「コペンハーゲン」郊外のこと【8/13】

  • 昼メシ

 一風変わったレストランだった。
ビンテージものの建物をそのまま使ったような・・・。
床は”ウグイス張り”だし、何しか狭い。
20名が入ると肩を寄せ合ってメシを喰うようである。
 オーナーは中華風だった。
「マイケル・チャン」(懐かしい)をタテにつぶしたような・・・。
笑顔が可愛いい。
なかなか愛嬌のあるオヤジだった。
 ま、とリあえずビールだしょ。
お約束の「Carlsberg」ドラフト。
500mlで30DKR(約660円)。
完全に神経がマヒマヒで、えりゃあ安く感じる。
これでも日本では高い部類だけど・・・。

  • メニュー

 最初に「トマトスープ」が出た。
これが酸っぱくって、とっても美味かった。
酸っぱいのはお好みである。
更に「ロールパン」がこれ又、美味かった。
今まで喰ったパンでは一番美味かったと思う。
 今日のメインはジモティの名物料理だった。
「スモーブロー」っとかいう名前。
要するにオープンサンドだ。
ブッフェの「スモーガスボード」から何となく連想できる。
いつも喰ってる朝メシと似ている。
朝メシより、少し具の種類が多いか・・・。
 デザートは「シンプルバニラアイス」だった。
プラス、コーヒーが嬉しい。
オープンサンドで味の差があるかどうかはびみょー・・・。
でも、他のモノはみんな美味かった。
オヤジの笑顔も加えて、☆は3つでいいやっ!

 午後はちょっと、郊外までドライブ。
世界遺産クロンボー城」観光である。
シツコイけど、ユニークな名前だよなあ・・・。
「クロンボー」とか「トチメンボー」とか・・・。
 「クロンボー城」はかなり前から知ってた。
テレビで見て強烈に印象に残ってた。
あの「ソニー・プレゼンツ」・・・ってヤツである。
シェイクスピア」の「ハムレット」の舞台になったとか。
 狭い「エーレ海峡」の対岸にスウェーデンが見える。
この海峡の通航税を徴収する為に造られた。
如何にも海峡を監視するかのような構えが印象的だった。
是非、観たい世界遺産の1つだった。

  • 歴史

 今回のガイドさんの本領発揮。
ものすごく詳しく、歴史的背景を説明してくれた。
この城は1585年、「フレデリクス2世」によって再建された。
「エーレ海峡」の通航税徴収の為である。
 ちょうど、世界の権力構造が大きくいごいた時期だった。
スペインの無敵艦隊イギリス海軍に負けたのが1588年。
この同じ年に、「クリスチャン4世」が即位。
「クリスチャン4世」は通航税を一気に値上げした。
その財源を惜しげなくつぎ込んで様々間な建物を造りまくった。
今も「コペンハーゲン」市内に多く残る。
「ローゼンボー宮殿」や「旧証券取引所」なんかがある。
 ヒトの欲望には際限がない。
「クリスチャン4世」は更に領土拡大を狙う。
1625年、北ドイツに侵攻した。
でも、結局「神聖ローマ皇帝」軍に負けちゃった。
これがケチのつき始めで、この後スウェーデンにもやられちゃった。
この背景を知ってて、見学すると面白さ倍増である。

 「クロンボー城」の中も見学した。
中には、海洋博物館や教会なんかがある。
保存状態も良く、なかなか見ごたえがあった。
 ちょうど、「ルネサンス展」が開催されていた。
いろんな展示物があった。
面白かったのは「タペストリー」
城内に常設展示されているのはレプリカ。
それが、「ルネサンス展」のお陰で「ホンモノ」も観ることが出来た。
金糸を使った見事なゴブラン織り。
素人目に見てもすごいシロモノだった。
 この「ホンモノ」はスウェーデンからの借り物である。
元々はデンマークのモンだった。
戦いに負けて豪華な調度品はごっそりスウェーデンに奪われた。
それを借りてきて展示してるんである・・・。

  • 「野外劇」

 城の中庭は広場になってる。
夏の間は舞台がセットされて、「野外劇」がが上演される。
城にポスターが貼ってあった。
お題はやっぱ「ハムレット」である。
それも創作劇で、さまざまなアレンジがされてるらしい。
 この広場も面白い。
井戸のポンプが転がってたり・・・。
ホントは広場の中央に立派な噴水があったそうな。
青銅で作られた大きな彫像だったらしい。
 これも戦争で負けて、奪われてしまった。
でも、これはスウェーデンが返してくれたそうだ。
大砲のタマにして・・・。

  • 教会

 この教会だけは戦禍を免れたそうだ。
唯一、建築当初のまま残っているとか・・・。
決して大きな教会じゃない。
でも、中は素っ晴しかった。
この城の中でも必見の場所だと思う。
 並べられた長椅子や説教台に緻密なレリーフが施されてる。
これが又、1つ1つ素っ晴しい。
シャンデリアも、パイプオルガンもすごい。
ちょっとお目にかかれないかも・・・。
 にもかかわらず、柵も何もない。
ってえと、すぐ手を出すヒトがいる。
いきなりレリーフを撫でたおっさんがいた。
もちろん、係員がすっ飛んできた。

  • 多目的

 教会と言えば・・・。
デンマーク人は日曜日に教会なんか行かないそうだ。
行くヒトは国民の3%程度。
教会はいつもガラガラだという。
国民の83%がルーテル派で、ある面ススんでるらしい。
 教会税ってのは所得の0.8%っくらい。
平均年収から考えると、1人3〜4万円払ってることになる。
どこでも納税者の声は大きい。
もっと教会を有効活用しろってな声が多いらしい。
 教会の数は多くって、楽に千ヶ所を超える。
それがガラガラじゃもったいないべや。
そこで、最近は多目的化してるそうだ。
博物館やイベント会場に使われる教会が増えているとか・・・。
納税者意識のない国には無縁な話だけど・・・。

  • 散策

 午後の観光は「クロンボー城」だけ。
ホテルには16:00っ頃帰還。
晩メシは19:00から。
この間、自由に散策も出来る。
希望者は「市庁舎」近辺でドロップしてくれるという。
 大半の方が散策コースに。
我が家は希望がないので、ホテルに帰還。
ホテルの近辺を散策することになった。
地味〜な景色である。
 悪臭漂う運河沿いをちょっと行くと鉄道駅だった。
コペンハーゲン中央駅」の隣の「Metro」の駅らしい。
「Dybbolsbro」っとか言う名前だけど、読み方がわからん。
ホームに降りてってみる。
 改札口なんかない。
駅員もいない。
切符は自販機で買うらしいけど、字がさっぱり読めない。
「Roskilde(ロスキレ)」行きは止まんないらしい。
コペンハーゲン中央駅」に行かなきゃダメって事だけはわかった。

  • 鉄道写真

 駅の陸橋の上で、「藤Iさん」のご主人に会った。
結局、今日の観光もパスした。
ホテルで安静にしてるという判断だった。
なかなか大変である。
 ご主人は体力余っちゃう。
この近辺を散歩することにしたらしい。
ホテルのすぐ隣が大規模ショッピングセンターだという。
残念ながら日曜日で休みの店舗が多かったとか。
「ビールなんか売ってる店はありましたかね?」
「う〜〜ん、食品の店はあったけどなあ・・・」
ま、行ってみよう。
 ところで、ご主人は何をしてたのか?
立派な一眼レフカメラを持ってた。
「いや、元々鉄道写真が好きでねえ・・・」
陸橋の上から写真を撮っていたらしい・・・。
このご夫妻は”次の海外旅行”に行く気になるべか?
大きなお世話だけど・・・。

  • ショッピングセンター

 ホントにでかかった。
けど、大半のテナントが休んでる。
がら〜んとした建屋に、ポツンポツンと開いてる店がある。
ひと気がない。
 たま〜に若い衆がたむろってる。
あんまり気持ちが良いモンじゃない。
菓子屋発見。
いろんな袋菓子、チョコレートなんかがずら〜っとある。
量り売りの菓子もある。
 「リコライズ・キャンデー」と「バニラ・ファッジ」を買った。
こっちのヒトは「リコライズ」が好きらしい。
日本人には漢方の「カンゾウ」のイメージしかない。
およそ、菓子とは思えない味である。
これは会社の若い衆に喰わせるんである。
「試練シリーズ」である。