住宅事情の雑感18

  • 「基準地価」

 恒例の「基準地価」の発表があった。
またまた、メディアはこぞって値上がりを強調してる。
我が家に来る旭新聞は1面トップだった。
「東京23区、15年ぶり上昇」
「地方圏、下げ幅縮小」
元気いっぱいの見出しが躍っている。
 でも、内容を読むと見出しとまったく噛みあわない。
都道府県別変動率は「▼」がズラ〜っと並んでる。
色分けした日本地図も出てる。
「下落幅が縮小」した道府県が増えたと言いたいらしい。
でも、下がってる事に変わりないべや。
東京23区が唯一上昇。
っつったって地図で23区なんか見えやしないわよ。
 何でそんなにはしゃぐんだべ?
「上がった!上がった!遂に底をついた〜っ!」
どうも、うがうがしたくなる。
不動産業者の広告料収入が目的?
もしくは政府の圧力?
「早く買わないと上がっちゃいまっせ!」
「今ならまだ、住宅毛ばり減税が・・・」
そう簡単に国民は騙されませんぜ・・・。

  • 土地の値段

 一度、真面目に調べた事があった。
土地の値段ってえりゃあいろんな言い方がある。
「一物四価」って言うらしい。
何でそんなバカな事が・・・。
って思うヒトがあんまりいなんだべなあ・・・。
バカらしいから詳しく覚えてないけど・・・。
 各ユートピアごとに価格を決めてる。
国土交通省都道府県、国税局、市町村とか・・・。
それぞれ目的が違う。
「公示価格」と「基準地価格」は取引の指標とか・・・。
公共事業の時の補償の基準にもするらしい。
って事はなるべく安く設定されるんだべな。
特に公共工事が予定される土地は安く設定されるべな。
 「財産評価基準額」と「固定資産税評価額」は税金用だ。
国税相続税や贈与税が狙い。
市町村は固定資産税が狙いである。
当然、こっちは高く設定される。
ホンットに高い!
課税評価額だけがバブルの時のままなんて事がザラにある。
でも、誰も文句言わないのである。
 この辺の仕組みは「地価最終暴落」(立木信著)に詳しかった。
お抱え不動産鑑定士とテキトーに決めちゃう。
まず、予定の税金ありきである。
こんな楽な仕事って無いべなあ・・・。
ユートピアが人気があるのは良くわかる。
何も考えない羊さんは滅多に逆らわないし・・・。
ちょっと元気のいい羊は「否認」「追徴課税」をチラつかせりゃOK!
やりたい放題だもん・・・。

  • 都心回帰

 東京23区の地価が反発した。
とすれば、そこには土地を買いたいヒトが集まったってこと。
多少、高くっても買うよってヒトが現れ始めた。
誰だ?そんな太っ腹は?
 もちろん個人もいるべ。
安くなったから都心に戻るヒトは多いらしい。
特に東京湾岸はマンションが林立。
海沿いにマンションが壁のように立ち並んで来た。
都内は風通しが悪くなって気温が上がるとまで言われてる。
 でも、そんなに金持ち個人ばっかりいる訳ゃない。
やっぱ法人である。
最近の投資ファンドの動きが火に油を注いでいる。
外資も積極的らしい。
当然、これから激しい2極分化が進むべな。
ファンドビルが建つような土地はミニバブルで高くなるべ。
でも、利益を生まない土地はタダって事になる。
地方圏はまだまだ底無しなんじゃないべか?

 都心回帰で地方が寂れる。
これから人口が減って行く。
もうこの流れは止まらないべな。
旭川や土浦の商業地ではまだ20%以上の地価下落があったそうな。
シャッター通りがどんどん増えているらしい。
両方とも関わりがあっただけに寂しい気がする・・・。
 フツーに考えたらシャッター通りは絶対に回復しないべ。
店を閉めたって住めない訳じゃない。
しかも場所は元繁華街。
きっと駅前の一等地なんじゃないべか?
借金でもしてなきゃ生活出来ない訳じゃない。
 そこを売って田舎に引っ込む手もある。
でも、それは相当な不便を覚悟する必要がある。
近所付きあいだって変わっちゃう。
都会のヒトが田舎に暮らすのはなかなかホネだと思う。
農家をやるとか、強い意志がありゃあ別だけど・・・。
その前にまず売れるかどうか・・・。
やっぱ、シャッター通りは回復しないべ。