんどデスクワーク。
ひたすらパソコンとにらめっこが多い。
んでなきゃ、しょーもない会議。
仕事のフリしてるのも楽じゃないんである。
通勤路以外に身体を動かす場面がないべや。
通勤路の途中もいろんな発見がある。
以前から気になっていた建物があった。
きらびやかな電力会社の隣なんで、余計に目立つ。
何だか、取り壊し寸前の市営住宅みたいな・・・。
何だか暗くて、ヒト気がなくって、活気のカケラもない。
看板を見たら「労動基準監督署」だった。
- 解明
いつも思ってた。
”何やってるとこなんだべ・・・？”
「公供職業安定所」はわかりやすい。
市民から見れば、”職探しのフリしながら失業保険もらうとこ”。
又は、”職業訓練のフリしながら手当てをもらうとこ”・・・。
こんなイメージだべさ。
名前から勝手に想像した。
「労基法」の番人として、企業に眼を光らせてる・・・。
・・・あり得ないべな・・・。
眼ぇは光らんでぇ〜・・・。
ちっちきちぃ〜やでぇ〜・・・。
突然、ナゾが解けた。
後から思えば、当ったり前だったけど・・・。
旭新聞でちゃんと説明してた。
ー神奈川労働局ー
裏金作り総額１７３３万円
９９〜０３年度 懇親会などに使う・・・
なあ〜んだ・・・。
「ユートピア」の仕事ってみんな同じじゃん。
- チクリ
この街には「ハローワーク」も「労働基準監督署」も両方ある。
何てったって、この街は飲食店が多い。
住民１人当たりの居酒屋軒数は全国一なんだそうだ。
ちゃんと需要と供給が一致してんだべな。
そもそも、何故こんな話が浮かび上がるんだべ？
「労動局」の内情なんて誰もわかんない。
金額だって、わかりゃしない。
元々、何でもやり放題なんである。
太古の昔から脈々と続いてる仕組みなんである。
やっぱ、ニンゲンの質の低下なんだべな。
「ユートピア」の質に、まだ下がる余地があったのか？
あったんだべな・・・。
こんなのチクリしかあり得ない。
「ユートピア」の中でイジメられたヤツとか・・・。
裏ガネで飲んだ時に仲間外れにされたヤツとか・・・。
分け前に不満を持ってるヤツとか・・・。
そんなコントロールも利かないほど質が落ちたんだべ。
- 私的流用
ま、手口はいつものマニュアルどおりである。
「カラ出張」「カラ残業」「カラ雇用」「カラ請求書」・・・。
地道な作業の積み重ねである。
「ユートピア」の仕事は大変なんである。
公表される使い道もおマニュアルどおり。
飲み食い、タクシー代・・・。
間違っても、みんなで分けたとは言っちゃいけない。
これが謝罪と処分の時にとっても大事。
労動局長の会見はこんな主旨。
- 幹部については「戒告」「訓告」「厳重注意」処分をする。でも、すで退職しちゃったヒトはしゃあんめな。
- カネは国庫に返すよ。返しゃいいんだべや！退職したヒトからも取るからよ。
- 年間の予算枠を使い切るという慣行があった。その為に４月からダッシュしないと使い切れないべや。
- 「私的流用」は認められなかったので、職員の刑事告発は考えちゃいない。そんなに大騒ぎすんなよ。
- 「企業ぐるみ」
民間企業では「企業ぐるみ」をえりゃあ嫌う。
マスゴミにこう言われると、企業の致命傷になっちゃう。
その為に、必死でスケープゴートを作る。
「個人的な犯罪だった」
っとして、トカゲの尻尾を切る。
「ユートピア」は真逆なんだべな。
「組織ぐるみ」なんだから、しょーがないべや。
みんなでカネ返すんだし、文句ないべや・・・って言いたい。
確かに「ユートピア」は重労働だべなあ。
「裏ガネ」は個人の給料に振り込まれる。
これを「私的流用」が無いように帳簿管理とかでもする・・・。
これはホントの出張、これはカラ残業・・・。
”あり得ないっ！”
きっと記者会見後、幹部には封書が届く。
開けてみると、紙っきれが１枚。
”「カイコクっ！」なあ〜んっちゃって！”っとか書いてある。
これでお仕舞い。
あとは７５日間、待つのだぞ・・・。
