珍しくも無い本の雑感33
- ローテーション
又、「村上春樹」の世界に戻った。
ローテーションである。
古本屋「Rボン館」で仕入れたストックから1冊。
こんがりと日焼けして健康的だ。
タイトルは「カンガルー日和」
短編集である。
何と18篇も入っている。
お買い得かも・・・。
ハマり込むのとはちょと違うけどいい。
今の環境では最適な1冊だったかも・・・。
- 更年期
男の更年期である。
何かとデリケートなのである。
汗もかきやすい。
しょっちゅう耳の中をアラレちゃんが飛び回る。
肩は糊付けしたみたいにパンパン。
そこへ持ってきてここんとこ仕事が脂っこい。
元々、脂っこいのは苦手である。
出来るだけさっぱり系がいい。
まして仕事だなんて・・・。
寝不足も続いている。
お坊ちゃまの喘息みたいな咳が眠りを醒ます。
可哀想である。
この部屋を離れるとピタッと止まる。
明らかにアレルギーだ。
だいたいだなあ・・・。
このクソ工事がダラダラと長過ぎる!
チンタラチンタラ作業しやがって・・・。
休んでばかりいないでちったあ手を動かせ!
情緒不安定である・・・。
- オアシス
こんな時にちょうどいいかも・・・。
濃密な短編の連続である。
でも、十分に村上ワールドを堪能出来る。
やっぱ、一種の「非日常」なんだべなあ・・・。
- カンガルー日和
- 4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
- 眠い
- タクシーに乗った吸血鬼
- 彼女の町と、彼女の緬羊
- あしか祭り
- 鏡
- 1963/1982年のイパネマ娘
- バート・バカラックはお好き?
- 5月の海岸線
- 駄目になった王国
- 32歳のデイトリッパー
- とんがり焼の盛衰
- チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏
- スパゲティーの年に
- かいつぶり
- サウスベイ・ストラット − ドゥービー・ブラザーズ「サウスベイ・ストラット」のためのBGM
- 図書館奇譚
目次を見ただけでも感心する。
よくもこんな引っかかるお題を探すモンである。
憎たらしいくらいに巧い。
- 1981年
この本の作品が書かれたのが1981〜83年。
我がキリギリス夫婦が結婚したのが1982年。
きっと、やれ結婚式場がど〜のとかやってた頃だ。
忙しく、楽しく、無茶が平気な日々だった。
結婚当初なんて常に誰かが家に居た気がする。
面白半分だけどよくヒトがメシを喰いに来てた。
嫁さんも元気でしょっちゅういろんなモンを作ってた。
「奥さんのビーフシチューが喰いてえなあ・・・」
「アサリの味噌汁が忘れられない」
結構、評判も良かった。
「何かおかずだけご馳走して下さい」
ご飯だけ持って押しかけてくる後輩もいた。
良く遊んだ。
旅行、ゴルフ、テニス・・・。
飲んで、喰って、笑って・・・。
毎週末にハードな遊びが詰まっていた。
新宿で夜明かしして宇都宮の仕事場に直行したりした。
何だかフワフワしてた時代である。
- 傑物
このオッサンはこの頃にある雑誌の仕事をしてた。
店頭には並ばない雑誌だそうだ。
その分、人目を気にせずのびのびと書けたとか。
連載を楽しんでいたそうだ。
確かに何となくそんな雰囲気が漂ってる。
作品を読んでいるとどうしてもあの頃が浮かんでくる。
単なる時代背景だけじゃないなあ・・・。
このオッサンの見てるところが引っかかる。
登場する小道具が一々共感しちゃう。
「そう!そうなんだよなあ〜」なんて・・・。
バブリーじゃ無かったけど何もかも刺激的だった。
そんな時代だった気がする。
作品はめっちゃ面白い。
面白いのが当ったり前と思って読んでいても面白い。
独特の表現、独特の世界、妙な透明感・・・。
やっぱ傑物かも・・・。