ユートピアのこと１８
- 決算
２月も今日で終わり。
平成１７年度も最終コーナーを回った。
最後の追い込みである。
そろそろあっちこっちで道路の掘り起こしが始まるべ。
納品業者には一斉に予算消化の注文が出る。
「民」にとっては「特需」である。
「おで〜かん様、ホンにありがてえこって・・・」
「うむ、わかっておろうな・・・」
「もちろんでございますです。これはほんのお印で・・・」
「ほう、菓子か・・・？」
「へい、山吹色の饅頭で・・・」
「さようか、饅頭は好物じゃ・・・」
ホンットにいい国である。
- 決算報告書
「民」は決算報告書を出す。
出さなきゃなんない。
最近は外国人投資家が増えた。
どこの会社も大株主に外資が並んでる。
やっぱ毛唐は細っけえ。
いろいろうるさい。
以前ほどテキトウに出来なくなっちゃった。
そこへ行くと、「官」はテキトウである。
とりあえず帳尻があってるように見えればOK。
何でもありである。
只でさえナントカ手当てでジャブジャブ・・・。
スーツでもパソコンでも何でも自主的に支給しちゃう。
更にカラ出張・カラ残業で裏ガネを作り放題。
プールしたカネでしゅっちゅう大宴会。
誰も咎めるヤツもいない・・・。
まさにユートピア。
- 監査報告書
決算報告書にはこれが必要。
「民」は必ずどっかの監査法人と契約する。
最近は監査法人も楽じゃなくなった。
毛唐をはじめ、うるさいヤツが増えた。
更に始末が悪いのは内部告発。
絶対に監査法人しか知らないような不祥事がバレる。
困るんだよねえ・・・。
立場無いんだよねえ・・・。
矛先は必ず監査法人に向かってくる。
「何を見てたんだよ〜！」
カネポウしかり、西部鉄道しかり・・・。
たまらんよなあ・・・。
監査法人だって客商売である。
契約企業の言うとおりにするに決まってんじゃん。
今まではハンコ押すだけで良かったのに・・・。
- 「港陽」
聞いたことないなあ・・・。
横浜の監査法人なんだそうだ。
何でも「ライプドア」グループの監査を引き受けていたそうだ。
もちろん他にも有名な企業の監査も受けてる。
どっちかと言うと、ベンチャー系が得意らしい。
顧客にカタカナの会社が並んでる。
この港陽監査法人も家宅捜索を受けた。
例の「ライプドア事件」である。
このとばっちりがあっちこっちに飛んでるらしい。
「捜査協力に追われて、監査の継続が困難になった」
こんな通知が各社に届いてる。
さあ、困った。
決算時期も近い。
「民」は大変である。
能天気な国策捜査はこんなところまで影響を受ける。
- 大手監査法人
困った各社は他の監査法人に粉かけた。
さすがに上場企業は大手に頼みたい。
「新日木」「トーマヅ」「あづさ」などに申し込んだ。
でも、軒並み断わられた。
今は監査法人も受難の時代。
「仲央青山」みたいになりたくない。
あべっと思う会社は引き受けたくないのが本音だべな。
「急に問題が起きたから大手に頼む、といわれても身勝手ではないか。
監査法人だけでも１６０もあり、個人事務所もある」
えっらそ〜に・・・。
コバンザメの分際で・・・。
そう言えば、国営の監査法人があったような・・・。
こう言う非常事態なんだから引き受けてあげたらどーなんだべ？
でも、何せユートピア専用だからなあ・・・。
「へ？監査ってどうやるの？」
っとか言いそう・・・。
