ボーナスシーズンの雑感Ⅱ

  • 悪夢

 半年前の悪夢が蘇って来た。
早いもので、もう夏のボーナスの時期になった。
もらえるものはとりあえずもらいたい。
でも、内容に難有り。
 半年前の20%カットはショックだった。
今回は更にそれをちょっと下回った。
しょうがない事とは言え、どうも割り切れない。
何しろ会社の業績が芳しくない。
そこへ昨年からの管理職「成果主義」の導入。
そして今回の一般社員への導入。
やられた・・・。
 どうやら会社の思惑通りだったのかも知れない。
ウチの会社は今までは世に言う「いい会社」だった。
会社の歴史上、給料もボーナスも一度も下がったことがない。
これが自慢げに語られていたところがすごい。
業績が悪くても下げない代わりに絶好調でも抑える。
安定した所得を・・・とか言ってた。
確かにカビが生える寸前だった。

 世の一般的な会社が「成果主義」を導入し始めてずいぶん経つ。
賛否両論、すったもんだしてずいぶん改良が重ねられたらしい。
富士通の暴露本が売れた。
成果主義の暗黒面が強く出て来た。
フォースのチカラを信じなきゃいかん・・・。
何のこっちゃ?
 雑誌や新聞記事でも「成果主義」の文字は沢山躍ってる。
日本能率協会の調査では日本企業の昨年末の導入率が83%とか・・・。
どのレベルの企業まで調べたのかわかんないけど・・・。
少なくとも大手っぽいところはみんな右へナラエ。
メノコでも7〜80%は導入してんだろうなあ・・・。
 何故、これだけ一気に増えたのか・・・?
どうもITビジネスとコンサル屋が関連してる気がする。
ウチの会社もコンサル屋が人事部をたぶらかしながら導入したようだ。
明らかに人事部も良くわかってない。
個人のパソコンから外部にアクセスしてシステムを使う。
既製品のシステムなので、どうもしっくりこない。
今までウチの会社に無かったコトバが使われたりする。
ど〜も気持が悪い。

  • 評価

 評価もずいぶん沢山出てる。
アンケート調査結果やナントカ研究所のコメントとか事欠かない。
ま、概ね不評だ。
労使ともに9割が不満を持ってるとかいう記事もあった。
納得感を持ったヒトが3%とか5%とか・・・。
それじゃ仕組みになってないじゃん。
 何が問題か?
頑張っても給料に反映されないとか、不公平感が残るとか・・・。
当然、モチベーションに響く。
やる気が増したヒトが1割いても、失せたヒトはその倍以上いるそうだ。
多分、言わないけどやる気が下がったヒトが大半なんだろう。
 何故か?
理由は簡単だと思う。
しょせんは既製品のシステムの世界である。
ゼロとイチしか無い世界じゃどうしようもない。
人間の機微とかが入り込む余地がまったく無い。
上司がエンピツを舐めながら1人1人のことを考えてるのとは訳が違う。
 そんな制度をウチの会社は周回遅れで導入した。
不具合はこれから改良する気らしい。
遅いとかいう概念はない。
いかにもウチの会社らしいんだけど・・・。
良くなった頃には死んじまうわ!

  • 知らん顔

 今回が一般社員にとっては初の成果主義でのボーナス。
悲喜こもごもというか・・・。
概して若い衆は結構喜んでる。
「今回、すっげえ上がったぜ!」とか言ってる。
その横でベテラン勢は概して寡黙である。
大体みんなお互いに知らん顔。
 これが成果主義なんだ・・・と痛感してると思う。
今まで長年、年功賃金制で積み重ねて来た金額が一瞬にして崩壊する。
30%、40%ダウンがざらにある。
この先も人生観を変えない限り上向く事がない。
何しろ「長い期間通勤する」ことで給料が上がってきたヒトビトだ。
このショックは計り知れない。
 管理職もお互いに知らん顔だ。
単純なテーブル方式なので誰が幾らもらったかすぐわかっちゃう。
もらった金額そのものにそんなに不満は無いんだけどねえ・・・。
もらえるだけでも有り難いと思う。
でも、あのヒトと1円単位まで同じ金額か・・・。
って思うとやる気がひっくり返っちゃう。
オレッてちっちぇえ・・・。
 我が家でも極力話題にしない。
ヘタに話を出して暗くなってもつまんない。
嫁さんからも特に触れて来ない。
ってゆ〜かあ、カネに興味が無さそうだけど・・・。
密かにムネの内では資金計画を立てていた。
ローン払った残りで旅行代金を賄わなきゃいかんなあ・・・。
パソ子の身代わりも1つ買っておかなきゃなあ・・・。
財政事情は厳しそうである。
やれやれ・・・。