まおの食欲の雑感94

 「夕べ、まおちゃんの夢を見たの・・・」
唐突に嫁さんが言い出した。
「ふう〜ん」
何とも言いようがない・・・。
「まおちゃんが亡くなってから、初めて夢を見たの・・・」
「へえ〜・・・」
嫁さんがお坊ちゃまの夢を見ないかと問う・・・。
「何か、しょっちゅう見てるような、見てないような・・・」
 実感である。
あれ以来、どうもフワフワしてる。
夢か、うつつか、マボロシか・・・?
「MS・Windows-XP」の終了画面みたい・・・。
 この環境では致し方ないべや。
何も環境が変わった訳じゃないし・・・。
いくら、関連グッズを全部処分しても無理だべさ。
ポカ〜ンと大きな穴が空いたまんま。
いかにお坊ちゃまが生活の一部になっていたか・・・。

  • 外出

 なるべく家にいない。
これが一番の対症療法である。
その場しのぎとは言え、効果はある。
平日は会社に行って仕事のフリしてれば気が紛れる。
そこそこ忙しかったりすれば、更なり。
その間はアタマから離れてる。
歩いて近所まで帰って来るまでは・・・。
 嫁さんは外で仕事のフリって訳にゃいかんざき。
掃除や洗濯は、どうしても家である。
それでも、何とかスポーツクラブには逃げられる。
「イナバウア〜整骨院」にも逃げられる。
ホントは晩メシも全部外食なら、もっと逃げられるんだけど・・・。
若干1名、「グルタミン恐怖症」がネックである。

  • 根本治療

 「犬傷炎」の根本治療ってあるんだべか?
薬は「ジカンマイシン」だけ・・・。
っと思っていたけど、ぜんぜん効かんべや。
何も変わってないような気がする。
 ベッドに入れば毎日お坊ちゃまの姿が浮かぶ・・・。
風呂の掃除しても思い出す・・・。
洗面台の沐浴・・・。
カリントウを流したトイレ・・・。
定位置のマッサージ・チェア・・・。
気分転換のカウチ・・・。
日向ぼっこの出窓・・・。
・・・・・・・・。

  • 心残り

 ヤな記事を読んだ。

笑いは心を放つけれど、涙は心を閉じこめ、残す。
悲しい出来事は、それに直面した人のなかに、固い塊を残していく。
それが心残りである。
ああすればよかった、どうしてこうしてあげなかったのか、と自分を責める。

 ズキッときた。
まさにその通りだべさ・・・。
ずっとこんな想いが渦巻いてる。
ホントに出来る限りの事をしてやれたのか・・・?
もっと、他の方法は無かったのか・・・?
この繰り返しだべさ。
 「親孝行、したい時には親は無し」
これって、そう言う事なんだべなあ・・・。
でも、現実は難しいべな。
きっとキリが無いんだと思う・・・。
どんな状況でも、もっと何か出来たんじゃないか・・・?
って思うんだべな・・・。
ま、自然体で出来るだけの事はしたいね・・・。