世代問題の雑感19

  • ロングステイ

 旭新聞で2週連続で特集があった。
海外ロングステイである。
海外にしばらく滞在して、そこで生活する。
第二の人生の夢、と位置付けるヒトも多いらしい。
先週のサブタイトルが「費用はどのくらい」
今週は「団塊世代が関心?」だった。
 ロングステイについては随分前から話題にはなってる。
ハワイなんかは随分広告も出てる。
定番は「オーストラリア」「カナダ」「スペイン」・・・。
最近は「タイ」「マレーシア」「フィリピン」なんかも出てくる。
 数年前とは環境が変わった。
以前は海外移住計画みたいな重たい話だった。
今は「移住」「現地労働」の考えを捨てたらしい。
生活の基盤は日本に置いたまま、海外に滞在する。
旅よりは生活っぽさを目指す滞在型余暇だという。
あくまで旅行の延長線上って感じだんべな。

  • 希望調査

 調査によると希望滞在期間は意外に短い。
60%以上のヒトが3ヶ月未満。
2週間〜3ヶ月っというのが一般的らしい。
3ヶ月未満ってえのはビザが要らない期間ってことらしい。
2週間ってえのも何だかねえ・・・。
旅行でコンドミニアムに泊まるのと変わんない気もするけど・・・。
 去年の行きたい先トップは「オーストラリア」だとか。
理由は時差が無い、英語圏、物価が安い、っということらしい。
2位が「マレーシア」
憧れのあ「ハワイ」は3位に落ちた。
明らかに欧米からアジア・オセアニアにシフトしてるそうだ。
 もう既に「ハワイ」や「オーストラリア」は物価は安くない。
「ハワイ」なんて日本より高い。
あんな物価でジモティが暮らせるんだべか、と心配になる。
「オーストラリア」も東海岸は十分に高い。
シドニーケアンズなんて日本と変わらないと思う。
ってことはこれからは腹を鍛えて東南アジアか・・・。

  • 費用

 ご親切に夫婦2人の生活費試算が載ってた。
コンドミニアムに住んで、主として自炊して、娯楽もあり。
一ヶ月の目安の金額が並んでた。

  1. パリ        (住)27万円、(食)5万円弱、(他)9.5万円、合計41.5万円
  2. ハワイ       (住)19.5万円、(食)7万円弱、(他)9万円、合計35.5万円
  3. パース       (住)12万円、(食)3.5万円、(他)7万円強、合計22万円強
  4. クアラルンプール (住)7.5万円、(食)3万円、(他)5.5万円、合計16万円
  5. バンコク      (住)6万円、(食)3万円弱、(他)5万円弱、合計14万円弱

 現在の日本の60歳以上の無職世帯の消費は約26万円だと。
パリやハワイの生活は結構気張らなきゃあかん。
反面、タイの物価は日本の1/5。
マレーシアは1/3だそうだ。
メイド付きの豪邸に住んで、更に貯金が出来るんだそうだ。
それが目当てで「タイ」「マレーシア」に行ってるヒトは多いらしい。

  • 専門窓口

 さすがJTVは目聡い。
10月から専門窓口をオープンするそうだ。
ターゲットは「団塊世代」だ。
2007年から「団塊世代」の大量退職時代を迎える。
ロングステイは大きなマーケットになると期待されてる。
資金作りのセミナーから始めて下見のツアーなども用意するらしい。
 去年のロングステイ人口は約7万人だそうだ。
これがすぐに10万人程度になると見込んでいるとか。
商売としては結構広がる。
実際に現地での生活をサポートする。
病院、銀行、不動産業者などの紹介や日本語サービス。
更に留守宅管理、ペットケア、植木の水遣りなどなど・・・。
一大ビジネスになりそうな気配である。
 でも、そんなに至れり尽くせりにして行く意味があんだべか?
リトル東京」じゃあるまいし・・・。
海外でオール日本語で暮らして面白いんだべか?
非日常・異文化との接点が面白いんだべや。
異郷の地で生活するという感覚とはちょっと遠い気がする。

  • 空白対策

 っとは言え、「団塊世代」のロングステイはいいと思う。
2007年問題なんて悠長なこと言ってないで先手を打てばいい。
ヒトが減ってく世界を早く体験した方がいいじゃん。
団塊世代」は早めにロングステイに出て、海外でゆったりしてもらう。
東南アジアなら安い資金で結構ゆったり暮らせる。
企業はこの貴重な世代なしでどうやって経営するのか早めに考える。
どうせその後に来るのは「人口減少」である。
早めに慣らしておいた方がいいべや。
 これから段階的に年金の満額支給は遅れて行く。
政府は苦し紛れに定年延長や定年後再雇用を進めようとする。
年金財政が苦しいから歳喰っても働いてくれって・・・。
企業も急に「団塊世代」の大量の技術者を失うのは痛い。
定年延長や再雇用制度に積極的である。
 一見、合理的みたいに見える。
けど、これも場当たり的施策だと思う。
ヒトが足らなくなる場面を先送りしてもいい事はないべ。
「人口減少」っていう坂道は足探りしながら降りた方がいいんじゃないべか?
あえて再雇用で引き摺って階段を作る必要はないべや。
コケたら大怪我するかもよ・・・。

  • 先例

 一時のスペイン移住計画は見事な失敗だった。
通産省主催「シルバーコロンビア計画」とか言ってた。
失敗の原因はコミュニケーションだそうだ。
そりゃ、始めっから無理があるべ。
日本人が退路を断ってラテンのノリで暮らすのはしんどいべ。
一日中ハイテンションでニコニコしてる生活って考え難い。
朝っぱらから誰とでもハグハグしながら「アミーゴ!」とか出来ないべ。
こんな特殊な例は後進の役に立たない。
 でも、これからのロングステイは期待できそうだ。
始めっからいずれ日本に帰って来る事を前提にしてる。
業者が商売としていろんな準備をしてくれてる。
これからどんどん行って欲しいな。
2007年なんて言わずにその前からどんどん出てって先例を作って欲しい。
早期退職でもいいじゃん。
特に「タイ」や「マレーシア」に積極的に出てって活躍して欲しいね。
 ゴルフして遊んでるだけじゃ3日で飽きる。
現地と内容の濃いコミュニケーションしといて欲しいね。
それこそ「団塊世代」の得意とするところだべ。
ジモティと和気あいあいとコミュニティを作る。
何でもいいから今までのキャリアを活かしたらいい。
ジモティに日本語を教えてあげるとか、技術を承継するとか・・・。
いろんなノウハウを置いてくればいい。
 NPOとかも手だと思う。
きっと日本で味わえないような豊かな世界がありそうな気がする。
簡単なこってある。
相手の気持ちにさえなればいい。
それがホントの橋頭堡になるべ。
現地の信頼を得て日本人がロングステイしやすい環境が出来る。
そしたら日本の高度経済成長を支えた企業戦士も鼻が高いべ。
 1つだけ問題があった。
調査によると男性の75%が夫婦で行きたがってる。
ところが女性は夫婦希望が42%しかいない。
根本的な問題だけど・・・。
旭新聞は「濡れ落ち葉・・・っていう言葉が浮かぶ」と結んでいた。