中華料理屋の雑感Ⅷ

  • 伏兵

意外なところに意外な店があった。
普段、しょっちゅう前を通っていたが目に留まらなかった。
キッカケは後輩のハマちゃん。
何でも酔っ払って飛び込みで入ったらしい。
ところが思いのほか美味かったという。
この話はずいぶん前に聞いていたような気がする。
が、どうせ酔っ払いの舌じゃあてにならんと思ってた。
それと中華料理も結構好みが分かれる。
「中国人がやってる店」ってのが良く出て来る。
クチコミ情報は必ず足を運んでみるが、まず当たったためしは無い。
不味いというのでは無いと思う。
要するに好みが合わないということだべ。
この伏兵は意外と好みに合った。

  • 「丸子」〜Wンズ〜

変な名前だ。
中国語読みかな?
JR駅すぐ前の一等地。
オフィスビルや飲食店ビルが並ぶ。
ド派手な看板のラーメン屋のすぐ横に地下入り口がある。
ぜんぜん目立たない。
でも入ってみると小ギレイな店内。
さっぱりしていて、落ち着いた雰囲気が寛げる。
スタッフはとーちゃんかーちゃんと娘、あとバイトの娘が1人。
アットホームというか、小回りが効く大きさだ。
久々に先輩と後輩ハマちゃんと3人で繰り出した。
いつもの「Aじさと」は全て予約で超満席だった。
あきらめて、さてどうしよう?
すかさずハマちゃんから提案。
ま、モノは試しで入ってみることにした。
入ってみると客は我々だけだった。
週末のこの時間で、大丈夫かな・・・?
大きなお世話だった。

  • オーダー

まず生ビール。
残念ながらスーパードライじゃない。
惜しいねえ。
スーパードライだけで50点獲得なのに・・・。
メニューを見ると種類はかなり豊富でリーズナブル。
全体に小盛りだという。
試しだから幅広く・・・。
前菜は「バンバンジー」「中華豆腐」「揚げ麺サラダ」
まずは「バンバンジー」のゴマダレを味見。
「ふんふん・・・」
「どうですか?」ハマちゃんが心配そう。
「うん、ヒトにもよるだろうけど好みの方だね」
「そりゃあ良かった」ホッとしてる。
「さすがに横浜の「桃源」には及ばないけどね・・・」
「横浜そごうの「桃源」ですか?」
「えっ?知ってんの?」
「あそこは美味いですよねえ〜」
意外だった。
ハマちゃんが「桃源」を知ってたなんて・・・。
絶対、中華街まっしぐらタイプかと思ってた。
はっきりした濃厚な味好みかと思ってた。
当店は全体にさっぱりした味でクセがない。
濃い味が好みの方には物足りないかも知れない。
素材の味がわかる味付け。
鶏ダシや龍角散みたいな香りが出しゃばって来ない。
油がベタついて来ない。
思わぬ伏兵がいたじゃ無いですか。
ちょっと嬉しくなって来た。
ビールが進んじゃう。

  • プロスタッフ

続けてオーダーを出す。
フロアスタッフは多分娘だと思うがなかなかだ。
いろんなことを良く知ってる。
「チンジャオロース」「麻婆豆腐」「チンゲンサイ炒め」
「ホタテ・エビ炒め」「ホイコーロー」「水餃子」
娘はそれだと「塩味」が続きますよ、とかアドバイスする。
量的にはこれぐらいで一回止めといた方が・・・とか。
なかなか出来てる。
そうこうしてる内にいつの間にか店内は満席になってた。
我々の出足が早過ぎたのかな?
だんだん混んで来ると娘が席に来た。
「もうすぐ団体さんが入るので、早めにオーダー下さい」
なかなかである。

  • 好み

コストパフォーマンスは良好。
3人で死ぬほど飲んで喰った。
仕上げにハーフラーメンまで喰った。
しめて11,000円程度。
多分、料理は10品以上喰ってると思う。
まずまず好みの方だった。
久々に失望感から開放された。
一言で言えば薄味。
さっぱり系中華と言えると思う。
もちろん値段相応ではあるけれどまあまあ美味かった。
ひょっとしたらこの街で一番かも・・・。
横浜の「桃源」のダシ・コクは望めないけれど、十分にイケると思う。
あまりに店が無いので、採点は甘くなる一方だけど・・・。
もう一度来てみようと思った。
早速、嫁さんに検閲してもらわないと・・・。