挨拶の雑感11

  • ウィークエンド

いつも通りの週末。
定期検診の結果もきになってる。
いつも以上に気合入れてテニスコートに行く。
嫁さんは先週痛めた足が不安でお休み。
コートに行くとコーチや仲間達が皆心配してくれる。
どうもコートの賑やかしに必要なようだ。
一家に一台か・・・。
それでも何でも嫁さんは着実にこの街に根を下ろしている。
スポーツ仲間、健康推進員仲間、テニスの仲間・・・。
歯医者のスタッフ、整骨院に通うばーちゃん・・・幅広い。
ご近所でも随分根を下ろしている。
ご近所を歩いてて何だかんだ挨拶するヒトがいっぱいいる。
感心させられる。

  • 地域コミュニティ

近所付き合いってのは大事だ。
世の亭主族には関心が薄いが、主婦族にとっては切実。
特に転勤族の主婦は大変らしい。
転勤した先々で近所とのコミュニケーションを考える。
大変ではあるが、だんだんコツは掴めてくるらしい。
近所付き合いの強力な武器は子どもと動物。
子どもは武器っていうか、背に腹は帰られないっていうか・・・。
子どもが出来るまでは近所なんかシカトってヒトも多い。
でも子どもが出来ると豹変する。
どんなぶすっくれも子どもの為に急に笑顔を作るようになる。
打算がいっぱい・・・。
そこへ行くと動物は純粋だ。
打算もヘチマもない。
ワンコは好きか、嫌いかだけで接するので簡単である。
ウチのお坊ちゃまは全方位外交。
誰でもOK。
誰に似たんだか・・・。

  • 「わりかま」

このマンションに引っ越して来た当初はびっくりした。
同じマンションで挨拶しないヒトがめっちゃ多かった。
こちらから挨拶しても無視するヒトもいた。
こんな田舎街なのに何を都会ぶってんだ、と思っていた。
最初は結構なストレスになった。
もう最近はすっかり慣れたけど・・・。
このマンションは分譲と賃貸が半々。
なので賃貸人は結構入れ替わる。
以前とは随分ヒトが変わった。
最近は挨拶しないヒトの方が少なくなった。
そんな中でも終始一貫してシカトな夫婦がいる。
「わりかま」だ。
「わりばしカマキリ」の略。
見た目、そのまんま。
名前は知らない。
30代半ばだろうか、ホントの似たもの夫婦である。
こちらから挨拶して無視されたこと数知れず・・・。
あたかもそこに何もいないかのような振舞いには感心する。
ホントに見えてないんじゃないのか?と思うくらい。
1度、この亭主と駐車場へのドアで鉢合わせした。
「おっと、失礼。こんにちは」
思わず口に出ちゃう。
でも先方は遠くを見たままス〜っと横を通り過ぎた。
見事な似たものである。

  • 子ども

「わりかま」にジュニアがいる。
小学校の低学年だろうか。
当然ながらぶすっくれている。
「挨拶」なんて日本語は教わっていないと見える。
そりゃそーだべな・・・。
「わりかま」も子どもの為に一応の付き合いはするらしい。
嫁さんもたまにマンションのエントランスで見かけるという。
他の住人と四方山話をしてるそうだ。
さすがに子どもの為の付き合いは外せないのだろう。
嫁さんも通りがかりで皆さんに挨拶する。
皆さんも挨拶を返してごく普通の光景であるが・・・。
皆さんが挨拶しても「わりかま」だけはあっち向いてるとか・・・。
その徹底ぶりに感心してた。

  • ダックス

今年になってから「わりかま」がワンコを飼いだした。
ミニチュアダックス
名前は「タロウ」と言うんだそうだ。
嫁さんの話ではご近所のワンココミュニティにも参加して来たそうだ。
ウチのお坊ちゃまは例によってすぐに仲良しになった。
全方位外交だ。
「わりかま」も「タロウ」を連れて積極的に寄って来るらしい。
ご近所も含めてちょくちょく四方山話するようになったという。
ふう〜〜〜ん。
嫁さんから話を聞いても半信半疑。
人間、そんなに手のひらを返せるもんだべか?

  • 「まおさん」

土日の「まおさん」はデューティー。
いつものように遠足に出掛ける。
お坊ちゃまも土日は遠出を許してくれると踏んでるらしい。
積極的に町内を歩き回る。
でも大体後半は息切れ。
牛歩になって人間が腰を痛める。
こないだもやっとマンションの玄関までたどり着いた。
やれやれ・・・。
すると後ろからバタバタと走る音がした。
見ると「わりかま」と「タロウ」とぶすっくれジュニアだった。
「やっぱりまおちゃんだ〜、こんにちは〜」
「ああ・・・こんにちは・・・」
「タロウ、良かったねえ。まおちゃんに会えて・・・」
お坊ちゃまはちゃんと尻尾フリフリ。
「タロウはまおちゃんが大好きなんだもんねえ・・・」
暫くじゃれまくってる。
仕方ないので「何歳ですか?」とか何とか・・・。
当り障りの無い四方山話で場をつないだ。
エレベーターまで一緒に乗って、挨拶して別れた。
キツネにつままれたようである。
今までの6年間はナンだったんだ?

  • 目的

ナゾは意外に簡単に解けた。
嫁さんもあきれていた。
朝、「まおさん」に行ったら「わりかま」に会ったそうだ。
「タロウ」も一緒でひとしきり四方山話。
ちゃんと挨拶もして愛想良く話したらしい。
午後から嫁さんはプールに出掛けた。
帰って来た時に丁度「わりかま」が出掛けるところだった。
嫁さんが「あ、行ってらっしゃい」と声を掛けた。
シカトだったそうだ。
同じことが2回続いたらしい。
お坊ちゃまがいる時は愛想良く近寄って来る。
1人でいる時は元通りのシカト。
要するに目的はお坊ちゃまだけ。
ぶすっくれジュニアと「タロウ」の為にだけ近所付き合いする。
その目的以外には一切関係ないってか。
わっかり易いなあ〜。