ユートピアの雑感18

  • 船舶免許

 実は船の免許を持っている。
船とは言ってもモーターボートである。
免許を取った時は「4級小型船舶」とか言ってた。
5㌧、5海里って制限があった。
これはモーターボートで陸地が見える範囲ならOKって免許だった。
 平成15年に法改正があった。
ま、一種の規制緩和と言う事になってる。
自動的に「2級小型船舶操縦士」に格上げされた。
これで20㌧未満の船なら何でも乗れる。
しかも実技免除で1級も取れますって宣伝してる。
要するに手数料稼ぎだべさ。
 水上バイクも狙われた。
「特殊小型船舶操縦士」免許ってのが必要になった。
こっちは若い衆に人気があるから狙い目。
胴元は「日本海洋レジャー安全・振興協会」っとか言ってた。
いつの間にか、こんな隠れ蓑の名前に・・・。
−「お客様」
 免許を取ったのは20年前。
ひょえ〜〜っ!
もう20年も昔だったんだ。
まだ、営業で栃木県を担当してる頃だった。
栃木県は海なし県である。
んなのに、何故船の免許が取れるのか?
 取れるのである。
中禅寺湖っという大きな湖がある。
ここに通って実技講習とかを受けた。
そして試験にチャレンジした。
 当時はなかなか楽じゃなかった。
講習や試験を一手に仕切る団体があった。
そう、有名な「一日緒一膳」の天下り団体である。
費用は安くなかった。
当時でも10万円くらいかかったような気がする。
にもかかわらず、ちっとも「お客様」扱いじゃなかった。
えりゃあ、体育会系でビシビシ怒鳴られる。
試験前は悪夢にうなされたほどである。

  • 動機

 海なし県に住んでて何故、船舶免許か?
何せ、若かった。
いろんな事に意欲満々だった。
当時、実家のあった沼津の知り合いが船を持ってた。
プレジャーボートってヤツである。
 夏は週末になるとちょいちょい出掛けた。
夜中に東北道・首都高・東名と吹っ飛ばして沼津へ。
翌朝、ボートで駿河湾に出航。
あっちこっちの磯に寄ったり、海岸に上陸したり・・・。
散々、遊んで又、夜中に栃木まで帰った。
元気だったよなあ・・・。
 沖合いに出ると良くボートを運転した。
それはアリなのである。
免許を持ってるヒトが同乗してればOKなのである。
でも、やっぱ自分でも免許が欲しくなった。
 将来は船も持ちたい。
船着場のある海辺に住むのもいいなあ・・・。
魚介類と農作物に不自由しない生活もいい・・・。
自給自足の生活も夢じゃないべや。
若いって事は・・・。

  • ペーパー

 免許、取ってから20年。
一回もボートを運転していない。
まったくのペーパー船舶操縦士である。
月日は百代の過客にして・・・。
あの夢はどこへ行っちゃったんだべ・・・?
きっと、枯野を駆け巡ってんだべなあ・・・。
 今日は、免許の更新講習を受けて来た。
会場はこの街の商工会議所。
何と我が家から歩いて3分である。
いつも「まおさん」で前を通ってる場所である。
便利である。
 時間は13:30から。
午前中のゴールデンタイムにテニスのレッスン。
12:00に帰って来て、簡単に昼メシ。
その後、ぼちぼち歩いて行くとちょうどいい昼寝の時間に・・・。
つくづく便利な場所に住んでると痛感する・・・。

  • 舩舶振興会

 「お父さん、お母さんを大切に!」
「一日一膳!」
昔、よくこんなテレビCMが流れていた。
悪代官役がぴったし似合いそうなオッサンが出てた。
子ども達に囲まれて不気味なバランスだった。
有名な「日本舩舶振興会」である。
 日本の船関係のユートピアはここが一手に握ってる。
有名なドンがいた。
当時は運輸省と、この財団法人と、ボートメーカーでガッツリ・・・。
それに各地のマリーナとかボート小売店がぶら下がる。
ボート免許関係はガッツリと押さえられてた。
見事な「政」「官」「民」の三位一体である。
 今回の更新手続きに12,000円かかった。
この街のマリーナで支払った。
今まで4回更新したけど、更新のたびに手数料が値上がりしてる。
最初は8千円だった。
次が1万円。
前回、この街のマリーナで更新した時は11,000円だった。
こいつらデフレって言葉、知らないんだべか?

  • 更新講習

 受付に行くと、受講番号を告げられた。
「視力検査をしてから席について下さい」
視力検査のオッサンのところに行くとイスに座るように言われた。
「受講番号とお名前をお願いします」
「浅田まお、15歳です!」
っとは言わなかったけど・・・。
 「この5年間で何か大病とか、された事はありますか?」
「ごぜえませんだ・・・」
「視力検査しましょう」
視力は何とかパスした。
 講義の始めに説明があった。
免許の更新では「視力」「聴力」「身体能力」の検査が必要だそうだ。
そして総合的な「健康状態」もチェックするとか・・・。
「皆さんはすでに全部終わりました」
「へ?」
ま、い〜んだけどね・・・。
 講義は時間の都合でポイントだけという事だった。
誰の時間の都合だかわかんないけど・・・。
ざっと30分くらいしゃべってビデオを20分見せられた。
合計1時間でおしまい。
これが時給12,000円の講習である。
クルマの免許の2倍以上だべさ。
そりゃ、やめられまへんなあ・・・。