新聞投書からの雑感13

  • 「化粧」

 ”話題になっている電車内や人前での「化粧」について”
ヒトコト言いたいヒトの投書があった。
40代前半の女性で、大学助教授。
「化粧文化」を専門にしてる方だそうだ・・・。
 ”そもそも「化粧」とは・・・”
日本の伝統における「化粧」の位置づけから説いてる。
言うまでもないけど、大人としての身だしなみ・・・。
「化粧」は礼儀作法を重んじている証・・・。
社会ルールを守った大人を意味する。
だから「化粧」した顔は「公共的」な顔だという。
 逆に、「化粧」の過程は「私的」なモノ。
人目にさらすのは、極めて恥ずかしい事とされてきた。
人前で「化粧」をする・・・。
それは「無礼」、「無作法」、「恥知らず」以外のナニモノでもない。
思いっきり、言い切ってる・・・。

  • 教育

 この方は、教育が必要じゃないか?と言ってる。
一種の教育として、若者に「化粧」の意味を教える。
自らの「化粧」を省みる機会を作る。
研究者として、この問題に取り組んでいるそうな・・・。
 至極ごもっともだと思った。
モノゴトの背景を知るのは、いい事だと思う。
何ごとも、”何故?”って考える機会はすんごく減ってる。
現代人はどうしても目の前にある雑多な事に追われまくっちゃう。
その由来だとか、背景とか、関係ないんである。
そんなゆとりはない・・・。

  • 仏メシ

 よく、仏メシのフルコースを思い出す。
1品、1品の素材を楽しみ、会話を堪能する・・・。
料理のウンチクなんかのたもうたりして・・・。
でも、それは成熟した大人の世界だべな。
ゆとりがなきゃ出来ない。
 ゆとりのないヒトには苦痛でしかないべ・・・。
目の前にあるモンは、片っ端からほおばりたい。
クチに入りゃ何でもいい。
ヘタすりゃ、手掴みだったりして・・・。
 前出の方は若者に「化粧」の意味を教育したいとか・・・。
気持ちはわかる。
研究者として、コースを彩る珠玉の1品を用意したい。
でも、きっと手掴みで喰われちゃうべな・・・。
 現代人がもうちょっとゆとりがあればねえ・・・。
豊かな心の教育を受けてればねえ・・・。
せめて、最低でもテーブルマナーっくらい躾けてもらえてればねえ・・・。
残念っ!

  • 「壁紙」

 この助教授さん、うまい事を言ってた。
電車内で「化粧」を見ると、何故不快になるのか?
それは、周囲にいるヒトビトが、「風景」か「壁紙」にされた気分になるから・・・。
つまり、ヒトとして意識されていないように感じるから・・・。
”そのとおりっ!”
まったく同感である。
 そこで、ふと気づいた。
電車内で「化粧」してるヒトも、実はわかってるかも・・・。
人前での「化粧」は「無礼」「無作法」だと思ってるかも・・・。
それは一応ジョーシキとして聞いてる・・・。
 でも、人前でなきゃ関係ないと思ってる。
自分的にはヒトとして意識しなきゃ、誰もいないのと同じ。
意識したヒトがいると「ヒトマエ」になっちゃう。
意識しなきゃ、ぜんぜん関係ないじゃん・・・。
こういう事かも・・・。

  • ヒトゴミ

 それって、あらゆる事に通じてるかも・・・。
こないだ、JR横浜駅の雑踏で気づいてしまったアレもそうだった。
眼からウロコの発見だった。
 このヒトビトは、明らかに周りをヒトとして意識してない。
だから道を空けるとかいう発想は生まれない。
ぶつかったって平気である。
まさにハトの群れの中を闊歩するがごとく・・・。
実は、ヒトゴミを形成してるのはヒトの形をしたゴミだった・・・。
 これが都会なんだべな・・・。
周りに気を遣ってたらたちまち疲れっちゃう。
そんなに神経をすり減らしてたら身体が持たない。
周りはすべて「壁紙」・・・。
んなるほど・・・。
これが、都会で生きて行くのに一番楽な方法なんだべか?

  • 日本代表

 飛躍して、サッカーにも通じる気がした・・・。
ふと、思った。
緒戦の「日本:オーストラリア戦」
久々に真剣モードで試合を観てしまった。
日本選手の個人能力はずいぶん向上した。
技術だけ見れば毛唐と遜色なかったかも・・・。
 でも、観ている内にヤな予感がモクモクと湧いてきた・・・。
何とも言えないコミュニケーションの悪さ!
みんなお互いに嫌いなんじゃないかってくらい・・・。
前半、まともに見えたのはディフェンス陣だけだった。
それもあっという間に綻びちゃったけど・・・。
 ひょっとして、日本選手って周りのヒトを意識するのが苦手・・・?
そんな気がした・・・。
サッカーは、ちょー高感度アンテナが必要なスポーツだべさ。
常に周囲の状況を五感で感じ取る競技だべさ。
ビビッと感じ合ってるって雰囲気じゃなかったなあ・・・。
現代日本人を象徴してたのかな・・・?
だとすると、今後勝てる見込みはどんどん薄れるべな・・・。