ユートピアのこと

  • 生態

最近大阪市役所の記事を良く見かける。
やれ、何百億円カスメ盗ったとか、返すの返さないの・・・。
一般的な役人の生態として分かりやすい例だと思う。
彼らの生き様・性癖を良く表している。
役人は社会を支配してるんだから当然報酬も手厚くなきゃいかん。
「生命共済補助」や「スーツ支給」などの過剰な福利厚生だけじゃ足らん。
「ヤミ退職金」「ヤミ年金」「カラ残業」「ウラ遊興費」・・・。
ほとんど治外法権
何でもありの組織文化だ。
俺達だけが特別に悪い事してる訳じゃない。
でもここ暫くメディアがやたらにうるさい。
特に「旭新聞」はしつっこく叩き続けている。
仕方なく重い腰を上げて年間180億円の削減策を作った。
4万8千人の職員1人あたり37万円にもなる・・・。
でも予想通り「市労働組合連合会」が抵抗してる。
言い草としては「労使協議を経て出来た制度だ。一方的な犠牲はごめんだ」
すったもんだで「生命共済補助」と「スーツ支給」だけ廃止に応じたとか。
金額は年間11億円・・・。
しかもあくまでもオモテのカネの話だ。
これぐらいの額ならすぐに又何かでカバー出来る。
大丈夫。
従順なお客さんはその内に忘れる・・・。

  • 財政危機

大阪市の財政難は超有名になっちゃった。
三セクの失敗や、賄賂や癒着だけの公共事業で借金がかさんだ。
でも役人の取り分はちゃんと確保しなきゃいかんので更に借金する。
財政が赤字ってったって知ったこっちゃ無いよ。
役人はちゃんともらえるモンはもらう。
財政危機なんて職員には痛くも痒くもない。
それにしてもメディアはうるさい。
そんなに言うなら改革してやろうじゃないの。
出てゆくカネを削ってやろうじゃないの。
従順なお客さんにサービス低下を我慢してもらうっきゃ無いよ。
えっ?
公務員給与?
そんなモン減らす訳無いじゃん。
ば〜っかじゃないの?

  • 切り捨て

大阪市って生活保護率が都道府県・政令指定市のなかで最高なんだと。
人口千人当たり35人も居て、最低の富山県の17倍だそうだ。
やっぱサービスし過ぎなんだよ。
国が3/4を補助しても、2千億円以上のカネが出ている。
市の歳出の12%を占めるのは生活保護費。
これは積極的に削らないと・・・。
「働かざるもの喰うべからず」って言うんじゃな〜い。
最近は保護申請窓口の担当者にはノルマを課してる。
如何に「申請件数を減らしたか」
如何に「生活保護を打ち切ったか」
これが窓口の評価だ。
放っとくと生活保護申請者は増長するばっか。
10代で子ども作って生活保護・・・?
1回も働いた事も年金保険料払った事も無いワカモノが生活保護・・・?
ふざけちゃいけないよ。
こないだも1人暮らしのばあさんが来たけど一蹴してやった。

  • 全体像

大阪市は特別じゃない。
決して例外じゃない。
多分全国津々浦々ほぼ金太郎飴だ。
役人の全体像を記した記事を見つけた。

    1. この国の国家公務員は96万7千人、地方公務員は311万6千人、合計約408万3千人の役人が巣食っている。
    2. その人件費は国が11兆4千億円、地方が26兆9千億円、合計約38兆円強である。
    3. この国の予算は一般会計が81兆8千億円、特別会計が383兆4千億円、政府関係機関が6兆1千億円、重複分を除く合計は約250兆円。
    4. 更に地方財政規模は84兆7千億円あり、財政投融資も23兆4千億円あり、毎年の国の支出は300兆円以上になる。
    5. 国と地方を合わせた税収入は75兆2千億円であり、国と地方の財政規模はその約4倍となる。
    6. この国の借金は約700兆円と言われるが、財政投融資対象法人の負債総額は300兆円以上あり、総額は1千兆円を越える。
    7. 郵政公社は12万人、各省庁はコネ採用の2万人のパート・アルバイトを抱え、日給は8千円〜1万円である。
    8. 公務員共済年金制度には毎年2兆円が投入され、サラリーマン厚生年金より月額2万円多く支給される。
    9. 遺族厚生年金は妻の再婚、子どもの成長などで打ち切られるが遺族共済年金は無関係に父母・孫・祖父母まで受け継がれる。
    10. 国家公務員は国の1/3が寒冷地指定されており、毎年22万人に225億円が支給されていた。他にも50を越える各種手当がある。
    11. 年間予算約200億円の会計検査院のムダ遣いの指摘金額はほぼ同額の200億円だったが、近年は倍の400億円に増えている。
    12. 国家公務員の平均月給は41万円、課長年収1千百万円、事務次官2千4百万円、退職金は2,800万円〜1億円が支給される。
    13. 国会議員の年金は掛け金を10年間払えば年額412万円が支給され、その維持の為に毎年20億円が投入されている。
    14. 地方議員は月給4〜60万円とボーナス3.6ヶ月程度の他に月60万円の「政務調査費」や1日5千〜2万円の「交通費」が支給される。
    15. 地方議員の年金は掛け金を12年間払えば年額70〜200万円が支給され、その財源維持には地方税が投入される。
    16. 地方議会の会期日数は述べ90日程度であり、全議員が出席する本会議は20日前後と少なく、地方議員はサイドビジネスである。

これがオモテの部分だけの全体像。
更にもれなくウラが付いてくる。
カラ残業・カラ出張・何でも手当・ウラ遊興費・・・。
不幸にして我々は高度成長時代に就職してしまった。
みんなどこかで公務員なんか・・・と思っていた。
失敗だったなあ・・・。
思慮が足りなかった。
民間にはユートピアは無かった。