「おもしろい話」のこと

  • メルマガ

 我が家に届くメルマガもずいぶん数が減った。
厳しい査定によって厳選された結果である。
楽しみにしてるのも幾つかある。
 お気に入りの1つは「Mネックス証券」である。
ウィークデイは社長の「松本太のつぶやき」が楽しみ。
週末はいつも「工藤取締役」のコーナーを楽しみにしていた。
でも、「工藤取締役」のコーナーは年末で終わってしまった・・・。
残念!
って言えば「残念!」のおじさんはどこへ行っちゃったんだべ・・?
 代わりに「底辺のささやき・・・」ってえのが始まった。
去年の新入社員が担当してるらしい。
一生懸命さが漂ってて、それはそれで面白い。
よく出来た新人である。
ウチの会社なんかじゃ想像も出来ない。
若い、風通しの良さを感じさせる良い企画だと思う。

  • 入社試験

 遥か記憶の彼方の話だけど・・・。
新入社員にはまだまだ新鮮な記憶なんだべな。

 就職活動をしていた頃、ある企業のグループ面接で、「それでは1人30秒ずつ、最近一番おもしろかった話をしてください」と言われたことがありました。普段、友人と会えば自然とバカ話をして笑い合えるものですが、緊張した状態で、初対面の人々の前でおもしろい話をするというのはかなりの難題です。その時は焦れば焦るほど何のエピソードも思い浮かばず、それこそ「頭が真っ白」状態になってしまいました。

 面接官は、ある意味追い詰められた状況で、学生がどのような態度を取るのかを見ていたのだと思います。人を笑わせられるようなおもしろい話は、余裕がないとできないものです。話の内容がおもしろくても、話している人の緊張が伝わってしまって笑えないこともあります。

 真剣に何かに取り組むことはもちろん大切ですが、そのような中でも余裕がある人がいると、まわりの人も和み、安心できる気がします。このコーナーの締め切りに追い詰められて余裕がなくなる自分には遠い道のりですが、少しずつ成長していけたらと思います。

 う〜〜ん。
恐るべし・・・。
多分、この新入社員はわかってるんだべ。
「型破り」は一度、型を極めたヒトでなきゃ出来ない。

  • 「ばっくん」

 このヒトがナニモノか、わかってなかった。
実はコメディアンだったんだ・・・。
妙に日本語が上手い毛唐だと思ってた。
本名は「バトリック・ハーラン」
70年米国生まれ。
大学卒業後に来日したって言うから、日本語は後から覚えたんだべ。
大したモンである。
 旭新聞の生活欄にちょっとした記事が載ってた。
内容は、日本人の生き方みたいな・・・。
日本人はまじめだけど遊びがちょっと少ない。
ちょっともったいないかもしれない。
仕事でも遊びでも、人生は楽しいものであるはず。
周りをそこまできにせず、もっと気楽に、自由に・・・。
自分ならではの生き方で生きられるともっと充実するのでは?
そりゃ、そうなんだけどね・・・。

  • 帰国

 「ばっくん」は来日して12年になる。
ずいぶん「出る杭は打たれる精神」に侵されて来たようだ。
帰国するとアメリカのストライクゾーンの広さにびっくりするとか。
 先日の米国内線の機中での副機長のアナウンス。

「ポン!シートベルトは緩まないようしっかり締めて下さい。下っ腹のお肉に喰い込むくらいでちょうどいいのです」

 乗客がざわめきだした。

「荷物は前の座席の下、または頭上の棚にしまって下さい。なお、上に入れるものは20㌔または4歳までとなっています」

 乗客の上機嫌の笑い声が聞こえてくる。

「携帯電話を持っている方は必ず電源をお切り下さい。機長のペースメーカーが心配です」

 機内はライブ会場と化したそうだ。

「シートベルトのサインが消えました。どうぞご自由になさって下さい。本日は空席もあるので、窓際の席が空いていたら、どうぞ移動して下さい。ライバル航空会社から満席に見られるよう、ご協力お願いします」

 ほとんどフリートークショーである。

「ご存知の通り、弊社は今、倒産中ですので、こうした戦略をとっています。もう1つ、赤字対策として、誰かクレジットカードを貸していただけますか?」

 「ばっくん」も弟子入りしたかったとか・・・。

  • 「笑い」

 「笑い」を取るってえのは大変である。
仕事中、会議中、常に狙ってる積りだけど・・・なかなか難しい。
「笑い」と「ふざけてる」は紙一重である。
「笑い」が「型破り」と思ってもらえないと眼も当てられない。
「あの野郎、ふざけやがって!」になっちゃう。
 「ばっくん」も笑いながら思ったそうだ。
”仕事でそんなにふざけちゃダメだろう”
12年もいると日本人マインドが染み付いちゃうんだべね。
日本人はまじめ、丁寧、安心出来る・・・。
なあ〜んてえのは昔の話である。
それが許されるのは型を極めようとしている途上のごく一部のヒトだけ。
一生懸命でまだ余裕が無いんだよって言える。
 今は日本人らしい日本人なんていなくなった。
職人気質なんて絶滅危惧種だべさ。
型を極める気概もないヒトはせめて「笑い」っくらい取れよって。
はい、頑張ります!
っとは言え、日本の社会では結構リスキーではある・・・。