珍しくも無い本の雑感32

  • テーマ

 何となく今年決めたテーマも熱が醒めてきた。
1つは「少子高齢社会」
もう1つは「戦後60年」だった。
 新春早々から「少子高齢ネタ」を読み漁った。
これは結構勉強になった。
自分的に結論めいた事も見えて来た。
あんまり深刻に考えてもしゃーない。
選挙で自分より若いセンセイに投票する。
これっきゃない。
 暖かくなった頃から「戦後60年ネタ」を読んだ。
これもハマった。
折からの中国&韓国の騒ぎが拍車をかけた。
半藤一利」の「昭和史」は圧巻だった。
このテーマもポーランド&バルト3国ツアーでピークに・・・。
オフィシエンチム」と「カウナス」
忘れられない景色だった。
 でも、もう国全体でブームが去った気がする。
ジュンちゃんの靖国参拝も今ひとつ盛り上がんない・・・。
これから「ヤマト」の映画が上映されるらしい。
ちょっと外してる気がするなあ・・・。
ま、大きなお世話だけど・・・。

  • 開拓

 今更ながら心がけてる事がある。
乱読である。
なるべくいろんなヒトの本を読むように心がけてる。
元来、ハマりやすいタチである。
次々と同じ作家の作品を読んだりする。
 これは喰いモンと同じかも・・・。
冒険が出来ないのである。
新規開拓して外すとめっちゃ悔しい。
特に喰いモンは悔しい。
もちろんおカネももったいない。
でも、それより機会損失の悔しさの方が強い。
あと何回食事が出来るんだんべ?
せっかくの貴重な食事の楽しみを棒に振ったと思っちゃう。
すんごく損した気がする。
 本は外したらすぐ止めれば済む。
なのになかなか冒険が出来ない。
何故か?
思うにやっぱハマりたいんだんべね。
ハマれない本に取っ掛かっちゃた時の味気なさ。
これがヤなんだべな。

  • 古本屋

 そこで古本屋に行く。
新規開拓用である。
100円コーナーの本だったら途中で止めても惜しくない。
いろんなジャンルを買ってくる。
 何となく耳に覚えのある本をピックアップする。
多分、それはその時に何かしら気になってたはず。
チョー有名な古典ある。
前評判だけだった本もある。
酷評されてたのもある。
 こないだの「開高健」も結構イケてた。
2匹目、3匹目のドジョウを狙って仕入れてきた。
今回は「志賀直哉
「暗夜航路」で有名なあのヒトである。
タイトルは「清兵衛と瓢箪小僧の神様
2匹目のドジョウではなかった。
でも、別の種類のドジョウがいた。

  • オソダチ

 随分、懇切丁寧な本だった。
口絵の写真あり〜の、語注あり〜の、解説あり〜の。
解説はお2人が22ページにわたって書いてる。
更に「志賀直哉」の年譜まで付いてる。
何だか「志賀直哉」の人生全てがわかってしまった。
「暗夜航路」も読んでないのに・・・。
 遅立ちじゃあなくって・・・。
お育ちはかなりいいようである。
東京麻布の屋敷の敷地は1,600坪あったそうな。
父親は名の知れた実業家・資産家だった。
祖父は二宮尊徳に弟子入りしてたとか・・・。
旧相馬藩の出身で足尾銅山を共同開発した。
やっぱし、著名人だったらしい。

 フツーに学習院から東大英文科に進む。
武者小路実篤有島武郎らと雑誌「白樺」を創刊。
自身も「網走まで」を発表。
これはこの本にも収載されてた。
 何とも言えない「間」だった。
著者は宇都宮で列車を降りる。
そこまでの同席した母子とのやり取りを描いた短編である。
単に時代が違うだけじゃあない。
何ともいえない世界があった。
 この年、27歳で大学を退学。
父親との確執が激しくなる。
遂には家出して尾道で独り暮らし。
この時に「暗夜航路」の草稿を書いていたらしい。
 その後、山手線にはねられたりいろいろな事があった。
でも、まずまず作家として順風満帆。
葬られたのはもちろん青山墓地である。
前置きが長くなり過ぎちゃった。
続きはまた・・・。