「フィヨルド・ツアー」のこと【8/9】

  • ルートマップ

 これから、2泊3日の「フィヨルド・ツアー」
「ヒロミさん」がイラストのルートマップを配ってくれた。
こいつあ、わかり易い。
ガイドブックもここまで細かく書かれてない。
 しかもカタカナが嬉しいじゃあねえかい。
ノルウェー語なんか、字が読めねえ。
更に有難てえのはマーカーである。
黄色、緑、ピンクで通る街の名前をマークしてある。
1日目、2日目、3日目っと色が変えてあるとこが嬉しい。
 今日はこれから延々と430kmのバスの旅。
途中、「Otta(オッタ)」まで、ルート「E6」を走る。
これは「ヨーロッパ6号線」で、イタリアからロシア国境まで続く。
14:00っ頃、リレハンメルで昼メシだという。
宿泊地のガイランゲルまでは、ざっと7〜8時間はかかるべな。
晩メシは又、20:00っ頃だべ。

  • 「裸の太陽」

 北欧は大気が薄い。
その分、太陽光線は強烈らしい。
「裸の太陽」と呼ばれるそうだ。
確かに、如何にも・・・ってな景色である。
 どこまでも澄んだ空。
ちぎって投げたようなくっきりした雲。
透明がかった緑の牧草地や山々。
そして、不思議なミルキー・グリーンの川が流れる。
 何なんだ?この景色は・・・?
やっぱ、浮世離れしてるよなあ・・・。
道のりは決して険しい訳じゃない。
じわじわと標高が上がって行く感じである。
その内、氷河が見え始めた。
何とも雄大な眺めである・・・。

  • 「Espa(エスパ)」

 最初のトイレ休憩。
「By The Way」とかいうドライブインである。
「Lake Mjosa(ミョーサ湖)」を見下ろす丘の上にあった。
長さ100km、広さ363平方キロ・・・。
ノルウェー最大の湖だそうだ。
ヨーロッパ全体の中では4番目の大きさだとか・・・。
 天気は最高。
庭にはバケモノみたいな「ハマナス」が咲き乱れていた。
ハマナス」・・・?
ヤに花がでかい。
直径10cmはある。
実もなってた。
これ又、でかい。
ピンポン玉っくらいの大きさである。
毛唐が育てると「ハマナス」もでかくなるんだべか?

 1994年のオリンピック開催地。
史上、最も北の開催地だったそうだ。
街の手前に、ジャンプ台を眺めるビューポイントがあった。
オリンピックの看板もちゃあんとある。
 もう記憶の彼方だけど、荻原たちのノルディック複合団体で金メダル。
有名な原田の失敗ジャンプで、ラージヒル団体が銀メダル。
結構、話題が多かったオリンピックだった。
その後、ルールをどんどん変えられて日本選手は勝てなくなった。
北欧も意外にセコいな・・・って思ったモンである。
 「リレハンメル」は小さな可愛らしい街だった。
今でも、冬はスキー客で賑わうらしい。
でも、オフシーズンはヒトの数は多くなさそうである。
あちこちにスプレーペイントの落書きが目立つ。
街の寂れ方の象徴に見えちゃう。
街中のレストランで昼メシになった。

  • 昼メシ

 ま、何をおいてもビール。
「Hansa」という銘柄のドラフトがあるという。
値段が35NKR(約740円)だという。
おっ!安いじゃん!
喜んでオーダーしたら、小グラスだった。
多分、330mlっくらいだべ。
 同席したのは、又「近Dさん」と「菊T夫妻」「M本夫妻」
又、呑んべテーブルだ。
「近Dさん」ってのは飲むと危ない。
飲まなくっても、同じか・・・?
 どこに行っても、ビールと「アクアビット」ってのを頼む。
アクアビット」ってえのは、ジャガイモの酒だという。
味はウォッカみたいなモンである。
本人いわく、これを舐めてると早く酔う。
ドイツじゃ飲み過ぎないようにこれを舐めながらビールを飲むとか・・・。
 そりゃ、それでいいんだけど・・・。
このヒト、周りのヒトに無理矢理飲ませる。
「ねえ、飲んでよ。飲まないとつまんな〜いっ!」
60過ぎのおばはんとは思えない・・・。
え〜い、お陰で酔っ払っちゃったい・・・。

  • メニュー

 今日のメインは「チキングリル・胡椒ソース」
これは上品なヒレ肉で美味かった。
ピリッと胡椒が利いて、塩加減もびったし!
大きさも適量で、ヒトによっては物足りないかも・・・。
我が家的には最高だった。
 別に「ボイルド・ポテト」と「グリーンサラダ」が大ボールで・・・。
取り分け出来るようになってる。
結構なボリュームでお代わりも出来た。
両方とも嫌いじゃない。
めっちゃ、喰っちゃった。
 デザートは「チョコレートムース」と「コーヒー」
ムースはちょっと甘かったけど、まあ合格ライン。
それにコーヒーが嬉しい。
コーヒーが美味かったので甘さは相殺である。
今回、初めて☆3つですう〜っ!
ブッフェ続きで、舌が痩せてきたかな・・・。

  • 「Lom(ロム)」

 「Otta(オッタ)」から「E6」を左に折れる。
「ルート15」を一路、「ガイランゲル」へ・・・。
途中、道路の両側にフェンスが続いてた。
動物が交通事故に遭わないようにってヤツだんべ・・・。
 ほどなく「ヒロミさん」から案内があった。
やっぱ、動物保護のフェンスだった。
それも「ムース(大鹿)」だという。
へえ〜っ。
如何にも北欧らしい。
でも、今まで動物に1回も会ってないなあ・・・。
 この辺りはノルウェーでも1番降雨量が少ない土地だそうだ。
滅多に雨が降らないらしい・・・。
ん?
降ってきたぜ・・・。
何だか、風も強くなってきた。
カミナリも鳴ってるじゃん・・・。
っとか、何とか言ってる内に「ロム」の村に到着。

  • 「スターブ式教会」

 「ロム」で唯一の観光地らしい。
現役の教会と墓地なんだけど、博物館もある。
大変な気合の入れようだ。
「ツーリスト・センター」まで造ってある。
 中を見たいヒトは個人払いでどうぞ・・・。
ん〜ん。
何となく、中は想像出来ちゃうんだけどなあ・・・。
ツアーご一行様、みんな入ると言う。
しょうがない。
世の中、つきあいと、勢いである。
 お代は40NKR(約840円)だった。
高っ!
でも、ちゃんと日本語のチラシもどきがあった。
結構、メジャーな日本人の観光コースなんだ・・・。
 中は・・・、想像通りだった。
北フランスの港町で見た木造の教会と似てる。
古くて、素朴な木造の教会である。
いっちょ前に、撮影禁止だった。

  • 「ツーリスト・センター」

 みなさん、こちらに移動。
何しろ、無料トイレが完備されてる。
博物館もあるし、ちょっとした土産物も売ってる。
みなさん、土産物の方がひかれるらしい。
 嫁さんと博物館に入ってみた。
ま、可愛らしいモンである。
でも、教会の構造を解説する模型とかは良く出来てた。
古い農具とかも展示してある。
 「スターブ式教会」はあちこちに残ってるそうだ。
12世紀っ頃に盛んに造られた。
最盛期には1千っくらいあったらしい。
特徴のある屋根の先には竜頭のヘビがくっついてる。
丸太の素朴な造りで、支柱にはマツヤニを塗ってある。
 元になってるのはもちろんキリスト教
でも、キリスト教アニミズムの合体した宗教観らしい。
「ウルネス」ってとこにあるのは世界遺産になってる。
最古の「スターブ式教会」ってこって・・・。

  • 森林限界

 バスに戻ろうとすると、又降りだした。
雨、風、カミナリのセットである。
最も雨の少ない土地で、ご丁寧なこってある。
 「ロム」を離れると、俄然景色が変わってきた。
かなり高い山の雰囲気である。
その内、森が無くなってきた。
岩山に草と背の低い潅木しか見えない。
ところどころに残雪がある。
この辺りが森林限界だという。
 っと思ったら、今度は一気に下り道に。
気づかないくらいの勾配で上ってきたので、ギャップが大きい。
バスはちょースローで慎重に下って行く。
窓から見ると断崖絶壁である。
ひょえ〜っ!
土砂降りで、岩でも崩れたらオシャカである。
もうすぐ「ガイランゲル」に到着だ。