イタメシ屋の雑感Ⅹ

  • 初十一日

 ってえのがあるのかどうか知らないけど・・・。
今日もお坊ちゃまの供養をした。
「ジカンマイシン」は効きが悪いし・・・。
何度でもやってやる!
 ってんで、どっか目新しいところはないモンか?
ないなあ・・・。
いつもながらアタマの中は真っ白。
いつもながら嫁さんからの提案を待つ・・・。
う〜〜〜ん・・・。
遂に空雑巾を絞るがごとくアイデアが出た。
 「ジョルノ・エ・ノッテ」
まずまず本格的なイタメシ屋である。
そう言えば、しばらく行ってなかったなあ・・・。
「何でしばらく行ってなかったんだっけ?」
「値段のわりに喰った気がしないって言ってたわよ・・・」
そっか・・・。

  • リニューアル

 店に入ると貸し切り状態だった。
にもかかわらず、ちょとタバコの臭いが・・・。
”ひょっとして店のニンゲンが吸うのか・・・?”
一瞬、迷ったけど思いとどまった。
他にアテはない。
シーリングファンの真下の席に座った。
ここなら、周りにタバコ吸う輩が来ても大丈夫だべ。
 ずいぶんメニューがリニューアルされていた。
アンティパストがえりゃあ増えてる。
「Toda's catch」みたいな張り紙もある。
今日は地場の「生シラス」がオススメと書いてある。
パスタやピザのメニューも変わった。
ちょっとしたセットモノも出来てる。
ずいぶん、庶民的雰囲気に模様替えした。
企業努力の跡が見える。
たまにはのぞいてみるモンである。

 今日は少し汗をかいてきた。
相変らずのヘボテニスだけど、先週よりはマシだった。
まず、生ビール。
エビスの生だった。
ちょっとこってり系だけど、ま、許せる。
とりあえず献杯
もう何回、献杯したかわかんないけど・・・。
早く、「ちっくしょ〜っ!」って言って飲めるようになりたいねえ・・・。
 メニューが豊富なので選択に迷う。
あれも喰いたい、これも喰ってみたい・・・。
アンティパストは8種類から選べる。
お好きなモノを「3点盛り」か「5点盛り」に出来る。
見てると8種類全部喰ってみたい。
 結局、「3点盛り」と「5点盛り」を両方頼んだ。
更に、「生シラス」と「サラダ」も喰いてゃあ・・・。
ネがイヤシい・・・。
お坊ちゃまとおんなじである。

  • アンティパスト

 まずはアンティパスト8種から・・・。

【トマトとタラバガニのブルスケッタ
ルッコラのスモークサーモン巻き】
【彩野菜のラタトュユ】
【イイダコのブツ切りのマリネ】
【鯖のジョルノ風タツタ】
【カプレーゼ(トマトとモッツァレラ)】
【オリジナルスモークチキンとキノコのマリネ】
 イケる!
どれもこれも美味い!
全体に薄味で、素材の味がちゃんとわかる。
ここんちはオリーブオイルが上等と見える。
後味がヨソとはぜんぜん違う。
まるで、イタメシ屋みたいである・・・。
 気になってた「Today's catch」も頼んだ。
【生シラスの洋風小鉢】
これも美味かったあ〜っ!
「生シラス」をオリーブオイルと醤油で味付け。
きざみ海苔とワケギをトッピング。
イケる!
お代わりしたいっくらいだった。

  • プリモピアット

 何故かシェフが出てきた。
「『生シラス』どうですか?」
「こりゃあ、美味い!」
「今朝取れなんですよ。新鮮ですから・・・」
「最高だあね」
「もし、ナマがお好きでしたら鯖と鯵の〆たのがあるんですが・・・」
「あ、それ下さい・・・」
 成り行き上、それ以外に言いようがないべな・・・。
プリモピアットかな・・・?

新鮮な【サバとアジのカルパッチョ】が出てきた。
軽く〆た切り身にオリーブオイルとワケギが振ってある。
オススメするだけの事はある。
美味かった!
ビールが進んじゃう・・・。
値段が幾らだかわかんないけど・・・。
 【キノコの和風サラダ】もオーダー。
やっぱ、葉っぱはどうしても喰いてゃあ。
散々悩んだ末にこれを選んだ。
サラダの勝負は鮮度とドレッシングだべさ。
イケてた。
見事な「イタリアン和風ドレッシング」だった。

  • セコンドピアット

 ここんちのトマトソースはいいっ!
ハーブが利いて、何とも締まったいい味である。
やっぱ1つはトマトソースパスタが喰いてゃあ。
「アラビアータ」「ナスとツナ」「ボンゴレ・ロッソ」・・・。
目移りしちゃう。
 おっ!
「オリジナル・オーダー」ってのがある。
如何ようにでもお好み通りってヤツですか?

【ナスとベーコンのトマトソース】をオーダー。
でも、オーダーしといて言うのもナンだけど・・・これはイマイチだった。
ズッキーニが入ってて、妙に水っぽい。
せっかくトマトソースが美味いのに・・・残念!
揚げナスとベーコンだけの方が良かったかも・・・。
 もう1品は【アンチョビとキャベツのペペロンチーノ】
何とこれがセットメニューだった。
「オリジナルサラダ」「ガーリックトースト」「ドルチェ」付きで千円。
こいつはイケてた。
新鮮なキャベツがめっちゃ甘い!
アンチョビと鷹の爪とガーリックと薄塩の絶妙なバランス。
美味いっ!
これは近来では大ヒットだった。

  • コントレロ

 本格イタメシなら、ここで温野菜ってか?
もう喰えねえ!
たらふく喰っちまっただあ〜。
全体に薄くてデリケートな味付けは健在だった。
見たっくれだけ庶民的になって、この内容は悪くない。
 パスタを待ってる間に又、シェフが出てきた。
何か小鉢を持ってる。
「これ、小女子ですけど、良かったら・・・」
見ると【小女子のちりめん仕立て】みたいな・・・。
え?
いいの?
そんな親切な・・・。
 嫁さんに訊く。
「そんなに顔馴染みなの?」
嫁さんもそんなはずは無いという。
ってえことは、シェフが誰かと間違ってるんかな・・・?
ま、いっか!
有難く、ちょうだいした。
 お代は締めて約8千円。
この内容なら決して高くないかも・・・。
今夜もお坊ちゃまの供養になったかなあ・・・?
お坊ちゃまの声が聞こえるようだべさ。
”てんめえ〜、また自分たちばっかり・・・”