珍しくも無い本の雑感40

  • 賭け

 いやあ〜、すんげえ本だった。
強烈と言うか、何と言うか・・・。
良く「命がけ」っとか言うけど、この本は正に命がけ。
命が無くなってもおかしくなかった。
大博打だんべ。
 著者は勝った。
この本が出版されたって事はそういうこった。
負けてたらこの本は出なかった。
そう思うと何か、不思議な気がする。
首の皮一枚でつながった命である。
そりゃ、確かにその後の人生観が変わっちゃうべな。

  • レポーター

 今で言うレポーターかな・・・。
従軍記者って言う方が正しいんだべか?
著者は「開高健」である。
ついこないだ「地球はグラスのふちを回る」を読んだ。
ちょっと今まで味わった事のない新鮮さがあった。
 っとは言っても25年も昔の本だけど・・・。
こういう本の書き方もあるんだと思った。
アウトドア派ってヒトコトでは片付けられない。
何ともめっちゃ身体を張った危うさが漂ってる。
 今回のタイトルは「輝ける闇」
1968年に書かれた作品だそうだ。
38年前ってことか・・・。
これは身体を張ってるとかいうレベルじゃない。
ホントに命を賭けてる。

 思えば物心ついた頃にはベトナム戦争の最中だったなあ・・・。 
良くわかんなかったけど世間が騒がしかった。
アメリカには国内外から批難ごうごう。
誰もアメリカの味方してなかったような・・・。
どう見ても正当化出来る理由が無かったんだべな。
 今なら大量破壊兵器を隠してる恐れがあるとか言うんだべ。
あろうがなかろうが戦争始めちゃえばこっちのモンだし・・・。
でも、当時のベトナムなんてジャングルと水田ばっかし・・・。
ヌカに釘打つような戦争だった。
まして化学兵器をバンバン使ってたのはアメリカの方だったし・・・。
 この前線にくっついて行く作家って何だべ?
しかもアメリカ軍兵士と政府軍兵士と一緒に寝起きして・・・。
いつどこからタマが飛んで来てもおかしくない。
これ以上無い臨場感は味わえる。
でも、著者が行ったのはそういう事じゃなさそうである。

  • チョーあら筋

 ストーリーはシンプルである。
著者が従軍記者としてベトナムの最前線に行く。
ジャングルの中のキャンプで過ごす。
そこでの兵士達とのいろんなやり取りがある。
 ある日、サイゴンから呼び出しがある。
日本の新聞社への連絡など、暫らくサイゴンでの暮らしが続く。
記者仲間や現地人スタッフとのいろんなやり取りがある。
当時のベトナム市民の生活感があふれた描写が面白い。
 著者は更にもう一度、最前線に行く。
そしてある作戦に同行しジャングルに分け入って行く。
そこはベトコンの庭みたいなモンである。
一斉攻撃を受け200人の部隊は9人になった。
その中の1人が著者だった・・・。
続きは又・・・。