JR西日本事故のこと

  • 緊張感

また、大阪事業所に出張した。
午後からこちらの事業所を出発。
夕方、現地スタッフと合流することになっていた。
いつもながら大阪は緊張する。
異文化の香りがプンプンして、どこか日本離れしてる。
海外旅行に行くときの緊張感に近い。
新幹線を降りるときはとりあえず背もたれを起こす。
学習機能が働いてる。
周囲に目配りしながら歩く。
怪しげなヤツはいないか?
エスカレーターに乗ったら右側に立つ。
どうしても東京の反対にしたいんだ。
電車のホームでは絶対に端っこには立たない。
「ゴルゴ13」じゃないけど、背後にヒトが立つと気になる。
緊張感を保ったままで待ち合わせの居酒屋に到着。
やれやれ・・・。

まったく知らなかった。
とんでもない事故が起きていた。
それも尼崎。
近くといえば近くだ。
新幹線車内の電光掲示板でニュースが流れた。
その時点では死者は40数名と出ていた。
結果的に倍に膨れ上がった・・・。
ひぇ〜、おっそろしい・・・。
既成概念ってのは恐ろしい。
電車ってのは一番安全な乗り物ってイメージがある。
落ちる心配や、沈む心配もいらない。
専用の通路を最優先で走れる。
ちょっとくらいぶつかっても丈夫で負けない。
こんなイメージ。
やっぱ、こんだけ世の中が変わってるんだ。
考え方を変えなきゃいけない。
電車も前方車両は避けたほうがいいかも・・・。

  • 事故原因

原因は、まだはっきりはわからない。
いろんな原因が重なった可能性もある。
運転ミス、外的要因、車両故障・・・。
既にはっきりしてることもある。
制限速度70km/hを超えるスピードが出ていた。
線路上に置石を疑わせる痕跡が残っていた。
でもカーブは理論上は133km/hでも大丈夫とか・・・。
13cm以上の大きさの置石は跳ね飛ばせる仕組みとか・・・。
じゃ、100km/hで10cmの置石を踏んだら・・・。
何とも言えないねえ・・・。
いろんな声も出る。
運転士は平成12年入社以来、3回も訓告処分を受けてた。
手前の駅で40mもオーバーランした。
でも車掌と口裏を合わせて、8mオーバーだったことにした。
「ATS」が旧タイプのモノだった。
線路への侵入防止柵がなかった。
何とも言えないねえ・・・。

  • そう言えば・・・

いつも乗ってる東海道線
忘れらない経験がある。
いつものように東京で飲んで23:00ころだった。
東京駅から乗車。
新橋駅で停車。
4〜50mオーバーラン
車掌が謝ってる。
「お忙しいところ恐縮ですが、停車位置を修正させて頂きます。」
何となくバックもガタガタしてぎこちない。
「新人かな?」と思った。
品川駅で又、オーバーラン
「お忙しいところ・・・」
川崎駅でも、横浜駅でもオーバーラン
当然、時間はどんどん遅れてゆく。
ま、どうせ乗ってるのは酔っ払いばっかし。
ほとんど寝てるか、本でも読んでるか・・・。
多少、遅れたところで大勢に影響ない。
ぜんぜん騒ぎにも何にもならんかった。
「新人の練習はこんな時間にやるのが一番やなあ・・・」
なあ〜んてぼんやり考えてた。
問題はこの時の記録がどうだったか?
オーバーランや遅れがちゃんと報告されたか?
これが結構重要な気がする。

  • 時代の変化

電車に限ったことじゃ無いんだけど・・・。
誰もが世の中は変わったと思ってんじゃないかな。
時代と共に社会環境がまったく変わった。
何が一番変わったか?
ヒトじゃないかな・・・?
ヒトの質が一番変わった気がする。
科学技術がどーたら、経済成長がこーたら・・・。
何でも効率化されて、性能も良くなって・・・。
確かに素晴らしいことかも知れない。
でもそれってヒトの質が変わらないことを前提にしてるっしょ?
これっておとろしいよなあ・・・。
技術革新よりもヒトの質の劣化の方がおとろしい・・・。
アタマを切り替えなきゃいけない気がする。
ちょっと前の東武線の踏切事故。
最近のJALの相次ぐ不始末。
他にも不安な事はいっぱいある。
これって結構、根が深そうな気がする。
機械なんかがどんどん進歩して、ヒトがついて行けない。
ついて行けないどころか、ヒトは質が劣化してる。
完全にズレてる。
世の中全体の噛み合せがズレて来た気がする。