珍しくもない本の雑感55(4)
【辺境・近境】
- メキシコ
気になってる国の1つである。
我が家の候補先メニューにも登録されてる。
「マヤ文明」の遺跡と、リゾッチャ。
喰いモンは期待出来ないけど、ラテンの明るさ。
こんなイメージである。
「村上春樹」は1ヶ月も歩ってきたそうな。
羨ましいこって・・・。
道中、何人かから訊かれた。
「あなたは、どうしてまたメキシコに来たんですか?」
その質問には共通したニュアンスが含まれてたそうな。
”何で、他じゃなくって、わざわざメキシコなんだ?”
ヨーロッパなんかじゃあり得ないべ。
そっちじゃ、来るのが当ったり前って感覚だんべ。
出発前にアメリカ人にアドバイスを受けたそうな。
「メキシコではみんな、何故メキシコに来たのか?と質問するだろう。
その時は、『メキシコ料理の本を書くためだ』と答えるんだ。それが彼らが納得する唯一の理由だ。
但し、ちょっと問題もある。一度メキシコ料理について話しだすと、彼らは永遠に話し続ける。オレのおっかさんの自慢料理はこんなんだった・・・。ばあさんの自慢料理はこうだった・・・」
ありそうである・・・。
- ひとり旅
最初の10日間はひとり旅をしたそうな。
サンフランシスコから北部の「プエルト・バヤルタ」って町に飛んだ。
そこからはバス旅行。
リュックを背負って、メキシコ半分を縦断した。
久々だったらしい。
空港でリュックを肩にかけた時に思った。
「うん。これだよ。この感じなんだ」
そこには自由の感覚があるという。
残念ながらこういう経験はない。
リュックを背負って旅行するって経験がない。
ひとり旅ってえのもした事がない。
その自由の感覚ってえのはわかんないなあ・・・。
著者は学生の頃、しょっちゅうやってたらしいけど・・・。
- 音楽
著者は「ウォークマン」を持って行った。
テープも数本。
「セロニアス・モンク」から「サザン」まで幅広い・・・。
「キャスリーン・バトル」も「井上陽水」もあった。
何せ、1日に6時間もバスに乗る。
そりゃ、必需品だべさ。
でも、バスの中で「ウォークマン」を聴くのは至難のワザだったらしい。
メキシコには静かなバスなんかない。
必ず大音響でメキシコ音楽がかかってるとか。
「ウォークマン」の上品な音なんか踏み潰されちゃう。
どんなにイヤホンを突っ込んでもダメだったそうだ。
メキシコの歌謡曲らしい。
”ちゃんちゃかちゃかちゃか、ちゃんちゃかちゃかちゃか・・・”
「テキエーロっ!」
「メアモールっ!」
ラテンも悪かああない。
でも、6時間は拷問に近いべな・・・。
- 剣呑
バスにはいろんな客が乗って来た。
多くはジモティの行商のおばさん。
労務者や親子連れ。
「マチェテ(山刀)」を持ったインディオの農民もいた。
間違いなくリュックを背負った旅行者はいなかった。
時々、剣呑なヒトビトも乗って来た。
兵隊や警官である。
防弾チョッキを着て、てっぽを持ってる。
窓から外に向けててっぽを構えてる。
著者はハトマメになってると車掌が寄ってきた。
「撃ち合いになったら床に伏せるんだよ」
「強盗かい?」
その通りだった。
このルートではよく出るんだそうだ。
そんな事、ガイドブックにも書いてなかったとか。
そりゃ、書かないべ。
- 食中毒
「何があっても水だけは飲むな」
みんなから忠告されていた。
ハミガキもミネラル・ウォーターにしろと言われたそうだ。
そんなにひでえのかな・・・?
著者は面倒いので、ハミガキは水道水を使った。
でも、何とか無事だったそうだ。
食中毒には参ったらしい。
これは気をつけりゃいいってモンじゃない。
当たる時ゃ、当たる。
当たらない時ゃ、当たらない。
「ロシアン・ルーレット」みたいなモンだという。
著者は2回やられたとか・・・。
1度は海岸のレストランの「海老フリャア」
見た目も良くって、美味かったらしい。
もう1度は、うらぶれたホテルのレストラン。
「マカロニ・サラダ」が原因と思われる。
こっちは”やっぱしっ”って感じだったらしい。
エジプトを思い出す・・・。
続きは又・・・。