まおの食欲の雑感67

  • ご馳走

 ここんところ、お坊ちゃまは好調である。
先週の通院でも成績優秀だった。
咳もほとんど出ない。
血液検査もそれほど悪くない。
「BUN」が50程度と依然として高めではある。
 「これなら点滴も不要でしょう・・・」
「ドクターF沢」も腑に落ちない顔だったらしい。
っかしいなあ・・・?
何で改善したのかなあ・・・?
ドクターが首を傾げる様子が目に浮かぶ。
 嫁さんが肉野菜炒めを作った。
お坊ちゃまは往年の勢いで一気に喰った。
すんごい進歩である。
自分でメシを喰うようになるなんて・・・。
先週の様子を見てたら信じ難い。

  • まおさん

 土・日と2日連続まおさんに行った。
それも遠足とも言えるような長距離である。
往年の頃なら15分っくらいで周ったコースである。
今はほぼ2〜3倍の時間がかかる。
ニンゲンは腰が痛くなっちゃう。
 スタートは好調なんだけどなあ・・・。
勢い良く飛び出して行く。
きっと途中でバテるからと思ってショートカットに誘導する。
ところがどっこい・・・。
お坊ちゃまはガンとして譲らない。
4輪駆動で踏ん張って遠くに行きたがる。
誰に似たんだか、めっちゃ頑固である。

  • 筋力

 先週あたりと較べると格段に元気が出て来た。
筋肉も少しずつ戻って来たような気がする。
ガリガリだった腰骨に少し丸みがついて来たような・・・。
あんだけ踏ん張るんだから大したモンだ。
確実にチカラが戻ってる。
これも「イフ」ペンダントのパワーだべか?
 でも、やっぱ長距離はバテる。
牛歩になる。
通行人から声がかかる。
「頑張れ!頑張れ!」
「よいしょ!よいしょ!」
有難いような、気恥ずかしいような・・・。

  • 面影

 もったらもったら牛歩で歩いてると結構目立つ。
いろんなヒトから声をかけられる。
「ま、何て可愛いワンちゃんなんでしょ!」
なあ〜んてお公家様みたいなヒトもいる。
「やだぁ、か〜わいいいい!」
いきなり抱きつくヒトもいる。
 温和そうな老夫婦がお坊ちゃまをのぞき込んだ。
「やっぱり、そっくりだわ。ねえ、お父さん」
「うん、うん。ホントだ」
自分ちのワンコにそっくりという事らしい。
 「お幾つなんですか?」
「もう14歳で、おじ〜ちゃんなんですよ」
っと答えた。
「あら、14歳なの?ウチの子も14歳でねえ・・・」
ご婦人がしゃがみ込んでお坊ちゃまを撫で回す。
「ウチの子は心臓が悪くってねえ・・・」
両手でお坊ちゃまの顔を挟んでしみじみと見ている。
「そ〜なの?14歳なの?頑張ってるんだねえ・・・」
お坊ちゃま、なすがまま・・・。
「ね、元気で頑張るのよ・・・」
老夫婦はしみじみしながら去って行った。
そ、頑張るっきゃない!