まおの食欲の雑感47

  • お泊り

 親孝行プチブルツアーの締めくくり。
それはお坊ちゃまのお迎えだった。
「F沢動物病院」に行くとお坊ちゃまは待ちかねてた。
顔を見るなり飛びつこうとしてる。
ホントに診察台から飛びそうな勢いだ。
 「ドクターF沢」が苦笑してる。
「いい子だったんですけど、何かギャウギャウ吠えてましたよ」
「へ〜、珍しいですねえ・・・」
「何度もお泊りしてるけど、初めてですね」
「何だべ?赤ちゃんがえりかな・・・?」
 ドクターから説明があった。
今回もレントゲンには異常なかった。
しかもお泊りの間に咳はまったくしなかったという。
「なので今日は「オンコビン」投与しました」
っかしいなあ〜?
何だべ?
ひょっとしてウチの空気が悪い?
大改修の工事の影響でもあるんかな?
シックハウス症候群だったりして・・・。

  • 検査値

 月に1回の血液検査もした。
全体的に改善傾向だという。
BUNも10ポイントも下がっている。
コレステロールなどの肝機能も改善してる。
貧血傾向も治っちゃった。
お坊ちゃまはすこぶる元気だ。
 ドクターも不思議でしょうがないという顔だ。
「とりあえず身体にダメージはありませんね・・・」
これで後は「エンドキサン」を投与して1クール完了。
2週間の休薬期間を置いて次のクール。
予定通りなら次の投与は12月1日だ。
この間に何事も無いのが前提だけど・・・。
内服のプレドニン抗ヒスタミン剤も休薬になる。
 「リンパ腺の具合だけは観といて下さい」
帰りがけにドクターからヒトコト。
ドクターは常に警戒モードなのだ。
お支払いは3万円弱だった。
ひょえ〜〜〜っ!
入院看護料2,500円×2日も入ってる。
ま、言わばお泊り料金である。
もう、冬のボーナス完全先取りの世界である。

  • 本田皆子

 「急性骨髄性白血病
今週は30代で亡くなった彼女の話で持ちきり・・・。
あっちこっちで追悼特集もあったらしい。
ひと昔前まではこの病名が象徴的に使われた。
「不治の病」「美人薄命」の代名詞みたいな・・・。
でも、最近は様子が変わっちゃった。
急性骨髄性白血病」は「不治の病」じゃ無くなったらしい。
今では直せる病気だと聞いてる。
確かに見事に治して現役復帰してる芸能人もいる。
じゃ、何で・・・?
って誰でも思うべなあ・・・。
 死因は肺の感染症だとか。
素人にはわからない世界だけど、それってしょうがないの?
感染症を起こすのは病院の一番の恥だって聞いた事がある。
この病気は当然、無菌室で治療してたんだべ?
徹底的な感染症予防環境で抗がん剤投与してたんだべ?
素朴な疑問である。
それって病院の恥?

  • 1年

 お坊ちゃまが次に「F沢動物病院」に行くのは12月だ。
次のクールの抗がん剤投与という事らしい。
早いモンだなあ・・・。
もう、12月かあ・・・。
 もう1年経つ。
去年の暮れから急に食欲が無くなって来た。
あの、大喰らいのお坊ちゃまが急に喰わなくなった。
そりゃ、心配する。
何事かと大騒ぎだった。
正月も散々だった。
 嫁さんがつぶやく。
「本田皆子もまおと同じ頃に発病したんだね」
「そうか、1月とか言ってたもんなあ・・・」
「まおは幸せモンだよねえ・・・」

  • 札幌

 お坊ちゃまはこれから休薬期間に入る。
何も無い事を前提に嫁さんは札幌の予約を取った。
11月20日とか言ってた。
名目は「北海道産のそば粉」の仕入れである。
「ナースS々木」と一緒である。
 札幌はもう何回か雪が降ってる。
11月の札幌は坂道を転げ落ちるがごとく冬に向かう。
街の人通りがぐっと減る。
みんな地下にもぐり始める。
ホワイトイルミネーションが始まる。
駅前の大通りと大通り公園がライトアップされる。
空気がピンと締まってくる気がする。
寒いけど、何となく情緒があっていい時期である。
 ここしばらく嫁さんも大変だった。
毎朝、アガリクスサルノコシカケを飲ませる。
朝晩、病院から出てる薬も飲ませる。
だましだましメシを喰わせる。
腎機能に優しい処方食を探しまくる。
食欲の導火線になるようなオヤツも探しまくる。
メシのたびにだましてサプリも喰わせる。
 平日の「まおさん」と「まおシャン」
歯と耳の掃除、ニキビダニの外用薬塗布。
週に1回は大好きなクルマで動物病院通い。
ほぼかかりっきりと言っても過言ではない。
ま、いってらっさい。
久々の羽休めと言うことで・・・。