ユートピアのこと16

  • 官製談合

 暦の上に春が立った。
生き物が一斉に蠢き始める。
何となく動きたくなるのかも・・・。
つられる様に又、「モグラ叩き」が始まった。
 連日、防衛私設庁が取り沙汰されてる。
ついこないだは某営庁じゃなかったべか・・・?
こんな事、ほじってもキリが無い。
そもそも誰も悪い事って意識がないべや。
 談合は究極のワークシェアリングと言ったオッサンがいた。
日本の美しい文化だとか・・・。
昔っから「和を以って尊しとなす」って言うべや。
「魚心あれば水心」とかも言う。
 「私製」も「官製」もある。
ハガキとおんなじだべさ。
ちゃんと世間に認知されてるんだべさ。
今回は新聞もテレビも「官製」だって言ってる。
切手は貼らなくってもいいんだべ。

  • 三位一体

 何てったって「官」は太っ腹である。
幾らでもジャブジャブ大金を使ってくれる。
どうせ、国民の税金である。
金銭感覚がまったく違う。
 「民」はガッツリ潤う。
工事は下請け・孫請けに丸投げ。
下請けや孫請けはめっちゃ叩かれるけど、それでもやっぱりガッツリ潤う。
天下りOB養うなんてオチャノコ。
許可権者にも十二分なお礼が出来る。
 「政」は左団扇である。
ちょっとアゴを動かすだけで、山吹色の菓子が届く。
越後屋〜っ、おぬしもアクじゃのう〜、ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ・・・」
美しい日本の文化は脈々と生きてる。
見事な「政」「官」「民」三位一体だべさ。

  • 業界体質

 たまたま仕事でこの業界の端っこと接点がある。
彼らが最初にやる事は施主の接待である。
誰が一番権限を握っているのか臆面も無く訊ねて来る。
「私製談合」は大っぴらに行われる。
人生皆兄弟である。
 何よりびっくりしたのはその金銭感覚。
事業所の守衛所を造った。
定員1名、トイレ・洗面台付き、3坪くらいかな・・・。
お代は1千万円だった・・・。
紫檀か黒檀の床柱でもあるのかと思ったけど、無かった。
 隣の敷地との境にフェンスを作った。
約50mくらいで、高さは1.5mの金網のフェンスである。
こちらは750万円だった・・・。
思わず、ジュラルミンかチタンで作ったのかと思ったけど、テツだった。

  • 結束

 ここんとこ東京地検特捜部が出張ってる。
何だか知らんけど捜査してる。
天下りOBが受注の「配分表」を渡したとか・・・。
ナンとか容疑者とか書いてある。
まるで悪いことでもしてるみたいな扱いである。
 ゼネコンと言えば癒着だべさ。
この業界にそれ以外の何がある?
業界と監督官庁全体に強固な人間関係が出来上がってる。
こんなに結束の固い業界も珍しいべや。
美しいじゃあ〜りませんか?
 ワークシェアリングで各社仲良く利益を貪る。
しっかりした利益構造が出来上がっている。
経営体質も強固だべさ。
「アネハ」のマンションみたいに鉄筋は省いても大丈夫。
「政」と「官」の筋金入りである。