「クアラルンプール・ヒルトン」のこと
- エレベーター
いやあ、すげえホテルだった。
ヤマダかつて無い、貴重な経験が出来た。
出せば出しただけのことはあるんである・・・。
一番最初にひっくり返ったのがエレベーター。
ここんちには6基のエレベーターがあった。
30階建てっくらいのホテルなので数は十分。
エレベーターホールに行くと、1台開いてるドアがあった。
「おお、ちょうどいいぜ・・・」
ってんで、乗り込んだ。
我々の部屋は1514号室。
15階のボタンを押す。
「あれっ?」
ボタンが点灯しない。
「おっかしいなあ・・・?」
ぜんぜん微動だにしない。
「何だ、天下の『ヒルトン』も安いエレベーター使ってんなあ・・・」
でも、どう見ても「Sンドラー」とかじゃ無さそうだ・・・。
他のエレベーターに乗り換えた。
又、同じである。
15階のボタンを押しても点灯しない。
「何だあ・・・?これも故障かあ・・・?」
- 救世主
そこに女性の客が乗り込んできた。
「ノ、ノ、ノ、インサート ユアカードキー」
「へっ?」
「カードを入れて、抜いてからボタンを押します」
確かに階数ボタンの一番下にカード差込み口がある。
仕掛けは部屋のドアとおんなじだった。
宿泊客の為のセキュリティらしい。
「んなあるへっ!サンキューっ!」
「ユア ウェルカム・・・」
女性は途中の階で降りていった。
それにしても、上手な日本語だったなあ・・・。
- ミラールーム
部屋が又、ひっくり返った。
まずはすげえ広さだ。
我がマンションと大差ないんじゃないかな・・・。
間接照明もオシャレだし、薄型テレビもドでかい。
空調も強力だし、何となくいい匂いが部屋中に漂ってる。
動線は実にシンプル。
遮るモンが何もない。
水周りは全て鏡張りになってる。
まるでミラールームってな雰囲気である。
最初はどうも落ち着かなかった。
どこまでが部屋で、どこまでが鏡なのかわかんない。
でも、住めば都コンブ。
不思議と慣れるモンである。
慣れると、快適この上ない部屋だった。
- 矢印
嫁さんが、天上の片隅に怪しげなマーク発見。
三角形のマークがくっついてる。
「何だべ?」
避難誘導じゃなさそうだ。
後日、ナゾは解けた。
スルーガイドから説明があった。
あれはメッカの方向を示す矢印なんだそうだ。
マレーシアのホテルには必ずくっついてるとか・・・。
”んなあるへ・・・。”
でも、想像しちゃう。
まさか、こんなキレイな部屋で・・・。
あの悪夢のエジプト国際空港の景色が・・・。
イズラムの国を実感させられた・・・。
- アメニティ
部屋のアメニティも充実してる。
痒いところに手が届く。
バスジェルやシャンプーはもちろん、歯ブラシなんかもある。
温泉旅館並みじゃん・・・。
ミネラルウォーターは毎日2本サービス。
お茶やコーヒーはお好きなだけどうぞ。
ミニバーもある。
冷蔵庫には「タイガー」と「アサヒスーパードライ」が入っていた。
これは多分、客によって変えるんだべな。
毛唐だったら「カールスバーグ」にするとか・・・。
クローゼットにはバスローブもある。
バティックのサラリとした浴衣もあった。
同じくバティックのスリッパも用意されていた。
- 「ヒルトンブランド」
小物は全部、同じ「ヒルトンブランド」で統一されてる。
ゴミ入れ、小物入れ、ティッシュボックス・・・。
そして、ぜん〜んぶ売り物になってる。
「ヒルトングッズ」として値段表が置いてあった。
いやいや、すげえ・・・。
グッズもみんな悪く無い。
モノもいいし、そんなに高くない。
バティックの浴衣は5千円っくらいだった。
「おっ、スリッパは表に載ってないぜ!」
「これは売りモンじゃないってこと?」
「ゲットだぜ・・・」
- 「グリーン・プログラム」
天下の「ヒルトン」である。
環境にも良く心配りされている。
部屋にホテルが取組んでいるプログラムの解説があった。
それもちゃんと日本語で書いてある。
内容的には目新しいモンじゃあない。
ヨーロッパのホテルでも良く見かける内容だった。
- ベッドのシーツ類は3日に1度、交換するのを原則とする。
- どうしてもイヤな方は、用意されてるカードをベッドに置いてくれ。
- タオル類は出来るだけ再使用して欲しい。
- どうしても交換したい方はバスタブの中に入れておいてくれ。
結構、本気モードでやってるらしい。
部屋のクリーニングはめっちゃきちんとしている。
でも、使いかけのシャンプーなんかはそのまま置いてある。
ベッドメイキングは2日目の夜に来た。
おっそろしく丁寧な仕事で、ひっくり返った。
夜、在室中に来るところがミソ。
”3日に1度で十分でしょ”をアピールしてるんだべ・・・。
- タオル
基本的には賛成である。
元々が貧乏性で、何でももったいないと思う方だ。
こんなエアコンの効いた部屋でシーツを毎日換える必要はないべ。
エアコンも止めて寝てた。
全館空調だから丁度いいっくらいだし・・・。
ただ、タオルはちょっと辛いねえ・・・。
特にリゾッチャで滞在したら、尚更である。
プールも行くし、2度も3度もシャワー浴びたりするし・・・。
”出せば出しただけのことはある・・・。”っと相反する部分だべさ。
こんんだけ出して、こう言うレベルに来て、そりゃないべ?
って気持ちもわかんないじゃない・・・。
リゾッチャホテルの環境対策は、ちょっと考える必要があるかも・・・。
ソーラーシステムとか、水の再利用とか・・・。
タオルはねえ・・・。
- 「日本人スタッフ」
これも助かった。
ま、やっぱ一流ホテルである。
いつも、たどたどしい英語で用を足す。
それでも海外旅行程度だから、まあ何とかなっちゃう。
本格的に困ったってな経験はあんまりない。
ホントは「日本人スタッフ」がいるなんてすっかり忘れてた。
到着の翌朝、ピローチップの小銭が無いのに気づいた。
朝メシを喰ったあと、フロントに寄った。
両替である。
「エクスキューズ ミー。スモールチェインズ プリーズ・・・」
「はい。少々お待ちください」
ズルッときた。
そっか!
日本人スタッフがいるんだ!
ちゃんと出すモン出してるんだべさ。
そりゃ、利用しない手はないべや!
- フル活用
嫁さんも俄然、元気が出る。
積極的にフロントを訪れるようになった。
「中華レストランの予約をお願いしたいんだけど・・・」
「館内の案内図はないかしら?」
「この近所に、スーパーマーケットはないですか?」
フロントに見当たらないと、呼んでもらう。
「エニワン スピーク ジャパニーズ?」
相手はちょっと怪訝な顔をする。
”何、このヒト?英語使えるのに・・・?”
って思うべな・・・。
日本人スタッフも大変である。
良く働いてくれた。
パソコン叩きながらいろいろ調べてくれた。
レストランにも電話してくれた。
感謝、感謝である・・・。
- ラウンジ
ホテルのエントランスを入ると大きなラウンジがある。
3〜4段の階段を登ると広〜い踊り場みたいになってる。
そこから、階段で2階、3階とつながってる。
天上は大きな吹き抜けである。
まるで紅白歌合戦の舞台みたいである。
このラウンジで毎日「ハイティー」が行われた。
さすが、イギリス色が濃い〜い。
ちょうどラウンジの近辺をウロウロしてた。
スリムなお姉さんが声を掛けて来た。
「ハイティーは如何ですか?」
美味しそうな菓子や軽食がズラ〜っと並んでる。
見ると、決して混んではいない。
「お茶より、ビールがいいんだけど・・・」
「OK!OK!どうぞ」
ってんで、結局ビールを2杯ずつ飲んだ。
つまみは持参の「柿ピー」や「焼きアゴ」である。
ガイドブックで隠しながら、コソコソ喰ってた。
あずましくな〜い!
これでも料金は、RM107(約3,600円)である。
1杯900円のビールかあ・・・。
でも、部屋のミニバーの350ml缶が千円だからなあ・・・。
ま、いっか・・・。