「Bergen(ベルゲン)」の夜のこと【8/11】

  • 「ベルゲン市内」

 バスは郊外から市街地に向かう。
キレイな街である。
どこもかしこも、めっちゃキレイである。
何て素っ晴しい景色なんだべ!
 人口22万人。
ノルウェー第2の都市だという。
12〜13世紀には首都だったとか・・・。
ちょっと意外な感じがするっくらいである。
バスで走ってても、街の全体像が見えてくる。
小っちゃくって、手におえる大きさである。
 街には4つの港があるという。
メキシコ海流の恩恵で冬でも凍らない。
貴重な不凍港を活かして商業基地になった。
聞くと、なるへ・・・っと思う。
ハンザ同盟の名残りなんだ・・・。

 ここが、かの有名な・・・。
世界遺産ブリッゲン地区」である。
まさにドイツから来たハンザ商人たちが住んだところだ。
1702年に大火があったそうな。
今、ある建物はその後で建てられたモンらしい。
それでも300年のビンテージモンである。
ここで1時間ばかり、フリータイムになった。
 確かに絵になる。
三角屋根のカラフルな木造建築が肩を寄せ合ってる
傾いた建物もそのまま使ってる。
すぐ前の港にはヨットが並んでる。
如何にもって景色である。
陽が出てたらもっとキレイだんべな・・・。
 「ベルゲン」は陽が出ない事でも有名らしい。
1年のうち、ほとんど太陽にお目にかかれないとか・・・。
なるへ、と思わせる空である・・・。
何となく、明日になると逆光になりそうな気がする・・・。

  • 「機雷」

 港を散策した。
何とも雰囲気がある。
ヨットやクルーザーが並ぶ。
突如、直径1mほどの黒い鉄のタマが現れた。
何かのモニュメントらしい・・・。
訊くと、この港から揚がった「機雷」だという。
 そっか・・・。
ハンザ同盟=ドイツだべさ・・・。
第2次世界大戦の時に「ベルゲン」はドイツに占領された。
そりゃ、最初に狙うべな。
貴重な食糧源だべさ。
思わぬところに戦争の記憶が残ってるモンだ。

  • 「魚市場」

 港に面した広場に屋台が並ぶ。
「魚市場」とは言っても、いろいろある。
八百屋や果物屋、乾物屋、玩具屋・・・。
何でもある。
 魚屋を覗いてみた。
やっぱ、タラやニシンは立派なヤツが並んでる。
おっ!アンコウもある。
ノルウェーでも「あんこう鍋」とかやるんだんべか?
ドブ汁なんて作れるんだべか?
 果物屋で「チェリー」を買った。
1パックで4ユーロ(約600円)だった。
ちょっと熟れ過ぎって気はしたけど、まあ美味かった。
消えるモンしか買わない夫婦である・・・。

  • 集合時間

 晩メシは19:00の予約だった。
10分前に集合することになっていた。
みなさん、集まって来たんだけどバスの運ちゃんがいない。
バスはあるけど、乗れない。
しばらくウロウロしてた。
 その内、運ちゃんが何かを手に提げて現れた。
”何だべ?”
何と、それは「トナカイ」の肉だった。
またまた、お騒がせ「アクアビット」おばさんである。
どうしても「トナカイ肉」が喰いてゃあ、とダダをこねたらしい。
「ヒロミさん」がレストランに問い合せた。
でも、無いってことだったらしい。
 運ちゃんがそれを聞いてて、探してきてくれたそうだ、
今は禁猟期でなかなか手に入らないらしい。
冷凍モンだけど、探し回って何とか見つけた。
んで、集合時間に遅れたってこってある・・・。
ちゃんちゃんっ!

  • 晩メシ

 今夜のレストランは港のソバ。
オシャレな店だった。
席についてみると、右隣に「アクアビット」おばさん。
前に「K玉夫妻」、左に「吉D夫妻」・・・。
何か、似たようなメンツになるなあ・・・。
 「アクアビット」おばさん、早速「トナカイ肉」を広げた。
「みんな、ひと口食べてえ〜」
何人か喰ってたけど、我が家はNGである。
ただでさえ、4つ足は苦手なのに・・・。
あっちこっちでマスコットを売ってる「トナカイ」だぜ!
あの愛らしい顔が浮かんじゃう・・・。
 ま、気を取り直してビール!
「Hansa」ドラフト400ml。
だけど、54NKR(約1,130円)という破格の値段だ。
慣れたようでも、慣れない。
ふざけてるっ!

  • メニュー

 今日は、まずスープが出た。
「キノコ入りのコンソメ味」・・・じゃなかった。
コンソメ風塩味だった。
塩の味しかしない。
何かの間違いとしか思えないしょっぱさだった。
丸々、残してフィニッシュ・・・。
 メインは「タラの香草焼き」
「ボイルド・ポテト」と「グリーンサラダ」添えである。
これは「醤油」の出番だしょっ!
持参の新鮮「醤油」がテーブルを回遊する。
せっかくの香草焼きなので、ちょっと香り付けっくらいでいい。
やっぱ、美味しい。
日本人は「醤油」だべさ。
 デザートは「自家製ケーキのベリーソース」
味より先に、盛り付けのキレイさに感激!
まるでフランス料理である。
つい、コーヒーを追加オーダーしたくなるデザートだった。
実際、頼んでるヒトもいた・・・。
惜しいなあ〜。
スープ分、マイナスで、☆は2つ半かな・・・。

  • 集合写真

 バスは波止場に駐車してあった。
みなさん、ほろ酔いで波止場まで歩って行く。
対岸に「ブリッゲン地区」の建物が見える。
何ともいい眺めじゃあ〜りませんか!
 「菊Tさん」のご主人がポーズ決めて写真に納まってる。
懐かしい「裕次郎マドロス」ってヤツですか・・・。
みなさんから拍手喝采。
すごい”ノリ”である。
ん〜ん、その世代なんだなあ・・・。
それにしても酒も飲んでないのに・・・。
 誰ともなく、集合写真を撮ろうと言い出した。
バックはあの「ブリッゲン地区」である。
みんなが持ってきたカメラでかわりばんこに撮る。
まず「ヒロミさん」がカメラマンを買って出た。
っと思う間もなく、運ちゃんが駆けつけた。
「わしが撮ったるわい・・・」
 延々と撮影が続く・・・。
前列でしゃがんでたらヒザが痛くなってきた。
あとで見ると、みなさんすっごくいい笑顔である。
メンツに恵まれたんだべなあ・・・。

  • 客層

 やっぱ「JТB」の客層はちょっと違うみたい・・・。
かつて味わったことがないまとまり!
盛り上がり!
団結力!
とっても他人とは思えない”ノリ”の良さ・・・。
 面白いモンで、旅行社の色ってある。
何故か、参加者もそれなりの色なんである。
「トラピッコ」らしさ、「ツーリズモ」らしさ、もある。
「日通」も何とも言えない”らしさ”がある。
揺るぎない個性を感じるのは「ТBX」
いつも旅先で「JТB」を見かけると”違う雰囲気”は感じてた。
何となく違う人種かなって思った。
 帰りのバスの中で「K玉夫妻」と話した。
「こんなツアーって珍しいですよね・・・?」
「いえ、私たちのツアーっていつもこんな感じですよ・・・」
へっ?
確かにそうかも知んない。
「K玉夫妻」が参加して、暗いツアーなんか想像出来ない・・・。

  • ターボ

 「K玉さん」も夜は酒を飲むそうだ。
今晩は、幾らかチャージして来た。
元々、いつも絶好調なんだけど、今日はターボが効いてる。
舌の回り方が高速である。
 嫁さんが何気なくボートの話題を振った。
何せ、バスの車窓からマリーナがいっぱい見える。
如何にも港町って風情である。
「老後はどっか入り江に住んで、ボートで釣りに出るなんていいやね」
 「K玉さん」喰いついてきた。
何でも友だちとボートを持ってるそうだ。
しょっちゅう浦賀でぶっ飛ばしてるとか・・・。
でも、釣りはやったことがない。
確かに・・・。
釣りはぜんぜん似合わないよなあ・・・。
 やっぱ、遊び方もハンパじゃなさそうである。
すべてアクティブなんだべなあ・・・。
ボートを持つなんざ、夢のまた夢かと思ってた。
やってやれない訳じゃないんだろうけど・・・。
環境的に、金銭的に、時間的に、腰が引けちゃう・・・。

  • スーパー

 ホテルに戻ると21:00過ぎ。
ちょいとスーパーにビールを仕入れに行こうか・・・。
なかなか立派なスーパーだった。
ビールも山と積んである。
でも、そのビールの山にはシートが被せてあった。
”明日っからの特売なのかな・・・?”
 冷蔵庫から冷えた「Hansa」を6本、カゴに入れた。
店内をひと通り回ってみた。
やっぱ、何でも高いっ!
チョコレートもスモークサーモンも立派な値段である。
何も無理してここで買う必要もないべ・・・。
 ん?
面白いモン発見っ!
コーヒーである。
もう挽いてあって、ガスを封入してある。
容量は70gと少なめだけど、何と5NKR(約105円)。
安っ!
一瞬、何かの間違いかと思った。
 ノルウェーは1人当たりコーヒー消費量、世界1だそうだ。
きっと、美味いに決まってる。
ってんでダメモトで4本、カゴに入れた。
後から来た「M本さん」たちにも教えてあげた。
「これならダメモトよ!失敗しても惜しくないわ・・・」
好評だった。

  • 条例

 レジでVISAカードを出す。
突然、お姉ちゃんが言った。
「キャンユ スピーク イングリッシュ?」
ん?
一瞬、意図が理解出来ない。
とりあえず答えた。
「ア リルル ビッ」
 何かと思ったら、地元に条例があるという。
20:00を過ぎるとアルコールを売ってはいけないとか・・・。
「アイム ソリー」
ビールは没収されてしまった。
結局、コーヒー4本だけが残った。
20NKR(約420円)をカードで払ってきた。
ま、しょうがない・・・。