珍しくもない本の雑感31
- 海外モノ
何で紹介されてたのかは忘れちゃった。
でも、何しか海外モノだったという覚えがあった。
旅行記のようなエッセイのような・・・。
海外旅行しながら読んだらいいとか書かれていたような・・・。
ま、どの道いい加減な記憶である。
この本もやっぱタイトルがいい。
「地球はグラスのふちを回る」
巧い!っと思った。
何とも想像力をかきたてられるじゃありまへんか?
そして印象深いから忘れない。
近所の「Rボン館」の100円コーナーで見つけた。
もう見事にキツネ色になってた。
見ると初版は昭和56年だった。
この本も9刷だけど昭和59年だった。
21年のキャリアがある。
このタイトルだからこそ手に入ったんだべなあ・・・。
- 昭和ひとケタ
著者は「開高健(かいこうたけし)」
昭和6年生まれである。
沼津のば〜ばと同い年じゃん。
以前、テレビのコマーシャルで見かけたような気がする。
自然派とかワイルドタッチで売ってたような・・・。
ちょろっと嫁さんに話したらやっぱ知ってた。
「もう、死んだんじゃない?」
そーだったかな・・・?
何とも心もとない・・・。
解説を読むとヒトとなりが想像出来る。
抜群のバイタリティと基礎体力。
明日のことなんか考えない破天荒な生き様。
にもかかわらずこの文才。
タイトルに表われたセンスである。
なっかなか面白かった。
- 密航
著者は子どもの頃から日本脱出を夢見ていた。
太平洋戦争が終わった時に14歳。
思春期真っ只中である。
一番多感な時期に世の中がどん底。
これはその後の生き様に影響するのは当ったり前か・・・。
シケモクを吸い、怪しげな酒を飲む。
喰いモノなんて選んでいられない。
何か喰えたらオンノジ。
よく親から話には聞いていたが、やっぱ同じだったんだ。
その著者が夢見ていた海外脱出。
方法は船に忍び込んで密航するっきゃない。
そう思い込んでいたそうな。
でも、密航は出来なかった。
文才が身を助けてくれた。
スッポンサー付きで海外に出掛けられる身分になっちゃった。
夢が叶っちゃった。
そりゃあもうやりたい放題だべさ。
- 酒
えりゃあ酒好きらしい。
世界中のありとあらゆる酒を飲んでるらしい。
その国の酒はその国で飲まなきゃダメなんだとか。
その国の温度、湿度、人間に合った酒が出来るらしい。
ついこないだ行って来たポーランドの酒も出てた。
「ズヴロヴカ」である。
ガイド氏は「ズヴロッカ」って言ってたなあ・・・。
北欧野牛の飼料になるバイソン・グラスを浸して作るとか・・・。
芳烈かつ清冽なんだそうだ。
道中一緒だったH場さんは煽るがごとく飲んでた。
元気かなあ・・・。
他にもいろいろ出てくる。
チェコのピルゼン・ビール。
ハンガリーのトカイワイン。
ブランデー、スコッチ、シャンパン・・・。
何でもありである。
前後不覚なんてのはしょっちゅうらしい。
それもカメラマンやスタッフが一緒だから出来るんだろうけど・・・。
- 酒精
「アルコール」って言葉はアラビア語から起こったそうだ。
原義は「モノの本質を抽出する」ってことらしい。
それであらゆる地方であらゆるモノを漬け込んだ。
ポーランドの「ズヴロヴカ」以外にも山ほどある。
中国の「竹葉青酒」は竹のハッパ。
何だか美味そうな気がする。
スイスの「エンチアン」はリンドウを漬ける。
フランスの「ペルノー」はウイキョウだそうだ。
動物系もある。
確かに日本でも「マムシ酒」「ハブ酒」なんかがある。
中国には「三蛇酒」や「五竜二虎酒」がある。
毒蛇を中心に3種〜5種のヘビを漬けるんだそうだ。
中国人はそういう点ではマニアックらしい。
他にもいろんなモンを漬けて探求にふけるんだとか・・・。
トカゲ、ゲンゴロー、ニワトリ、タツノオトシゴ、ガマ・・・。
著者もかなりのチャレンジャーである。
「田乳鼠仔酒」という酒を手に入れたそうだ。
田んぼのネズミの赤ん坊を漬けたモンだとか・・・。
「胎盤補酒」とかいうのも手に入れた。
これはさすがに現物の姿カタチは見えなかったとか・・・。
でも、レッテルにヒトの胎盤と書いてあるそうだ。
あずましくな〜い!
胸が悪くなりそうなので次回に続く・・・。