珍しくも無い本の雑感19

  • 「ハルキスト」

ってな言葉があるらしい。
村上春樹」の熱狂的ファンと言う意味らしい。
blogのおとなり日記を覗いていたら見つけた。
サユリスト」とか、「コマキスト」とかとおんなじかな?
BIGになった証しか。
すっかり有名になって新聞にも出て来る。
一度、写真を見た事がある。
う〜〜ん。
決して美男子だ。
作品に出て来る「僕」と重ねるのにちょっち苦労する。
意外に小説家って顔写真を出さない方が良いかも・・・。
読者が勝手に想像してる世界の方が夢があるかも・・・。

  • ローテーション

またまたローテーションが巡って来た。
休憩と言うか、骨休めと言うか・・・。
東京に出掛ける時の朝の電車にはぴったしなんだよなあ。
重過ぎず、重過ぎず。
にも拘わらず洗練された小洒落た言い回し。
テンションの低い朝には最高。
今回のお題は「パン屋再襲撃
ろくに内容を見ずに買ったら短編集だった。

    1. パン屋再襲撃
    2. 象の消滅
    3. ファミリー・アフェア
    4. 双子と沈んだ大陸
    5. ローマ帝国の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーポーランド侵入・そして強風世界
    6. ねじまき鳥と火曜日の女たち

6編のそれぞれに違った印象が残った。
やっぱりそれぞれ面白かった。
何とも言えないワールドがある。
兎に角巧いわ!

  • 真骨頂

今回もワールド満載だった。
中でも真骨頂は「ファミリー・アフェア」じゃないかな・・・。
良くもこれだけのキャラを創り出すと思う。
偏狭な性格。
確固としたいい加減な生き方。
思わずニヤっとしちゃう気障なセリフ。
またまた沼津の友人を思い出してしまった。
「僕」の斜に構えた物言いは小気味良い。
妹への心情・結婚相手への心情が良く表れていて面白かった。
「結婚式は秋が良い。まだリスも熊も呼べる・・・」
如何にも・・・。

  • デッサン

ローマ帝国・・・」は要するにメモなんだろうな。
画家がいろんなモチーフをデッサンして温存しとくみたいな・・・。
もしくは作曲家が浮かんだメロディーの断片を音符にしとくみたいな・・・。
後からいろいろ繋ぎ合わせて1つの作品に仕上げて行くのかな。
そんな作業を垣間見るような気がした。
「ねじまき鳥・・・」はまさに「ねじまき鳥クロニクル」だった。
原稿なのかな?
最初だけ読み比べてみたらびみょーに表現が違ってた。
確かに「クロニクル」の方が洗練された表現みたいな気がする。

  • 気づき

我ながらトロいと言うか、鈍いと言うか・・・。
この本を読んでやっとある事実に気づいた。
このヒトの作品の登場人物ってみんな共通してるんだ。
こないだ感じたデジャブはそれか?
何だかどこかで見た事がある景色だと思った。
なある・・・。
沢山読んでるヒトはちゃんとキャラが整理されてるんだ。
「法律事務所に勤める僕」
コンピューター技師の「渡辺昇」
何かビミョーな名前だけど・・・。
「双子」も「笠原メイ」も出て来る。
トロいと言うか、鈍いと言うか・・・。