グルメのこと11

  • パシリ

 我が家の近所に新しいお店が出来た。
ってゆ〜かあ、もう1ヶ月くらい前にオープンしたんだけど・・・。
”何が出来るんだべ・・・?”
まおさんの途中、いつも気になっていた。
出来上がったら「関西風お好み焼き」の店だった。
でも、この近辺はつらい景色なんだよなあ・・・。
自然に足を運ばなかった・・・。
 考えてみると、この街では「関西風」は珍しいかも・・・。
フツーの「鉄板焼き」とか、「炉端焼き」はある。
でも、「関西風」ってのは見覚えないなあ・・・。
 嫁さんちネットワークでも早速話題になったらしい。
「今度出来た店、行ってみた?」
「まだ、誰も行ってないのよね・・・」
「おタクのご近所じゃない。ちょっと様子見てきてよ」
ってな訳で、様子を見に行く事になった。
ま、パシリである・・・。

  • 七夕

 「お好み焼き」っと聞いて、去年の七夕祭りを思い出した。
このお店の出来た場所は、以前は駐車場だった。
七夕の期間中、この駐車場に露店が出てた。
「お好み焼き屋」である。
 閑静な住宅地のド真ん中である。
お祭りの喧騒ともずいぶん離れてる。
どう考えても、お客さんが集まると思えない。
せいぜい、祭りの帰りの通行人しか気づかないべや。
 最初、見たときにヘンだなあ〜っと思った。
こんな所で素人が露店なんか出すとややこしいべや・・・。
すぐに「ラピンチズク」が嗅ぎつけてくるべや・・・。
ショバ代がど〜の、落とし前がこ〜の・・・。
 っと思ったら、ちゃんと理由があった。
どうやら、ボーイスカウトの活動か何かでやってたらしい。
子ども達が不細工な「お好み焼き」を焼いてた。
一種のボランティアだべな。
これじゃ、「ラピンチズク」も手が出ない・・・。
趣味が高じて、仕事になっちゃったってことかな・・・?

  • 満席

 店の名前は「Kるり」
店内はカウンター4席、テーブル3卓、小上がり1卓。
我々が座ったらすべて満席になった。
なかなか盛況である。
 若夫婦らしきペアがかいがいしく働いてた。
さらに奥に妙齢の女性がお手伝いしてる。
若奥さんとよく似た造形である。
奥さんち実家の土地に、マスオさん状態で店を出したってとこかな・・・?
勝手な想像だけど・・・。
 テーブルの大半は鉄板が占めてる。
”ひょっとして自分で焼かなきゃいかんざき・・・?”
きっと、嫁さんは腱鞘炎で戦線離脱するべな・・・。
出番だ!
ヘボだの、ヘチマだの言われながら焼かなきゃいかんざき・・・。
っと思ったら、ちゃんとカウンターで兄ちゃんが焼いてくれた。
鉄板は冷めないように火を入れるだけだった。

  • メニュー

 大きく分けると「広島焼き」と「関西風お好み焼き」がある。
値段は、どれも大体千円弱。
あとはサイドメニューと、おにぎりやお茶漬け・・・。
これは大体500円近辺。
でも、つまみ系は「工事中」が多かった。
まだ、試運転中ってことかな・・・?
 まず、ビール。
残念ながら、当店は「キリン一番絞り」だった。
でも、不思議な事にヨソんちで飲むより美味かった。
何だべ?

  • 「関西風」

 つまみに【牛スジ煮込み】をオーダー。
見事な薄味で、これぞ「関西風」って味付けだった。
煮込み系が不得手な嫁さんでもつまんでたくらいである。
十分に合格点だったんじゃないべか?
 もう1品、【タタミイワシと水菜のサラダ】をオーダー。
美味かった
これも薄味である。
嫁さんの分析によると、「タタミイワシ」がミソなんだとか・・・。
通常、ジャコを炒って使う。
でも、あれはしょっぱいし、油っこい・・・。
「タタミイワシ」は塩も油ッ気もないのでさっぱり出来る。
しかも、ドレッシングもさっぱりシソ風味だった。
合格である。

  • アレンジ

 肝心のお好み焼きは2種類オーダー。
1つは【ミックス広島焼き】
実はヤキソバとお好み焼きの合体したヤツは初めて喰った。
かねてから密かに”邪道じゃあっ”っと思ってた。
 でも、ま、美味かった。
正統派「ヲタフクソース」で味付けされてる。
きっと、「関西風」ではお約束なんだべ・・・?
テーブルにもちゃんと「ヲタフクソース」が置いてある。
 いつもの「お好み焼き」とは随分違う。
何より、甘い!
でも、グルタミン酸のヘンな甘さじゃあない。
正真正銘の甘さである。
ちょっと七味唐辛子なんかつけて喰ったりして・・・。
めっかったら、怒られるかな・・・?
 もう1つは【ヤマイモ系の醤油味お好み焼き】
嫁さんが、若奥さんにオススメを訊いた結果である。
「さっぱりしたのがいいんだけど・・・」
「でしたら、これがかなりさっぱりしてます・・・」
 ホンットに、かなりさっぱりだった。
「お好み焼き」である事を忘れるくらい・・・。
ちょっとアレンジした。
嫁さんは「ヲタフクソース」をかけて喰ってる。
意味ないじゃん・・・。
 テーブルには「青海苔」や「削り節」が置いてあった。
「削り節」と醤油をかけて喰ってみた。
イケる!
「ネコマンマ風お好み焼き」になった・・・。
めっかったら、怒られるかな・・・?

  • 分業

 さて、どうするか?
腹いっぱいってほどじゃない・・・。
ちょっとメシ粒を喰いたいなあ・・・。
ってんで、【焼きおにぎり】と【みそ汁セット】を頼んだ。
嫁さんは【みそ汁】パスだと言う。
さすが、読んでる・・・。
 【焼きおにぎり】は美味かった。
見てたらカウンターの鉄板で大振りのおにぎりを焼いてた。
味付けはやっぱ、関西風である。
良くある、やたらしょっぱいおにぎりじゃなかった。
 問題は【みそ汁】だった。
これは明らかにジモティの味だった。
多分、分業してるんだべ・・・。
”【みそ汁】と【漬物】はお母さんの分担”とか言って・・・。
とっても飲めるしょっぱさじゃなかった。
でもなあ・・・。
丸々、残したらキズつくよなあ・・・。
ご近所だしなあ・・・。
水と合わせワザで、何とか微妙な線まで飲んだ。
やれやれ・・・。