鏡開きのこと

  • 鏡開き

 武家の具足開き。
商家の蔵開き。
伝統的な行事の中でも結構市民権を得てる。
この日にお汁粉を作る家は多いんじゃなかんべか?
 我が家でも嫁さんが小豆を煮ていた。
随分長い事温存していた小豆らしい。
ちょっと仕掛けがあって普通の小豆とは一味違うそうだ。
とっておきの自慢のお汁粉を作っていた。
 何でもオリジナル作品らしい。
何と、ハッカクの香りのするお汁粉だとか・・・。
ハッカクといえば、話題の抗インフルエンザ薬「タミフル」の原料。
今、中国ではハッカクの相場が急騰してるらしい。
 鏡開きは運を開く。
我が家の鏡開きはプラスアルファがある。
インフルエンザ予防である。
今年も一年、健康でありますように・・・。

  • 伝統行事

 1年を通じてちゃんとやってる行事って少ない。
正月、鏡開き、どんど焼き・・・。
節分、桃の節句、彼岸、端午の節句、七夕、お盆、十五夜・・・。
特に子どもがいないと省略が多い。
雛人形も鯉のぼりも関係ない。
豆まきも七夕飾りもやらなくなっちゃった。
 我が家で見かける伝統行事ってほとんどない。
正月っくらいだべか・・・?
正月飾りと生け花がある・・・。
喰いモンもお雑煮、おせち、お汁粉・・・。
季節を感じるモノと言えばこれっくらいかなあ・・・。
 元々、あんまり生活と密着してない。
気持ちのゆとりも少なくなってる。
そもそも、その伝統行事の意味を知らない。
これじゃきっと滅びちゃうべなあ・・・。

  • 「お年玉」

 ニンゲン、都合のいい行事だけは忘れない。
「お年玉」なんてその典型だんべな。
何だか知らないけど正月になったらカネをもらうんだ!
子どもは固い決意に燃えて攻めてくる。
「もらえる」んじゃ無くって、「もらわなきゃいけない」のだ。
何だと思ってんだべ?
 忘れちゃってもいい。
1度は「お年玉」って何かを知っとくべきだべさ。
伝統行事なら尚更である。
元々は「年魂」とか「年霊」なんだべ?
神様から年の初めに授かった魂を年長者が分けるんだべ?
神聖な魂がたまたまカネに変わったんだべさ。
単にゲーム買う為の小遣い銭じゃないんだから・・・。

  • 躾け

 子どもが悪いとも言い難い。
親がロクでもないんだべな・・・。
カネ集めてやるのが親の仕事だと思ってるフシがある。
ロクに躾けもしないんだべなあ・・・。
挨拶も満足に出来ない子どもに魂もヘチマもあったもんじゃない。
 って言うと反論が見えてる。
「そんなの子どもを持ってみないとわからないよ」
だから絶対に口にしない。
触らぬカビにタタリなし・・・。
うっとおしいから毎年、正月は実家に長居しない。
 そしたら今年は年賀状攻撃だった。
年賀状に甥っ子どもがにたどたどしい字で書いてある。
「今年もお年玉沢山下さい」
「おとしだま、まってま〜す」
 ・・・。
苦笑するっきゃない・・・。
返事でも出してやるかな・・・。
「幾らでもやるから取りにおいで!」って・・・。

  • お金持ち

 我が家はお金持ちと言う事になってるらしい。
子どももいなくて、ちょくちょく海外旅行に行ってる・・・。
だからお金持ちらしい。
ふ〜〜ん・・・。
ま、ど〜でもいいんだけど・・・。
 ロクでもない親どもは子どもに吹き込む。
「あそこんちはお金持ちだから、お小遣いいっぱいもらいな!」
子どもは素直である。
そのままストレートに訊いてくる。
 「ねえ、ねえ、まおちゃんちってお金持ちなの?」
「そうだよ、すんごいお金持ちなんだよ」
「どうしてお金持ちになったの?」
「それはね、誰にも絶対にお金をあげないからだよ・・・」
「・・・」
ワンコと子どもはかまうと面白い・・・。