珍しくも無い本の雑感18

  • 奥田ワールド

この前、一気読みした「空中ブランコ」が忘れられなかった。
職場で読んでて思わずニヤニヤしちゃった。
周りのヒトはエロ本か何か見てると思ったかも・・・。
危ない本だった。
ドクター伊良部が出て来るたびに沼津の友人を思い出した。
何とも言えないキャラである。
ついつい沼津の友人に紹介した。
そしたら前作「イン・ザ・プール」を教えてもらった。
そんなのがあると思うとどうしても読みたくなる。
またまたほとんど一気読みだった。

  • ドクター伊良部

伊良部健在と言うか、こっちが前作だった。
想像するだけで顔が緩んでしまう。
一般小市民の憧れのマト的キャラだよなあ。
見た目は不細工そうだけど幸せ一杯に思える。
ん似ている!
やっぱり沼津の友人のキャラと重なる。
看護婦のマユミちゃあんもいい味出してる。
なかなかのスパイスになってる。
それにしても「奥田英朗」って医学の心得があるのかな。
もしくは心理学とか・・・。
良くぞこれだけ微妙なココロのシワを描けるモンだ。
いちいち「うん、うん」と頷いちゃう。
身に覚えがあると言うか、紙一重と言うか・・・。

  • 5編

この本は5つの短編で出来ている。
それぞれの患者もありがちだ。

    1. イン・ザ・プール・・・38歳男、水泳中毒、加齢とともにうぬぼれて許せない事が多くなったストレスが原因
    2. 勃ちっ放し   ・・・35歳男、陰茎強直症、感情を爆発させられない事によるストレスが原因
    3. コンパニオン  ・・・24歳女、被害妄想、自意識過剰で常に自分がナンバーワンで無いと気がすまないストレスが原因
    4. フレンズ    ・・・17歳男、ケータイ中毒、ネクラで友達に囲まれていないと落ち着かないストレスが原因
    5. いてもたっても ・・・32歳男、強迫神経症、生真面目で根っからの心配性が昂じた事が原因

いやあ〜、面白かった。

  • 微妙な角度

面白かったけど「空中ブランコ」とは微妙な違いがあった。
やっぱし年輪もあるんだと思う。
イン・ザ・プール」の方がちょっと青い部分を感じた。
空中ブランコ」は更にこなれたと言うか、洗練されたと言うか・・・。
でも一番違いを感じたのは切り口の角度。
これが微妙に違った。
この本で一番印象に残った部分。

世の中には心配を掛けるヒトと、心配するヒトがいる

そ〜だよなあ〜。
ヒトは一事が万事、この2種類だよなあ〜。