まおの食欲の雑感92

  • 作戦会議

 沼津からの帰りも予想外に空いてた。
日曜日とは思えないような空き具合だった。
「あの石屋は、もう一度突っついた方がいいかもね」
「うん。危ないね」
「次の『月命日』っくらいまでには何とかなるんだべか?」
「ホントはそれっくらいで確認出来るといいけどね・・・」
我が家のことである。
我が家でバンバンしないと・・・。
 「造花も買った方がいいかもね」
「そう言えば、周りの墓はほとんど造花だったなあ・・・」
最近はゴミの問題が大きくなってるらしい。
生花は禁止ってえところまであるという。
そこまで行かないまでも、ゴミは全てお持ち帰りとか・・・・。
世知辛いなあ・・・。
ま、来週あたり一度電話してみるべ。

  • カラ咳

 どうも風邪がぶり返したらしい。
ギリシャ旅行で感染されたヤツである。
くっそぉ〜、ヒゲオヤジめ〜。
ギリシャから夜中に帰って来て、2日間仕事のフリして・・・。
1日で荷物片付けて、翌日は「納骨」だった。
結構、バタバタだった。
 やっと落ち着いたと思ったら、気が抜けた。
妙にノドが痛くなって来た。
やたらにカラ咳が出る・・・。
さぞ、周りのヒトは不快だんべなあ・・・。
 ふと、思った。
お坊ちゃまの咳は秋口から出始めた。
かれこれ半年間も続いた。
ほとんど止まってる事が無かった気がする・・・。
ホントは辛かったべなあ・・・。
 しんどいとも何とも言わない。
辛そうな顔もしない。
いつ見ても可愛い顔しかしてなかった。
可哀相だったなあ・・・。
・・・・・・・・・。

  • 手紙

 帰宅すると「カサブランカ」の香りが・・・。
嫁さんのお友達のお心遣いを分けた。
「トルコキキョウ」なんかはお墓に活けた。
そして「カサブランカ」は部屋に飾らせてもらった。
この香りも強烈な想い出になりそうだ。
 嫁さんが晩メシの仕度をしながら言った。
「沼津のば〜ばからもらった『お花代』に手紙が入ってたの・・・」
「ん?」
見るとテーブルの上にメモが置いてあった。

マオ、長い間有難う。
お父さん、お母さん達がお出掛けの時は、何時も、おババとお留守番してた時が一番楽しかった。
嬉しかった。
マオとの思い出いっぱい有難う。
おババ、仕合せでした。
マオ、有難う。
やすらかに・・・・・・。

・・・・・・・・・・。
もう、たまらない・・・。

  • 写真立て

 ギリシャの土産に買って来た写真立て。
名刺っくらいのサイズの小物である。
如何にもエーゲ海っぽいデザインが良かった。
嫁さんのお友達への土産だった。
が、1つだけ我が家のモノになった。
 嫁さんが写真を切って入れてる。
もちろん、お坊ちゃまの写真である。
ほ〜〜〜っ。
”そんな事が出来るようになったんだ・・・。”
っと思いつつ眺めてた。
案外、女性の方が精神的に逞しいと言われる。
そ〜かも・・・。
 アタマの片隅には写真の整理って意識はある。
でも、しばらく手が着かないべなあ・・・。
とってもじゃ無いけど写真を見る勇気が無い。
写真はヤマのようにある。
四季折々の風景がある。
お坊ちゃまは衣装持ちだった。
いろんなファッションの写真がある・・・。
・・・・・・・・・・。
我が家のオトコは、からっきしダメだあね・・・。