ストックホルム市内観光のこと【8/8】

  • マーキング

 初スウェーデンである。
当然か・・・。
9:30に港に着いた。
でも18:00には、もう機上のヒトである。
 っえ〜〜〜っ!
泊まんないの〜っ?
旅程表を見た時は唖然とした・・・。
滞在時間8時間半である。
もちろん、世界遺産の「ドロットニングホルム宮殿」も行けない。
ホントのマーキングだけである。
 ま、モノは考えようだ。
マーキングだけしておいて、もう1度来ればいい。
将来の楽しみを取っておくのも悪くないべ・・・。
生きてる限り、楽しみが残ってるってこって・・・。
それにしても、もったいないなあ・・・。

  • 「王宮」

 ストックホルム観光のスタートは「王宮」
現国王「カール・グスタフ16世」が執務する場所だそうだ。
現役の王宮を公開してるんだ・・・。
国王は郊外の「ドロットニングホルム宮殿」から通勤してるとか・・・。
 ベースの城は13世紀建造のモンだそうだ。
その後、火事で焼けたりして18世紀に今の姿になった。
部屋数は600以上。
アンティーク博物館、王宮博物館、礼拝堂なんかがある。
でも、そんなの観てたら1日かかっちゃう。
ってんで、歩きながら外から眺めるだけ・・・。
マーキングだけなんである。

  • 衛兵

 ホントはここでも衛兵交代がある。
でも、今は警備に専念してる。
なかなか堅そうな衛兵だった。
 衛兵や、展示物の周りには”立ち入り禁止区域”がある。
中庭には大砲がズラッと並んでる。
ちょいと写真を撮りに行った。
すると、女性の衛兵がすごい剣幕で吹っ飛んできた。
 一瞬、何ごとかと思った。
こっちの足元を指差して何か怒鳴ってる。
あ、ラインの中に入ってた。
「そのラインから中に入っちゃいかんざきっ!」
まあ、職務に忠実なこって・・・。
へいへい、気をつけますよ。
銃剣付きのテッポなんか持ってるし・・・。

  • 「ガムラ・スタン(旧市街)」

 「王宮」がある一帯が「ガムラ・スタン」
ストックホルム発祥の地だそうだ。
13世紀当時の遺跡が沢山残ってる。
ちょっといい雰囲気である。
 あちこちに13世紀の地下室があった。
今も現役でホテルやカフェとして使われてるそうだ。
確かに入り口にメニューが出てた。
何だかちょっとムードがありそうな・・・。
 ストックホルムは「ナポレオン戦争」以来、戦火を知らないとか。
「ナポレオン」って事は、1800年頃か・・・。
以来、戦争経験がない。
だから街並みがそのまま保存出来てる。
平和の象徴ってこってすな。

  • 「市庁舎」

 噂に聞こえた「市庁舎」に到着。
ストックホルムを訪れた観光客は必ず行くところだそうだ。
毎年、「ノーベル賞」授賞式後の晩餐会が開かれるという・・・。
「ブルーホール」で晩餐会があって、「黄金の間」で舞踏会がある。
それっくらいはガイドブックを読んできた。
 でも、現物は予想以上に面白かった。
「ブルーホール」はちっとも青くない。
手彫りタッチを活かした赤レンガ造りである。
2階に続く優雅な階段は人間工学を追求しているそうだ。
ドレスの女性が眼をつぶったままでも上がれるとか・・・。
 「黄金の間」は凄まじい。
部屋中、特殊加工した金箔を貼ってある。
良く見ると、特殊加工ってのはガラス加工したモザイク。
これじゃ、引っ掻いて持ってくヤツもいなかんべ。

  • 非対称

 嫁さんが何だか首を傾げてる。
「ところどころ、不自然にレリーフが無いんだけど、何でだろ?」
「さあ〜、経費の節約かなあ・・・?」
まもなく理由がわかった。
設計者の趣味らしい。
 このヒト、「非対称の美」を追求したそうな。
左右対称は面白くないっ!
意地でも変えてやるって造りである。
東側の壁と西側の壁で、柱の数が違ってたり・・・。
 う〜〜〜ん。
「非対称の美」か・・・。
結構、便利な言葉かもしれない・・・。
 こういう自由な作風を容認するキャパがあるんだべな・・・。
それも、これも、庶民的な国王のお陰らしい。
国民に敬愛される国王は、ゴミ箱のデザインにも使われてた・・・。

  • 「ファイアールガータン市展望台」

 「展望台」ってほどじゃあないべ。
小高い丘の途中って感じ。
一瞬、塔とかを想像しちゃう・・・。
道路っ端にバスを停めて、海と市街地を見下ろす趣向である。
 確かに眺めは悪くない。
でも、ちょうど目の前の港に大型クルーズ船が停泊中。
「ヨーロッパ号」っと書いてあった。
これがで〜んっと構えてて、景色はあんまり見えない。
「この船、邪魔よねっ!」
誰かが呟いてる・・・。
さっきまで大型クルーズ船に乗ってたべや。
 見ると、この船は海側キャビンにすべてラナイがついてる。
白いイスやテーブルが見える。
「やっぱ、地中海クルーズはこれだよね〜」
「これで日向ぼっこしながら、ぐいっといかなきゃねえ・・・」
”おめえのアタマん中はビールっきゃ無いんかいっ!”

  • 昼メシ

 ってなこって、ビールの時間で〜す。
今日の昼メシは中華料理。
何だよ!
ツアー2日目で中華料理かよ・・・。
フツーは旅の後半に、和食や中華があるんだけど・・・。
そろそろ洋モノにも飽きた頃でしょう・・・。
っとか言って・・・。
ま、いいんだけど・・・。
 4人席に座ると、横に「菊T夫妻」が来た。
何となく、奥さんがビールの気配を嗅ぎつけたらしい。
ダンナさんはまったく飲まない。
でも、奥さんはビールが大好きだそうだ。
類は友を呼ぶ・・・。

 早速、ビールをオーダー。
「ストロング」と「ライト」があるという。
銘柄は不明である。
量はどっちも330mlのグラスらしい。
 でも、値段はぜんぜん違う。
「ストロング」は50SKR(スウェーデンクローネ)(約920円)。
「ライト」は35SKR(約640円)
どっちにしても、高っ!
試しってこって、1つずつオーダーした。
 味は・・・。
「ストロング」と称する方が美味かった。
ってゆ〜かあ、これがフツーのビールの味だべさ。
「ライト」は気合が足りなかった。
何だか「バドワイサー」みたいな・・・。

  • メニュー

 最初にスープが出た。
「岩海苔のさっぱりスープ」だった。
イケる。
海外で喰う中華料理にしたらハイレベルだった。
 次に「白身魚のフリット
多分、この界隈で白身魚っていったら「タラ」なんだべな。
ちょっと油っこかったけど、まあまあ・・・。
 次は「白菜のジャージャー炒め」
名前は勝手に付けてるけど、美味かった。
よく「ジャージャー麺」に乗ってる挽肉系の味付けだった。
 次が「鶏肉のピリ辛オイスターソース炒め」
これは美味かった。
日本で出してもかなりイケると思う。
 もう1品「ブタの角煮・ハッカク風味」
これは、例の龍角散臭い香料が使われてた。
不味くはないんだけど、あんまり好みじゃない・・・。
タミフル」の原料だっていうから喰っといた。
インフルエンザの予防になるかも・・・。
 最後にデザートで「フルーツ」
上品に並べられたオレンジやリンゴなど・・・。
「杏仁豆腐」を期待したんだけど、果たされず・・・。
でも、全体としてレベルが高かった。
☆は2つ半イケる。

  • 「クリスタル」

 いい天気である。
一杯ひっかけて気分は最高。
中華レストランを出ると運河があった。
運河に面したカフェに、デッキが造られてる。
「ギンヤナギ」が爽やかな風に揺れてる。
あ〜、こんなとこでのんびり出来たらいいべなあ・・・。
 そんな悠長なこたあ言ってらんない。
何ってったって、滞在時間8時間半である。
次の目的地はクリスタル屋だった。
ん?
土産物屋攻撃か・・・?
でも、ガイドさんの口ぶりはそーゆーんじゃない。
 買う必要はない。
でも、ストックホルムに来たら是非「クリスタル」製品を見て欲しい。
こんな調子である。
この辺も「JΤB」らしいのかな・・・?
 確かにすごかった。
素晴らしい!
これは完全に芸術の域だべさ。
数十万円する1点モノが並んでる。
面白いモンで、こういう店では何となくみんな買いたがる。
ペンダントとか、ショットグラスとか、結構売れてた。

  • フリータイム

 ”気はココロ”ってヤツですか?
ストックホルム観光の最後に少しだけフリータイム。
街のド真ん中でバスを降りる。
「NKデパート」とかいう老舗の前である。
 時間は1時間程度しかない。
「ドロットニング・ガータン」を歩くことにした。
この街の目抜き通りである。
さすがに人通りは多い。
人ごみをかき分けながら歩くって感じ・・・。
 いろんな店がワンサと並んでる。
シャレたギャラリーやブティックもある。
コンビニや土産物屋も多い。
ちょっと気になったギャラリーを覗いてみた。
面白いタッチの絵皿なんかがある。
 「1つ、買ってこうか?」
「う〜〜ん・・・」
ちょっと悩んだ。
面白いタッチなんだけど、調子が暗いんだよなあ・・・。
今の我が家に暗い飾りは要らない・・・。

  • 買い物

 SKR(スウェーデン・クローネ)は少ししかない。
滞在8時間半ってこって、あまり両替して来なかった。
でも、残してもしょうがない。
コンビニで何か買っちゃうか・・・。
 ここんち国も物価は高い。
ビールも、コーラも平気で4〜500円する。
ひっくり返るような値段である。
良く生活出来るよなあ・・・。
 特に欲しいモンもない・・・。
買うなら消化出来ちゃうモンが一番である。
結局、ビールとミネラルウォーターを買った。
結果、3SKR(約55円)残った。
何て、上手なんでしょ!

  • 小銭

 集合前に「NKデパート」のトイレに寄る。
嫁さん、お約束のタイミングである。
古めかしいけど、如何にも老舗の雰囲気だった。
エスカレーターは追い越し出来ない幅である。
これでいいんだよなあ・・・。
 トイレには番台があった。
やり手ばばあがいて、トイレチップを取る。
1人、5SKR(約90円)か、0.8ユーロ(約120円)だという。
いい値段である。
 試しに残った3SKRと0.3ユーロ(約45円)を出してみた。
すると、やり手ばばあがすごい形相で騒ぐ。
「ノー、ノー、ノー!」
あと0.2ユーロ(約30円)出せと言う。
”55円+45円+30円=130円じゃんか!”
 「っざっけんじゃね〜よ!」
っと0.8ユーロを突き出した。
こうなったら意地である。
でも、結局3SKRはユニセフの募金箱行き。
かえって高くついてるんだべさ・・・。