まおの食欲の雑感16

  • 1クール

1ヶ月くらいかけて抗がん剤の多剤併用投与をした。
昨日がとりあえず1クールの最終だった。
クールの最後は「アドリアシン」
結構、強いクスリなので「ドクターF沢」は預かりたいと言う。
嫁さんは朝一で「まおさん」に行って、10:00ころ病院へ。
それから夕方までお預かりということだった。
夕方、嫁さんと病院で待ち合わせ。
会社からは歩いて20分ほどの距離。
当然、ベルサッサ
ほぼ散ってしまったさくらを見ながらてくてく歩く。
いつの間にか4月も半ば・・・。
もうすぐゴールデンウィークだわね。
いつもなら今頃は訪れる国の言葉なんか覚えている頃・・・。
「こんちわ」とか「有難う」とか・・・。
さすがに今年はそんな気にならない。
思えばもう4ヶ月半も経つんだ。
何となく頭の中にシコリがあるみたいな・・・。

  • 元気

「F沢動物病院」は結構混んでいた。
この街ではすっかり人気病院になっちゃった。
嫁さんも何人も知り合いに紹介してあげたそうだ。
みんな、気に入って常連さんになってる。
ちょっと紹介料もらった方がいいんじゃない。
カネなんか要らないから、お坊ちゃまの治療2割引き券とか・・・。
そっちのが高いか・・・。
お坊ちゃまは元気だった。
ほぼ1日離れていたので、しっぽフリフリですがりついて来る。
・・・ったく。
「な〜にょ〜あみゃあてるだあ〜ね〜、みゃあは・・・」
(何をそんなに甘えてるんだ?「まお」は・・・の沼津弁)
「ドクターF沢」いわく「治療は順調です」
「5日ほど後にちょっと血便などの副作用が出る可能性があります」
でもウチでは出たことはありませんが・・・と加えた。
女医さんいわく「何だかまおちゃんは元気ですよねえ・・・」
そう、元気なのである。
元々、アスリート系元気印のお坊ちゃまなのだ。

  • 「アドリアシン」

恒例のインターネット検索。
一般名「塩酸ドキソルビシン」
協和発酵工業で作っているそうだ。
やっぱ、抗がん剤はどれも同じだけど副作用のデパート。
1.骨髄機能抑制、2.心筋障害、3.感染症、4.出血傾向
5.消化器障害、6.脱毛、7.泌尿器障害、8.発熱・・・。
やれやれ・・・。
いろいろ検索してたら、「アドリアシン」投与経験者の話があった。
やはり心筋毒性が強い為、2時間半かけて点滴静注した。
その間、飼い主が付きっ切りで見張ってた。
人間用の心電図を使って心筋ショックをチェックしてたそうだ。
それもたまらんなあ・・・。
飼い主は生きた心地がしないよなあ・・・。
そう思えば「ドクターF沢」は良心的かも・・・。
多分、自ら見張っててくれたんだろう。
有難いこった。

  • 脱毛

お坊ちゃまは元々毛が薄い方だった。
その所為かどうかわからないが、ここんとこすごい脱毛。
思えばステロイドを使い始めた頃からやたらに抜け始めた。
先週、とこやまで超サマーカットにしておいた。
その方が脱毛が目立たなくなる。
「ドクターF沢」もちょっとびびってた。
「これって、カットですか?脱毛ですか?」
「脱毛がひどいので、超サマーカットにしたんです」と嫁さん。
「そんなに脱毛が出る子はいなかったんだけどなあ・・・」
ドクターちょっと恐縮気味。
しょうがないよ。
個体差もあるしさ・・・。
確かに可哀想だけど・・・。
せめて脱毛の先輩が同じ超サマーカットに付き合ってやろう。
えっ?
お坊ちゃまと一緒にするな?

  • チャームポイント

室内犬、特にシーズーにとって毛はとっても重要。
尊厳にかかわる重大事だと思う。
お坊ちゃまも細いけれどしなやかな毛は自慢だった。
耳の毛はしっとりとして艶やか。
しっぽの毛もモンローウォ−クに連れて優雅に揺れる。
耳としっぽはお坊ちゃまのチャームポイントだった。
ここんとこの脱毛でまるで別人28号になってる。
そもそもこの時季に超サマーカットのシーズーってあんまり見ない。
完全にキヨハラカットだ。
自慢の耳の毛は長く残したのにスキバサミを入れたみたい。
しっぽはカビの生えたゴボウみたいな様相。
・・・。
何だかなあ・・・。
確かに元気になってる。
寛解療法は効果が出ていると思う。
それはそれでとっても嬉しい。
でも、お坊ちゃまの尊厳を傷つけてるような気がするなあ・・・。