ドッキン法のこと

 古い話だけど4月20日に改正独禁法が成立した。
77年以来の抜本的見直しだったそうだ。
約30年ぶりってこってすか?
それぐらい今までの体制でも違和感が無かったってこった。
最近は国際カルテルやら何じゃらで外野が騒がしくなって来た。
外圧もあって渋々って気がするけど、きっと世代交代もあると思う。
従来とまったく違った価値観の世代が官僚にも浸透してんじゃないかな?
サクサクッと改正しちゃいましょ!みたいな・・・。
公取委は来年1月1日の施行を目指しているらしい。
 公取委が吠えない番犬と言われて久しい。
その評価はず〜っと変わって無い気がする。
ってゆ〜かあ〜、やっちゃんと同じだべさ。
やっちゃんとひまわりさんが仲がいいのとおんなじ。
公取委と官公庁と大企業はみんな仲良し。
「和をもって尊しと為す」
「人類みな兄弟、一日一善!」
 今回はどうしたんだろう?
公取委だけがヤにりきんでるけど・・・。

  • 改正のキモ

 今回の改正の狙いは「厳しく、柔軟で機動的な制度」だそうだ。
課徴金は売上高に対し上限6%から10%に上がった。
でも、元々の公取委の原案は12%だった。
経済界の猛反発で値切られたとか・・・。
繰り返し犯にはハネ満の5割増し。
逆に違反行為を早く止めるとご褒美で2割引き。
 課徴金減免制度も出来たそうだ。
公取委が立ち入る前に自首すると先着3社は優遇措置がある。
最初に自首した会社は課徴金ゼロ。
次の会社は5割引き、3番目は3割引きになるとか・・・。
欧米で奏効してる「チクリ推奨制度」だそうだ。
カネは払わなくっても済むかも知んないけどねえ・・・。
後で絶対遊んでもらえなくなるべな・・・。
 更に公取委に調査権が導入された。
刑事告発のために令状があれば捜索や差し押さえが出来る。
吠えない番犬がいきなり噛みつくようになるらしい。

  • 二重処罰

 経済界は猛反発。
ぶーたれてる理由は2つあるらしい。
1つは二重処罰。
独禁法には刑事罰の罰金や懲役も定められている。
「罰金と課徴金の併用は憲法の禁じる二重処罰だ」って言ってる。
別に二重だろうが三重だろうがいいと思うんだけど・・・。
もう1つは審判制度。
不服がある場合、企業は公取委に審判手続きを請求出来る。
が、「検察」「裁判官」ともに公取委が担当だとか・・・。
これはちょっとブーイングかも・・・。
 いずれにしても産業界の反発はすごいらしい。
2年後の抜本的見直しを明記してようやく決着したとか。
別に身に覚えが無きゃ罰則が幾ら重くたって関係ね〜じゃん。
やっぱ経済界はこぞって「やる気満々」なんだ。

  • アンケート

 日経ビジネスに「ビジネス世論」とかいうコーナーがある。
読者のwebアンケートを特集している。
6月6日号に「改正独禁法」についてアンケート結果が載ってた。
有効回答が400程度で少ないけど傾向はわかる。
 今度の独禁法は違反抑止効果があるとの回答が75%。
その主な理由は罰則が重くなるから・・・。
効果はないと答えたヒトが25%。
その主な理由は「官製談合」など政治・行政介入の対応が不十分。
このヒトビトは構造が良くわかってる。
「官製談合」っていう立派な日本語が物語ってんじゃん。
 想像だけど75%ってのは「U40」の世界のヒトビトじゃないかな?
「談合なんてけしからん!」と言い切れるヒトビト。
正義感にあふれて恐いものなしで生きて行ける世代。
25%は抜き差しならない世代じゃない?
その「お仕事」の真っ只中に置かれてるヒトビトとか・・・。

  • 橋梁談合

 5月23日に公取委が8社を刑事告発した。
連日、大騒ぎだ。
何だか不思議な気持。
当事者も官公庁も困っちゃってるだろうなあ・・・。
センセイ方や天下りOBも戸惑ってるべや。
何なんだ?
何で鋼鉄の橋なんだ?
何で急にそんな事言い出すんだ?
突然、そんな正論を持ち出されても心臓ドッキンだべ。
今までは入札業者のドッキング法だったじゃん。
何を今さら・・・。
改正独禁法が成立したからって急にそりゃあ無いべ?
 どこでボタンをかけ違えたのか知んないけどもう収まらない。
仕方なくバタバタとトカゲの尻尾切りが始まった。
何だか現実感が無い報道が続く。
空々しいシナリオ通りの記者会見が繰り返される。
誰もが同じ気持なんじゃない?
何で・・・?