白石のマンションのこと

 日曜の午後から、白石のマンションに行った。
昔住んでいたマンションである。
引っ越してから、もう9年が経とうとしている。
早いモンである。
 日曜の地下鉄はガラガラだった。
札幌も理解不能なファッションの若い衆が多い。
ズボンのケツにうんこが溜まったようなカッコのにーちゃんもいる。
仮装大会かと思うような人形ファッションのねーちゃんもいる。
あと、男女とも共通して穴の空いたジーンズも多い。
 でも、内地の若い衆とちょっと違うなあ・・・。
何となく眼が違うんだよなあ・・・。
ちゃんと周りをヒトとして見てるのがわかる。
ここの若い衆はゴミになりきれてない。
どんなに突っ張ったカッコしてても、お年寄りには道を譲ったりする。
カッコが奇抜であればあるほど、可愛く見える・・・。

  • 「南郷通り」

 札幌市内の幹線道路の1つである。
毎年8月の「さっぽろマラソン」のコースにもなってた。
我が家の窓から選手が走るのが見えた。
道路沿いに「ニセアカシア」の並木が続き、いいムードである。
 大改修を終えたマンションの様子も見た。
住んでいた頃より、キレイになっちゃった。
ゴミステーションやロードヒーティングの工事も終わっていた。
管理組合に強力なリーダーシップを発揮するヒトがいてくれたお陰だ。
有難いこってある。
 天気は最高。
北海道特有の清んだ光があふれてる。
空気の色がとっても日本離れしてる。
内地にはない色だべや。
しっとりした芝生が眩しい。
ここで暮らすのも悪くないなあ・・・。

  • めんこ

 よく、お坊ちゃまと歩いたご近所を歩いた。
うろうろしてたら、お散歩中のワンコに出会った。
2頭の「シーズー」だった。
我々に気づいてシッポ振ってる。
 「あらあら、めんこだねえ・・・」
嫁さんがいきなりジモティになってる。
でも、ホントにめんこだった。
ぶんぶんシッポ振りながら寄ってくる。
くんくん臭いを嗅ぎながら飛びついてくる。
お坊ちゃまの臭いが残ってるんだべか・・・?
 しゃがむと膝に手をかけて顔を近づけてくる。
めっちゃ、可愛いっ!
「ヒトなつっこい子ですねえ・・・」
「ホントにさあ、この子はヒトが大好きなんだよねえ」
 柔らかな毛の感触・・・。
まん丸のどんぐりマナコ・・・。
思わず、こみ上げて来ちゃう・・・。
まお〜っ!

  • モモちゃん

 何で白石に来たんだべ?
よくわかんない・・・。
ま、マンション大改修の様子もちょろっと見たかった。
でも、それよりお坊ちゃまとの想い出を追いたかった。
姿を重ね合わせたかったってこったべな・・・。
 いつも散歩してた「サイクリングロード」にも行きたい。
芝生を駆け回った「エルム公園」にも寄りたい。
出来ればモモちゃんちも寄りたい・・・。
残念ながら、モモちゃんのばーちゃんは留守だった。
 モモちゃんはお坊ちゃまの恋人(犬)だった。
これが又、めんこだった。
お坊ちゃまと大の仲良しだった。
お似合いのカップルに見えた。
 一時は2世誕生の期待もあった。
でも果たせず・・・。
お坊ちゃまがこの街に引っ越した後、ガンになったと聞いた。
そして数年後に亡くなっちゃった。
モモちゃんのばーちゃんはすっごく辛そうだった。
元気にしてるべか・・・?

  • 「サイクリングロード」

 白石区自慢の施設である。
昔の「定山渓鉄道」の跡地だとか聞いたような気がする。
地下道や高架道を作ってあって一般道路とは1回も交わらない。
ノンストップで走れるチャリンコ専用道路だ。
 もちろんヒトもOK。
チャリンコは左側、ヒトは右側がルールである。
まったくクルマに邪魔されない贅沢な散歩道である。
どっちかって言うとワンコの散歩が一番多いかも・・・。
 我が家もそのクチだった。
白石に住んだ5年間、ほぼ毎日まおさんに行った。
ほとんど生活の一部だった。
春夏秋冬、「サイクリングロード」の顔が変わる。
 短い夏にはキレイな芝生を堪能する。
黄葉の時季は溜まった枯葉を踏み散らして歩く。
冬は新雪に埋まりながらウサギみたいに飛び跳ねたてた。
待ちに待った春はタンペペの綿毛を飛ばしながら・・・。
よく、くしゃみしてたっけ・・・。
 「サイクリングロード」から小さな公園へ・・・。
新しく出来た公園らしい。
「地下鉄白石駅」のすぐそばである。
真っ青な空にダケカンバの白い幹が映える。
いやあ〜、堪能した・・・。